嫌いな映画教えてください! 一本目「未来のミライ」
人の嫌いな映画が観たい。りくやとおるです。
本noteはお題箱で嫌いな映画を募集し、観てみる試みを記録するものです。
一本目はコチラ
2018年公開、細田守監督のアニメ映画「未来のミライ」を鑑賞します。
鑑賞方法
わたしはAmazon Prime Video、Hulu、Netflixと3つの動画配信サービスに登録していますが、「未来のミライ」はどのサービスでも配信対象ではなかったので、Amazon Primeのレンタルサービスを利用することにしました。
300円の標準画質版と400円の高画質版があります。
たとえ人が嫌いでも、自身のベストムービーになる可能性もある。
それをふまえて、400円の高画質版で観ることにしました。
感想
300円で観りゃよかった
「未来のミライ」あらすじ
ネタバレあり!と注意書きしようかと思いましたが、驚きのしかけもないのでネタなしと判断し、最後まであらすじを説明していくことにします。
主人公のくんちゃんは4歳の男の子です。家族は建築家の父、出版社勤務の母、犬のユッコ。
家は横浜の磯子あたりにあるようです。
家は建築家の父が増改築したようで段差だらけの個性的な匠系ハウスです。
雪が降る中、物語はその家に女の子の赤ちゃんが来るところからはじまります。
くんちゃんは赤ちゃんにかかりきりになる母親にかまってほしくなり赤ちゃん返り。
赤ちゃんをオモチャで叩き、母親に責められることで家族のことが「好きくない!」状態になります。
泣きながら中庭に転がりでるくんちゃん。
するとひげ面でくたびれた謎の男があらわれ、くんちゃんにその感情は「嫉妬」だと教えます。
自分もかつてこの家の王子だったが、同じように赤ちゃんがあらわれ愛を失ったという。そう、謎の男は犬のユッコだったのです。(ユッコ、♂だったのかよ)
顔がかわいくないのはおじさんだったからか(へえ)
例のアナルプラグのシーンは大筋に影響はないのであえてはぶきます。
くんちゃんはユッコと遊び、機嫌をなおします。
春になり、ひなまつりの日です。
ひな人形をかざって赤ちゃん(命名:未来ちゃん)をお祝いする一家。
おじいちゃんおばあちゃんも遊びに来ていますが、主役はくんちゃんではなく未来ちゃん。
このシーンでは以下の情報が展開されます。
・未来ちゃんの右手にあるアザ
・ひな人形をしまい忘れると、一日につき一年娘の婚期が延びる言い伝えがある
・ひいじいさんとひいばあさんは、かけっこで勝負し、ひいじいさんがかけっこで勝ったことで結婚した
・ひいじいさんは足が悪い
次の日、仕事復帰した母は出張へ。
「ひな人形は今日中にしまっておいてね」と言い残して出かけます。
一人での家事育児ははじめての父。家事の合間にくんちゃんの幼稚園の送り迎えをすませ、やっと未来ちゃんもお昼寝。
やっと仕事にとりかかろうとしますが、眠気にも勝てない。
もちろんひな人形の片づけなんて、すっかり忘れています。
父にかまってもらえないくんちゃんも、すねて中庭へ。
すると謎の制服姿の女の子があらわれます。
くんちゃんを「お兄ちゃん」と呼ぶ女の子。未来のミライです。
未来ちゃん(大)の手のアザに気づき、くんちゃんも女の子を未来ちゃん(小)と同一人物であることを信じます。
ちなみに手のアザは、これ以降ストーリーに一切からんでこないのでもう忘れていいです。先のシーンで意味深に印象付けられていましたが、くんちゃんが妹だと信じるための装置でしかなかったようです。
未来ちゃんが来た理由はずばり「ひな人形をしまうこと」
恋をしているらしい未来ちゃんは婚期が遅れることを心配しています。
このあと未来ちゃんの恋の話や、どのように過去にやってきたかなどは最後まで観ても明かされないので流していいです。
くんちゃん、未来ちゃん(大)、ユッコ(おっさん)の3人で父の目を盗んでなんとかひな人形をしまうことに成功しました。
例のよがり狂うくんちゃんのシーンは大筋に影響はないのであえてはぶきます。
未来ちゃんは共同作業により人間関係がよくなる例をあげ、「お兄ちゃんも、わたしのこと好きになった?」と聞きます。
くんちゃんはまだしっかり好きとは言えないようです。
