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自転車に乗って、いつもの道を走っていたら、 駐車場にジョージが見えた。 ジョージというのはアニキの白い2tトラック。 名前を聞いたら「ジョージ」と答えたから、 それ以来会う度に声をかけている。 今日ジョージの荷台に猫が乗っていた。 丸々太ったトラ猫だった。 わたしと目が合ったら、わたしが乗っている自転車を目で追いかけて、 ずっとわたしを見ている。 「トラちゃんこんにちは」と声をかけた。 これがトラとの出会い。 トラとジョージは仲良くおしゃべりしていたよ。 トラ
トラが大好きな公園に大きな切り株があります。 この切り株の上で昼寝するのがトラの日課です。 いつものように気持ちよく寝ていると声が聞こえてきました。 「ちょっとそこどいてくれない」 寝ぼけ眼で声のする方に顔を向けると、ピンと真上にしっぽを立てた真っ黒い猫がツンと澄まして立っていました。 「ねえ、早くどいてよ」 「なんだよせっかく気持ちよく寝ていたのに」と不機嫌そうに答えたものの、 トラは一目でその黒猫に恋をしてしまいました。 「君の名前はなんていうの?」 「ルナ」
月夜の晩 いつものようにトラがジョージの荷台で ウトウトしていると ジョージが話しかけました 「ねえトラちゃん。君を乗せてあげるから いっしょに旅に出ないかい」 びっくりしてトラは飛び起きました 「えっ、本当に?それは楽しいだろうなぁ」 いつも閉まっている窓ガラスが その日は少し開いていて ぴょんとそこから運転席に滑り込みました 「わぁ、運転席ってカッコイイなぁ。僕が運転してもいいのかい?」 「うんいいよ。」 トラは運転席に座ってハンドルに手をかけました ブルルン