風水とか開運とかよくわかんないけど勝手にパワースポットを作ろうと思う

もちろん日本モンキーセンター絡みの記事ですよもちろん。

季節は師走。12月も半ば。受験生は一心不乱に、1日28時間は勉強していることと思います。センター試験を受けたことがないので、本物の受験戦争がどれほど熾烈なものかはわかりませんが聞くだけで震えます。

神にも仏にもすがりたい気持ちでしょう。ですから、勝手にパワースポットを作り上げて奉りあげてみよう! と思いました。頭がおかしい? 最初からです。

はい、今回パワースポットに奉りあげるのは日本モンキーセンター! あなたの悩みに合わせて祈るべきサルを紹介します!

まず最初のお悩みは……

「金が欲しい。一生湯水のように使ってもなくならないほどの金が欲しい」

いやー、清々しいほど欲まみれの願いですね。ちなみに願いは全て筆者が考えて書いているので、あまり一般的ではない願いもありますがそこは「頭おかしいもんな」と思っていただければ幸いです。

この願いを叶えてくれるかも知れないサルは

「アカテタマリン」

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(南米館で暮らすアカテタマリン)

こちらのアカテタマリン、南米に生息するサルであり、日本モンキーセンターでは南米館という場所で展示されています。

アカテタマリンがどうして金運にいい? かというと、学名が「Saguinus midas」だからです。Midasはミダースと読み、彼は古代ギリシャ神話の登場人物です。ディオニューソス神の養父を歓待した礼に、触れたものを何でも黄金に変える能力を送られた王様です。

ただ、何でも黄金に変えてしまうため何も食べることができなくなってしまいました。(古代ギリシャではまだカトラリーがなく、長椅子に寝そべり手掴みで食事をしていました)クソ性格の悪いディオニューソスらしい贈り物ですね。他にもアポロン神の怒りを買って、耳をロバの耳に変えられたりなど何かと体の一部を変えられてしまいがちな人です。

ミダースとアカテタマリンがなぜ繋がるのかというと、アカテタマリンの足が黄金のような黄色だったため、このような学名がつけられたわけです。

金欠気味な方、日本モンキーセンターの施設全てを建て替えられるほどの金額を寄付したいけれどお金がない方は、このアカテタマリンの写真を待ち受けにするのはどうでしょうか?

ところで、生理痛が辛い時はタカアンドトシのトシの写真を見ると痛みが和らぐという、何の科学的根拠もない風説がネット上に流れています。エセ科学に過ぎないのですが(科学ですらないですね……)、イワシの頭も信心からといいます。

なので、先ほど書き連ねたことの否定になってしまいますがアカテタマリンの写真を待ち受けにしても金運には効きません。

しかし、アカテタマリンは可愛いです。それはもうめちゃくちゃ可愛いです。小さいからまずそこが可愛くて、つぶらな瞳に黄金色の手足、こちらを見るときに首を傾げる癖が可愛いです。アカテタマリンの写真を待ち受けにしても金運には効きません、でもめちゃくちゃ可愛いので癒されます。皆さんお試しあれ。

筆者がパワースポット懐疑派なので次もその次も、始終こんな感じで行きます。何でパワースポットの記事書いてんだよって感じですね。頭がおかしいからです。

さて次の願いは!

「みんなを笑わせたい、喜ばせたい」

コメディアンを目指してるんですかね、どうなんですかね。この悩みにふさわしいサルはなんと!

「チンパンジー」

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(櫓の上でカボチャらしきものを食べるチンパンジーのマリリン)

です。日本モンキーセンターには8匹のチンパンジーが暮らしており、全てアフリカセンターという施設にいます。

なぜチンパンジーが人々を喜ばせる願いを叶えるかも知れないかというと、また学名に関係します。

チンパンジーの学名は「Pan troglodytes」といい、Panは古代ギリシャ神話の牧羊神、パーンから来ています。牧羊神と聞くと穏やかなイメージが浮かぶかも知れませんが、物陰から急に現れて人を驚かせたり、凄まじい女好きだったりします。とんでもねえ神ですね。

そんな彼がなぜ人々を喜ばせるかというと、彼は下半身が羊の姿で生まれてきたため母親に捨てられてしまいました。そこで神たちの運び屋をしているヘルメースが彼をオリュンポス山(神たちが住んでる天空にある山)に連れて行くと、神々は皆喜びました。そのため「全ての神を喜ばせる」ということで全てを意味するPanという名になりました。

神々の中で一番喜んだのは先述したディオニューソスです。人々を驚かせ、女性を襲う牧羊神のパーンと、ぶどう酒を作り出し人間に泥酔による狂気を広めたディオニューソス。相性がいいわけです。あと、先述のミダースの耳がロバの耳になってしまったのもパーンに原因があります。それにしてもとんでもねえ神話だな。

ここで紹介する神話に関しては、全てこういう説もあるというだけです。神話が作られたのは古代ですので、全て正確に分かっているわけではありません。

人々に笑顔を与えたい、喜ばせたいという願いを持つ人はチンパンジーが叶えてくれるかも知れません。叶えられることがないとしても、チンパンジーも可愛いため見るだけで癒されますね。ええ、毎回このオチです。

「頭がよくなりたい!」

受験生にピッタリな願いですね。頭がよくなりたいという願いを、あんまり頭がよくない筆者が解決するという絶対に効きっこないだろう状況ですが構わず行きます!

