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自分は運がいいと思った方がいい─その2


(773字)

幼い頃、私はニュータイプのように「何となく感じる」というような子どもだったように思います。
何かをされたわけでもないのに「この人何かやな感じ」と思った親戚の叔父さんが、奥さんに暴力を振るう人だったり。

そんな私がそれこそ幼稚園児くらいの頃から母に対してずっと感じていたのは
「この人、私の本当のお母さんじゃない気がする」
でした。
嫌いだったとか、冷たくされていたことなどは全くなく「何となく」です。
それもやっぱり当たっていました。

私の産みの親は、母の姉です。
産みの親は私がまだ赤ん坊の頃に病気で亡くなったそうです。
年齢を逆算すると私の親になってくれたのは28歳くらいの頃です。
28歳のお嬢さんが、自分が産んでいない子の親になる決心をするというのは一体どういうものなのか想像もつきません。
なぜかと尋ねたことはありますが、本心なのか私のことを思ってなのか笑いながら「何でやろねぇ。」と言っただけでした。

「多羽〜」の中で少し触れていますが、母の亡くなる数か月前にそのことを伝えられました。母も自分の命の終わりが見えた時、さすがに手離したかったのだろうと思います。

大人になって色々想像してみました。
父の女性の好みを知った上で、別の人と再婚していたらどうだっただろうかと。
父はモテ男でルッキズムの権化なので、美人と再婚したでしょう。私は美人の継母から虐められていたかもしれません。

本当に運が良すぎる私の人生。
強運すぎて母や父の人生を変えてしまいました。
このことは時々ずっしりとのしかかってくることもあります。

「ウメに出生のことを告げる。えらい物を背負わせてしまった。頑張れウメ」

母が私に出生のことを告げた日に書いた言葉です。遺品の手帳に書いてありました。

背負っていたのはあなたですよと言いたかった。
私は強運の重みを物ともせず元気でやってます。

ではまた〜