あらすじとはいえ、まじめに書くのも面倒になってきたので以降の流れはこんな感じです。
①愛に飢えたくんちゃん発狂
②くんちゃん異世界ワープ
③異世界で、幼少時代の母や、若いころのひいじいさん、未来の自分に会う
④③での出会い等によって気づきをえて、成長するくんちゃん
※①~④の繰り返し
最後は未来ちゃん(大)とともに、一族の歴史を振り返る時間旅行へ。
未来ちゃん(大)が「些細なできごとが積み重なって、今の私たちを形作っているんだね」と映画で言いたかったことをしっかり教えてくれます。
現代に戻ってきたくんちゃんは、心から未来ちゃん(小)に笑いかけることができます。
家族は夏の思い出づくりにキャンプへ出発。
以上が、あらすじになります。
ふたたび感想
98分無感動。
犬の顔がかわいくないのが伏線だったのには笑いましたが、突然異世界モードになる演出に慣れず、また未来ちゃんが時間を行き来できる理由やその目的なども明かされないためモヤモヤが残ります。
未来ちゃん(大)
てっきり、未来では兄妹の中がうまくいっていないから妹がわざわざ過去へ戻るとか。明確な目的があるのかと思いましたが考えすぎだったようです。
未来ちゃんも制服姿ではなく、40歳過ぎの風貌であらわれてくれれば、もうちょっとひな人形をしまうことの重要度も上がった気がします。(未来ちゃんならぬ未来さん・・・)
実は未来ちゃんは将来何かで死ぬとか、そういう未来ちゃんメインのエピソードを軸に回っていくと思い込んでいたため、ただの案内役でしかない未来ちゃんにがっかりです。
タイトルが「未来のミライ」なのは詐欺です。
その他も回収されないエピソードや、無駄なシーンが多く。
途中で気絶したのか?と思うくらいです。
謎の美少年
たとえば、父がくんちゃんを幼稚園に送るシーン。
わざわざワンショットで美少年がうつります。
美少年は登校中。後ろにはファンとおぼしき数名の女子がおり、相当な美少年であることを印象づけてきます。
その団体とすれ違う父とくんちゃん。
これはキーパーソンに違いないと思いましたが、その後いっさい出てきません。まじかよ!!
くんちゃん父とBL展開がはじまってもおかしくないほどの美少年だったのに?
息子の幼稚園の送り迎えも板についてきた。
最初は妻のかわりがつとまるか心配で、実際につとまってもおらず余裕のない日々だった。しかし、息子もだいぶ僕に慣れたようで、幼稚園の送り迎えは暴れる息子をなんとか引っ張って行き来する重労働ではなくなった。
そんな中気づいたことがある。
綺麗な男子高校生の存在だ。
今まで気づかなかったのが不思議なくらい、彼は輝きを放っていた。
それだけ息子の世話でいっぱいいっぱいだったということなのだろう。
とにかく気づいてしまったからには、彼が視界に入るとつい目で追ってしまう。
変な男だと思われやしないかと心配し、なんとか目をそらそうとするができない。
彼ほど美しいと、見られることは日常茶飯事なのだろうか。
ばかなことを考えていたら、視線に気づいた彼と目があってしまった。
「お、おはよう」
不審者ではありませんよと思いをこめて、できる限りさわやかに挨拶するほかなかった。
彼はちょっと驚いたようだったが、微笑みながら挨拶を返してくれた。
僕はその表情に囚われてしまった。
って、はじまらないのかよ(はじまらないよ)
手の付けられない子供
また、出てくる子供がうるさい。
子育て経験がある人が見ると、あるあるなのかもしれませんが
経験のないわたしからすると、子育てをあきらめたくなる描写が多いです。
例えば、くんちゃんがタイムスリップして子供のころの母と会うシーンです。
幼少期の母はくんちゃん同様片づけができない。
くんちゃんに母親もくんちゃんと同じ時期があったということを気づかせたいという意図でしょうが過剰すぎます。
母親はくんちゃんを勝手に自宅に招き入れ、お菓子箱を逆さにしてすべてのお菓子をテーブルへ。
くんちゃんも最初はひきますが、散らかしたほうがおいしくなる(そんなわけない)謎理論にすっかり洗脳されます。
お菓子だけでなく、洗濯物や日用品、ありとあらゆる部屋をめちゃくちゃにして回り大笑いする幼少期の母とくんちゃん。
何が面白いんだよ!!クソガキ○ね!!!!!!!!!
