見出し画像

蓮ノ空×アイカツコラボでアイカツ!178話を駆け抜けた私の熱いアイドル活動

それは今年の2月に蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さんである私に唐突に訪れた出会い。蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ×アイカツ!コラボである。
ラブライブ!が他作品とコラボしたことは何度もあるが、他アイドル作品とのコラボはこれが初。
しかもアイカツ!である。本作品が女児アニメ界において燦然と輝く名作であることくらいは私も知っている。


4クールアニメくらいなら見ると断言しよう。しかしアイカツ!の話数は178話。1日1話見たとしても6ヶ月近くの時間を要する。なかなかの労力を費やす必要がある。
これが少し前の私だったら「いやぁどうしようかなぁ」と考えて結局視聴に踏み切らなかっただろう。
しかし昨年末に運命が変わる出来事が訪れた。

「異次元フェス アイドルマスター×ラブライブ!歌合戦」である。異次元フェスのキセキに脳を焼かれた私はそのエネルギーのぶつけどころを探していた。もちろんシャニマスのアニメやデレマスのアニメを視聴はしてはいるが、何かもっとデカいことを探していた。

これ幸いとばかりに私は、アイカツ!178話視聴を決意した。
どういうわけか、私のSNSのユーザーにアイカツ!おじさんは多く、定型分のように送られた「アイカツ!は178話しか無いから観た方がいいですよ。」という文言をクソ真面目に受けた、半年に及ぶ私の熱いアイドル活動!アイカツの話を聞いていただきたい。フフッヒ。


アイカツ!178話を駆け抜けた感想

フフッヒってこれ!?
私の熱いアイドル活動!アイカツ!始まります!フフッヒ。」の文面や「ていうかもう寝よう「穏やかじゃない」のセリフはスクショやオタクのツイートなどで何年も前から知っていたがこんなに早く、ていうか1話で出てくるんだ。という衝撃とともに私の熱いアイカツ視聴カツドウ!は始まった。
(インターネットで聞いたことあるセリフがどこで出てくるか全く油断ができず、2年目に「うんうんそれもまたアイカツだね!」を聞いたときは笑いすぎて視聴する手が止まった。)

アイカツ!は賞賛の意味で名作だが変なアニメと耳にしていたが、むしろ少年漫画のような熱さを内包した物語だった。
名門アイドル養成学校、スターライト学園に編入した主人公の星宮いちごは霧矢あおい、紫吹蘭、を中心に彼女たちは歌の仕事や、モデル、テレビ番組にファッションショー様々な仕事を通しながらアイドルとして成長していくという物語。
それまでアイドルに興味なかったいちご(まさか「ていうかもう寝よう」が興奮するしている弟に呆れているセリフとは思わなかった)は神崎美月のステージに一目惚れしアイドルに憧れ、霧矢あおいとともにスターライト学園に編入することになる。
時に先輩として美月に手を引かれて、何度も同じステージに立ちながらもいざ彼女を越えるということになると巨大な崖のように立ち塞がる。そんな憧れに追いつく為のひたむきな努力の物語だ。

初期はライブシーンの作画も発展途上で、崖のぼりや大木を切り倒す、いちごが太ってしまうなど、初期の珍妙な回などはキャプ画だけで何となく知っており、ヘラヘラ笑いながら見ていた私がこの作品の見る目が変わったのは22話「アイドルオーラとカレンダーガール」の回で、その回でいちごが語った
「自分も神崎美月を追い続けたら他にもたくさんの夢が見つかった。好きなことを追い続けるとその先で見つかる夢もあると思います。」
「毎日のアイカツを私らしく頑張ること。」
「頑張ればなんてことない毎日でも特別になる」

といういちごの言葉から「なんてことない毎日がかけがえないの。」と歌うエンディングテーマでもあるカレンダーガールを劇中で披露した時はそんなドライヴのさせかたするアニメなんだ…。と感銘を受け、アイカツ!という作品を見る意識が変わり始めた回である。

普段はラブライブ!に頭まで浸かっている人間なのでどうしても比べてしまうが、ラブライブ!では同じ曲が劇中でなんども使われることはない。
それは尺の問題もあるが、作品上の最大の売り物は楽曲であり、作品のエネルギーが楽曲に収束される。乱暴な表現をすれば、ライブシーンで爆発されるエネルギーには、それまでの道のりが多少強引でも許される力技を内包しているだからだ。

