私を捉えて離さない、ここでは無い何処かへ願望

人にはいろんな願望がありますが、長年に渡り私の中で根強く登場する願望それが、ここではない何処かへ願望

住む場所だったり、働いてる場所だったり、ずっと心の隅にある、ここではない何処かに私の居場所があると言う感覚。

何度か、この感覚がきれいに消えたことがあります

大学の時、一年間NZの大学に交換留学しました。
3か月くらいが経ち、少し慣れて来た頃に長期休みがあり、仲良くなったベルギー人、イタリア人、デンマーク人の女の子達とエイベルタスマン国立公園と言う所へ、5日間のトレッキングに行ったのです。

2日間はシーカヤックにバックパックやテント、5日分の食糧を詰め込み海上を北上、2日間はハイキングコースを歩いて北上、最後は水上バスでスタート地点にもどる、と言うなかなか過酷な旅でした。

3日目、数時間歩いた後にきれいなビーチに出ました。何時間も歩かなきゃこれない場所だから、私達の他には誰もいません。水はかなり冷たかったけど、泳いでるとそれが気持ち良くなってきます。海の上にプカプカ浮かび空と山と自分の足の爪の先を一緒に眺めた時、私はここにこうしているために、今まで頑張ってきたんだな。
家族や友達と離れて、英語や勉強も苦労もして、1人でNZに来たんだなーって、強く思いました。

それ以来私はどこかの海に入る度、海にぷかぷか浮かび、空と山と自分の足の爪を眺めるのが習慣です。物理的にも精神的にも自分がどこにいるかを確認するための儀式みたいな感じ。


私は海外に出て行くこと、自分のコンフォートゾーンをえいと飛び出し、未知の扉を叩いたその先に行けば私のここではない何処かへ願望が満たされる、と言う刷り込みが留学を通じてされたのかもしれませんね。

ちなみに、今のフランス人夫には、このNZの大学で出会いました。

その後月日は流れ、ここではない何処かへ願望がまた蓄積されていました。
ますます海外勤務への憧れも募るばかり。
海外勤務が叶えば、願望は満たされる!と信じていました。

さらにちょっと月日は流れ、海のある街に家を買いました。築35年の少しユニークな家を。
引越して住み始めたら、スーッと消えたのです。
ここではない何処かへ願望が。

結局マイホームっておちかい?なのですが、家、街の雰囲気、海。縁もゆかりもない土地なのに、すごく全てがしっくりしました。この時に、きっと私の海外勤務願望も本当は無くなっていたのかな、と思ってます。

私、今回海外勤務がかなってから、そして実際にフランスに来て働き始めてからも、なんだかモヤモヤしていたんですよね。私のここでは無い何処かへ願望が、再び暴れ出したような、、、

だから、このよく現れるここでは無い何処かへ願望について、また久々に考えてみたのですが。少し結論に近づきました。

変化が起きる時って、自分から取りに行く変化と、意図せず降ってくる変化がありますよね。海外勤務は自ら目標に掲げて取りに行く変化、とずっと思っていたから、それを手にした時にモヤモヤしたんだと思うんです。
でも、実は、欲しいと言う願望が消えていたわけなので、自ら取りに行ったんじゃなくて、これが意図せず降って来たものだと思ったならば、、、、

まー、会社のお金で送るフランスライフ、超ラッキーですよね!笑

フランスには、夫と出会ってから17年間、毎年一回か二回は来てました。フランスは美味しくて素敵で、大好きです。でも住むのは初めて!
私にとっても娘にとっても、一度フランスに住むって経験は、いいに決まっている、と思ってます。

そして最近、フランスをこの機会にたっぷり吸収しようではないか、と言う気持ちが湧いてます。ベルサイユ宮殿の広大なお庭を朝ランニングする時は、そのエネルギーを意識しながら身体に取り込んでいます。

そんな感じで、自分をモヤモヤさせる願望に向き合ってみたら、うまく消化出来、さらに取り入れたいエネルギーへの渇望も湧いてきた、そんなポジティブなお話でした!

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