結局、おばあちゃんが帰宅し幼少期の母は怒られます。
大泣きする母。
こうなることがわかっているはずなのに、なぜあんなに無邪気に部屋を荒らしたんだろう。恐怖しかありません。
ちなみに現代にもどり、母とおばあちゃんが会話するシーンがあります。
ここで母は「片付けできるようになったのは、結婚してから」といいますが、なぜ結婚してから片付けできるようになったのかなどの理由は一切説明されないので気になります。
あのモンスターがなぜ、このインテリアにこだわったお洒落ハウスをきれいにできるようになったのか?片付けの魔法読んだ?謎はつきません。
ショタコン細田守が仕込む謎シーン
あらすじからは省きましたが、くんちゃんのお色気シーンが唐突でキモイです。
ユッコ(おじさん)から尻尾をぶんどり、何のためらいもお尻に突っ込むくんちゃん。
尻尾挿入により、くんちゃんの体に異変がおこり犬に。逆ワイルドハーフ。
犬に変身する中でエクスタシーを感じているようなくんちゃんの表情、動きがとにかくキモイ。シコリ以外の目的がわからない。
未来ちゃん(大)がくんちゃんにしかけるハチゲーム。
ハチゲームとはハチ役が、人を人差し指でチクチクつきさしてくすぐります。
ゲーム自体面白くないので不快。くんちゃん世代がやるならまだしも未来ちゃん(大)の世代でハチゲームを提案するか?どうぶつの森とかの方がよくない?
とにかくチクチクされたくんちゃんが、顔を真っ赤にしてよがり狂い。
未来ちゃん(大)がやめると、涙目で「もっとして・・・」とくんちゃんが求めてきます。
キモイ。シコリ以外の目的がわからない。
声優
露骨なポストジブリ狙いなのか、声優は基本使わずに俳優をキャスティングしています。
主人公のくんちゃんは、若手女優の上白石萌歌。4歳児の声ではありません。
犬の物まねの完成度が高く、上白石萌歌さんの芸達者ぶりに感心します。が、4歳児のクオリティではない。
その他も突然の福山雅治など、宣伝を見越したキャスティングです。
これに関しては細田守も俳優陣も悪くないと思っています。
東宝と日テレが悪いです。
そもそもこの人たちがお金を出さなければ、映画自体も生まれなかった。
次の宮崎駿を作りたいという欲がこの作品を生みだしてしまった。
細田守もスタッフも映画を観た人も全員が被害者かもしれません。
その他気になる点
・階段だらけの家で、幼児やペットの安全性を全く考えられていない
・衣裳 伊賀大介(無駄遣い)
・母がオニババになる演出、面白いと思って何回もやってんのかもしれないけど全部スベってるからやめろ
・ひな人形をしまうミッションインポッシブル、面白いと思ってやってるんだろうけどスベってるからやめろ。父の尻についた部品はくんちゃんに取りにいかせろ。全員で行くな。
・母の泣き虫な弟、まったくからんでこないなら弟自体消してほしい
・猫アレルギーのばあばが猫を飼えないのは当たり前。
・燕のヒナが猫に惨殺されたことで、猫好きの母が猫を飼いたいといわなくなったという不必要なエピソードをいれて猫を下げないでください
・父とくんちゃんの自転車練習中に、ベビーカーの未来ちゃんを放置するのは危ない
・バイク好き男はすぐ他人もバイクに乗りたいもんだと思い込んでいる
・馬の顔のバリエーションがない
・黒の新幹線、過剰すぎて世界観とあってない
よかったところ
・絵がきれい
・山下達郎
長くなりましたが、感想は以上になります。
みんなの感想
先に紹介したもの以外にもお題箱には、複数この映画をあげる方がいました。
一部紹介します。
途中で消すほど!?ってこれをいただいたときには思いましたが、消すほどでした。本当なんで誰も細田を止めてやらないのか・・・
危ないですよね。両親の自分勝手さをあえて表現しているのか?
まあ最後わたしたちも子育て通して成長したね♡みたいな会話してたのでそんなわけないんですけど。
くんちゃんや未来ちゃんも事故がなく、大人になるようなので安心ですが老後は大変だろうな~。
おわりに
以上、どうでしたか?
みなさんもぜひ「未来のミライ」を鑑賞してみてください!(まとめ風オチ)
あなたの嫌いな映画とその理由もぜひ教えてください。
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