一方、アイカツ!はカードを売るアーケードゲームであり、アニメはその販促アニメ。普段生息している沼が沼であるが故に、そういったニチアサ的な視点で見てもいた。
プレミアムドレスはアイドルにとって宝物。カードを大事にする、そこは絶対に外さない印象だった。だが、カードは売りたい。そのために毎週必ずノルマ的にライブシーンを設ける。
なので4年通してお決まりのBGM「芸能人はカードが命」とともにキャラクターがアイカツシステムにカードをかざし、お着替えするのは、まさにヒーローの変身バンクだし、歌い踊る姿はさながら戦闘シーンである。スペシャルアピールはライダーキックや光線をはじめとした必殺技のそれである。


そのため劇中で流れる歌は、ニチアサ的挿入歌(処刑用BGMとも言う)のような印象を受ける。何度でも披露してもいいし、時にはアレンジや歌唱者を変更することすらいとわない。
劇場版アイカツ!で後輩たちの最初の楽曲である「Let'Sアイカツ!」をいちごや美月が歌うのは、すでに大スターとして到達したいちごや美月のたちのアイカツもまだまだ続くと示唆しているようで熱かったし、大空あかりの歌う『永遠の灯』や黒澤凛と天羽まどかの『フレンド』には思わずタブレットを床にたたきつけそうになった。

2年目ではドリームアカデミー、通称ドリアカというライバルが誕生する。ドリアカのロックなアイドル、音城セイラをはじめとしたライバルと切磋琢磨していくなかでいちごが神崎美月を越えるまでを描く。
そして大空あかりとの出会い。主人公が大空あかりに変わるということは何となく把握していたがこのように登場することは予想外であった。
最初は星宮いちごの真似をすることから始め、一度はスターライト学園の入学試験で不合格になり、再チャレンジを果たすも緊張のあまり「星宮いちごです!」と言ってしまうなど、強烈な印象を残す。
そしていちごが1話でいきなり発動したスペシャルアピールを何日もかけて練習するなど、2クールかけて「星宮いちごとは違う努力型主人公」であることを印象付けていく。

3年目に入るとOPからあかりメイン、かついちごもいるよといった趣になり、あらたな面々、いわゆる『あかりジェネレーション』で話を回していく。お話としてはいちご世代派なのだが、キャラクターや楽曲の好みとしてはあかジェネが好きであることを記載をしておきたい。
氷上スミレちゃん……かわいすぎ!!!!!!!練習着姿のツインテがマジでかわいい、狂う。

大空あかりの入学から76話から1年かけてじっくりと主人公完全移行までやりきったのはそこまでするのか……という畏怖まで覚えたが、125話のカレンダーガールはもうここで終わっていいとすら思える完成度だった。

3年目後半はあかりにも後輩が出来、スターライト学園に空前のユニットブームが巻き起こりあかりやスミレ、ひなきと、ユニット「ルミナス」を結成しいちご達のユニット『ソレイユ』を越えよう、憧れを越えようと宣言するも一歩及ばず。武者修行のようにバスで全国を回るライブツアーへ出立することで幕を下ろす。
アイカツ格言の終了は本当につらかった。

4年目はルミナスの全国ツアー編と125話で大空あかりがいちごに宣言したスターライトクイーンになるまでを描く。(最終EDのLucky Train!はリンクラゲーム内でカバーされており、この原曲にようやくたどり着いた感動はひとしおだった)
最初はスペシャルアピールすら苦労したあかりが最上級ランクのスペシャルアピールを披露する姿も、
歌の力でスターライトクイーンを勝ち取ろうとし、SAランクスペシャルアピールに失敗する氷上スミレの姿も
眩しすぎる新条ひなきの姿も
自分だけの『Move on Now」を歌おうとする白樺りさも
二人で歌ってきた『Lucky Train!』を一人で歌う大地ののも
150話、リアルタイム換算で3年もの時間をかけて積み重ねた「なんてことない毎日」のおかげで全てがキラキラ輝いて見える。

時折フューチャーされるドリアカや夏樹みくるなどはもはやレジェンド出演の風格すら漂っていた。
極めつけは最終回後半の『あかりといちごの追いかけっこ』という、アイカツの変なノリ(崖のぼり、斧で大木を切り倒す、翌日にライブやることを発表する、海からドリアカへ不法侵入する、何かロボットアニメが始まる)の部分を煮詰めたような展開には思わず笑い泣きした