頭がよくなりたいと願うあなたにピッタリのサルは……

「マントヒヒ」

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(写真が酷くてごめんなさい。アフリカ館で暮らすマントヒヒのラムセス)

です。頭がよくなりたいという願いに効くかも知れない理由はというと、マントヒヒは古代エジプト神話に登場するトートという神の化身だからです。

トート神は知恵と時間を司る神です。他にも彼は神々の書記であり、魔術に精通し、楽器の開発者でもあります。どんだけ忙しいんだよって感じですね。時間の管理者であるトートが一番時間に追われてそうですね。

このトート神、映画「キング・オブ・エジプト」ではブラックパンサーを演じる前のチャドウィック・ボーズマンが演じています。この映画、ジェラルド・バトラーが金ピカになったりチャドウィック・ボーズマンが分身したりしますがそこまで面白くはないので、トート神は出てくるものの見ても頭は良くなりません。むしろマイナス方面です。

ではなぜ「キング・オブ・エジプト」を紹介したのかというと、愛と言っておきましょうか……。

頭がよくなりたい、知恵が欲しい人はマントヒヒに願いましょう。おススメはみんなのお父さんであるラムセスです。彼を見分けるのは簡単、頭がハゲていたらラムセスです。ただ、育毛を彼に願っても無駄そうです……。

どうせ今回も古代ギリシャ神話関連だと思いましたよね? 残念、一番好きな神話はギリシャ神話ですが、エジプト神話も好きなのでこういう場合もあります。

それは置いておいて、次行きます。

「スフィンクスを倒したい!」

私はスフィンクスに出会ったことがないのでこのような願いを持ったことはありませんが、きっとこの人にとっては切実な問題なんでしょうね。そんなあなたにピッタリなのは……。

「ワタボウシタマリン」

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(日本モンキーセンターの南米館に暮らすワタボウシタマリン)

この頭がふわふわとした可愛いサルが、なぜスフィンクス退治の力になってくれるかもしれないのは学名に由来があります。

ワタボウシタマリンの学名は「Saguinus oedipus」Oedipusは「腫れた脚」を意味し、古代ギリシャ神話の登場人物でテーバイという国の王様の名でもあります。読み方は「オイディプス」

オイディプスはスフィンクスを倒した人間ですので、彼の名前をつけられたワタボウシタマリンに打倒スフィンクスを願えば多分叶うかもしれません。

ただ、オイディプスという人間は赤ん坊の頃に父親に捨てられ、大人になってから知らずにその父を殺したり、知らずに母親と結婚してテーバイの王になり、子供を作った後に全てを知り何もかもを捨てて放浪の旅に出たという壮絶極まりない人生を送っています。

スフィンクス退治を依頼されたあなたの脚は腫れていませんか? その腫れは赤ちゃんの時からあるものですか? あなたの親は本当の親ですか? もし心当たりがあったのならあなたはオイディプスです。スフィンクスを倒すのはいいとしても、テーバイの女王と結婚するのはやめた方がいいでしょう……。

どうしてもスフィンクスを倒したいという方は、ワタボウシタマリンに願うよりもなぞなぞを研究した方が良いと思います。退治した暁には、テーバイの王になるより日本モンキーセンターにお越し下さい。かわいいサルが待っていますよ。

なかなか不思議な願い事でしたね、それでは最後です。

「河童に会ってみたい!」

河童というのは日本の妖怪のカッパのようです。この願いを叶えてくれるかもしれないサルを紹介しましょう。そのサルとは……

「ニホンザル」

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(アジア館で暮らすニホンザルの亜種のヤクシマザル)

残念ながら、一般的に知られる体が緑ででっかい両生類のような河童と出会いたいならサルではどうしようもありません。しかし、河童の一種で猿猴(えんこう)という種類の河童ならかなうかもしれません。

猿猴とは広島県から四国にかけて伝わる河童の一種です。見た目はオーソドックスな河童と違い、毛むくじゃらでサルに似ています。海又は川に住み、泳いでいる人間を襲い、肛門から魂を抜き取るとされています。

見た目はそこまで河童河童してはいませんが、猿猴も立派な河童です。猿猴が出るとされる中国、四国地方と日本モンキーセンターは遠いけれど河童に会うためです、頑張ってください。


まとめとして、私は先程書いた通り、パワースポット懐疑派です。しかしながら、サルの名前の由来や神話との面白いつながりを知って欲しくてこのような記事を書きました。

パワースポットで何が効くのかはわかりませんが、信じることが悪いことだとも思っていません。ただ、効果のないものを効果があるように売りつける行為は犯罪です。最近でいえば血液クレンジングや水素水、果てはサイの角はガンに効くと信じる人に売りつけるため角目当ての密猟など。

宗教でも自分の何かでも、信じることは大切です。ただ、信仰と盲信は違います。自分の宗教だけでなく他の色んな宗教を知ることでより信仰を深めることができると思っています。信じることと疑うことは両立できます。なので、何かを信じる前に疑ってください。知ることで動物たちを救う一歩になるかもしれません。

長くなってしまいましたし、取り止めのない記事でしたがここまで読んでくださりありがとうございました。

それでは最後に、癒しが欲しい、かわいい動物を見て癒されたいという方は日本モンキーセンターへ! 可愛くて面白いサルたちに癒されること間違いありません。上で書いたこと全て効きませんが、これは効きます。本当ですよ!

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(癒されること間違いなしなシロテテナガザルのジョージくん)


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