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美人の友人

街灯に寄ってくる虫のように
男が寄ってくる
熱いのか目が眩むのか
ポトリと落ちる
懲りずにまた別の虫がやってくる


「あの娘別れた?ヨッシャー」
男が順番待ちをしているのではないかと思えるほど途切れない


30年来の美人の友人の話です


「ウメの持ってくるコンパ、可愛い子そろってるな」

虫男たちからの賛辞のことば

ありがとう
遣り手ババァにしてくれて

「同性に嫌われたら地獄やで」
その子が言っていた
そこだけは細心の注意を払っていた

幼い頃から蝶よ花よと育てられ
男からチヤホヤされていた
美人が言うからこそのお言葉


自覚のある美人は
毒もあるが頭が切れて
自分の立ち位置がよく分かっている

美醜のことはさておき

自分の何が必要とされているか
ここで自分はどう振る舞うべきか

それを教わった


医者!弁護士!ヤンエグ!
と口では言ってはいたが、
彼女が選んだ相手は
同い年の普通のサラリーマンだった