アニメとして178話もあれば齟齬や不満なども生じるがあまり大きくは感じなかったというのが正直なところだ。
強いていうなら毎度後輩が入学直後にトレーナー制度が一瞬だけ登場しては消滅することや、服部ユウちゃんという『ルミナスの知らない大空あかり』を描ける人物を156話になるまでピックアップできなかったことや、何故涼川さんが教師になったのかが分からないくらいだろうか。

好きなキャラの話をすると、私は一ノ瀬かえでを挙げたいと思う。
1年目は「英語交じりのおもしれー女」くらいのイメージで、名高い79話『YES!ベストパートナー』を見ても「ふーんいいじゃん」くらいの気持ちだったのだが、あかジェネに移行し出番が少なくなった一ノ瀬かえでが登場するとテンション上がるのを自覚したし、作品完走後に知った『ダイヤモンドハッピー』ソロや、ソロ曲『マジックスマイル』を聴くと急速に動機が激しくなるので好きなんだと思う


アイカツ×リンクラの意義

さてそういったアイカツ!を半年かけて堪能した私だが、改めて『何故蓮ノ空とアイカツがコラボしたのか』ということを考えていきたい。

まずリンクラは365日、スクールアイドルと共に過ごすというコンセプトであるリアルタイム「スクールカレンダー」連動プロジェクトである以上、まさにアイカツ!代表する楽曲であるカレンダーガールの親和性はすさまじい。
私は1年前に「私がこのnoteを書いている今も彼女達は金沢市のどこかで授業を受け,ダンスのレッスンをし、歌の練習に励んだり、かけがえのない時間を過ごしている」「生きてるだけで蓮ノ空のコンテンツ活動に参加している」と書いたが、「なんてことない毎日が特別になる」ということに他ならない。

あかり→花帆

1話では星宮いちごが神崎美月のステージに憧れアイドルを志した。
美月の背中を目指して成長していくいちごの姿はやがて大空あかりが憧れていく存在となっていく。
そして同じように熱いアイドル活動を重ねたあかりの背中を……

そう、Link!LIke!ラブライブ!主人公である日野下花帆が見ていた

この4コマを読んだ当初は「素敵ね」という感想どまりだったが178話観た今ならこの4コマの尊さが十分に理解できる。
日野下花帆は幼少期は病弱で入退院を繰り返していた。ひょっとした病室のベッドの上で小さいテレビでアイカツ!を観る時間だけが唯一の楽しみだったかもしれない。
注射のご褒美にアイカツのアーケードゲームをプレイさせてと母親にねだったことだってあったかもしれない。

SR:水彩世界カード

アイカツ!本編では4年目のルミナス全国ツアーの最中にののリサコンビこと、大地のの、白樺リサをアイドルに勧誘し、当初はこれが大空あかりの背中を見て成長していく存在になると思っていたが、思ったよりののリサの矢印があかりへ向いていないことに拍子抜けした印象だったが意外なところから生えてきた。
当然後付けとはいえ、いちご、あかりと繋いだ道の先に花帆がいるという新たに提示された事実は目頭が熱くならずにはいられない。

また村野さやかの声優である野中ここなさんはコラボ発表時にも語っていたが、生粋のアイカツ女児であった。アイカツ声優兼ラブライブ声優というのはいるが、アイカツに背中を押してもらった人がラブライブ!でアイドルをやっているというのも運命的である。

@kokona_rec

アイカツ!の曲全部大好き...🤍#野中ここな 野中ここなのREC中! #なす録 アイカツ! SHININGLINE* #踊ってみた

♬ SHINING LINE* (第76話〜第101話OP) - なかにし鈴子

SHINING LINE*

アイカツ!とは憧れの物語であり、憧れに向かって頑張る姿がその背中を見ている誰かの目標や新たな憧れになる。そういう誰かから誰かへ道を繋いでいく物語だ。

一方蓮ノ空は不可逆の戻らない時間の中で変わっていくもの、変わらないものを見届けていく物語だと思っている
特に今年の104期は梢、綴理、慈が3年生となり、新入生である104期生が加入したが、伝統と継承ということをこれでもかと印象づけている。
時には楽曲がワンフレーズしか残らないほどに形を変える
時にはボロボロの初代スクールアイドル部の衣装に手を加え新しい形として蘇らせる。

姿形は変わっても受けつがれていくものがあるとするならば、それは憧れの気持ちではないだろうか。
先代のスクールアイドルから大賀美沙知へ
沙知先輩から乙宗梢へ
梢先輩からは日野下花帆へ
SHINING LINEの歌詞を引用すると「もらうバトン キミとつなぐ 光のライン」である。

特に梢は(はっきりと明言こそされてはいないが)μ'sに憧れてスクールアイドルを始めたと語っている。アイカツ!の影響を受け、初代ラブライブ!の影響を受けた梢のもとでユニットを組む花帆はもしかしなくても最強のスクールアイドルたる逸材なのかもしれない。

いちごがあかりの入学当初、彼女に何をしてあげられるのか悩むシーンは、綴理が初期「ボクたちは先輩としては1年生なんだから」と梢に語り、自身も村野さやかとどう接すればいいかと思いを巡らすシーンがフラッシュバックせずにはいられない。
104期ではDOLLCHESTRAとして加入した徒町小鈴の物語は、村野さやかへの憧れから始まった。『いつでも憧れが最初の道しるべ』であった大空あかりのことを思い出す。
SHINING LINE*の歌詞はあまりにも『答え』すぎるので何度も引用するのは憚られるのだがこれ以上にふさわしい言葉もない。

コラボの意図?

さて、このコラボが発表された際歓喜の声に沸く一方、蓮ノ空はともかく、アイカツ!側のメリットがないのになぜコラボを……?という意見が散見された。
たしかに蓮ノ空側は花帆があかりのことを語ったり、蓮ノ大三角によるダイヤモンドハッピーをカバーするなどの展開はあるが、アイカツ側からは衣装を供給した以外の展開は特にない。
私はまだ未視聴だが初代アイカツ!は10周年記念映画の『未来へのSTARWAY~』を持って完結したという意見も聞いており、たしかにキャラクター性の相似する部分はあるが、蓮ノ空側からすると「昔見てたアニメ」つまり物語上の存在あり、アイカツ→蓮へ向けることが出来ない。故の一方的にお借りしたコラボレーションのようにも感じる。
ということをアイカツ視聴を進めながら考えていた矢先にアイカツ!の真の意図なのでは?という事象が現れたのである。

7月に発表されたデミカツ!ことアイカツアカデミー!である
私はアイカツ!無印を追うことが忙しく本作にほとんど触れることは出来ずにいるのだが、アイカツアカデミー!のコンテンツ概要を見た人が「もしかして蓮ノ空みたいな感じ?」と理解を示したのである。
アイカツ!側の視聴者の中にも蓮ノ空に触れてくれた人はいてくださったようで感謝の念に絶えなかったのだが、このような考えがよぎった
「今回のコラボはアイカツアカデミー!の意図をわかりやすくし、抵抗を減らしソフトランディングさせる為の下地作り的な一面もあるのではないか?」


今でこそ蓮ノ空は知名度も爆上がりしたが、プロジェクト開始が宣言された当初は「ラブライブ!もVかよww終わったなwww」と理不尽な石を投げられていた。実際蓮ノ空がVtuberと似て非なるものであるのはコンテンツに触った人であるならわかると思うのだが、そのように考える人がいることは仕方ないことである。
私個人はVtuberに特に嫌悪感は無いが、Vtuberですか……と二の足を踏む自分がいることは否定できないし、やはりまだまだ抵抗感が多い人がいるのも事実。

もしこのように考えた企画者が蓮ノ空に目を付け、星宮いちご世代を乙宗梢、夕霧綴理、藤島慈ら102期とし、大空あかり世代を日野下花帆、村野さやか、大沢瑠璃乃ら103期生でわけられるコラボを考えたとしたらさぞかし膝を叩いたことだろう。
軽く調べると、デミカツは声優が非公開であるなど蓮ノ空とは具体的には違うようなのだが、身近に近しいものがあるだけでとっつきやすくなることは間違いない。
アイカツアカデミー!と蓮ノ空104期とのコラボ。あると思います。

See you next time

アイカツ!はまだ10周年映画や後続のシリーズが控えているが今は完走した余韻に浸りたい。アイカツ!視聴開始した3月ごろには10周年映画のリバイバル上映があったようなので、もし来年そういったチャンスがあるならば狙っていきたいし、あかりGeneration10周年イベントも気になる

素晴らしい作品との出会いをくれた今回のコラボに
グラシアス!つまりありがとう!


秋葉原のアトレに並ぶアイカツ!とラブライブシリーズのオフィシャルショップ



いいなと思ったら応援しよう!