予備試験対策反省会:全科目共通編

こんにちは。
Twitter(現X)でハンネをいじって遊んでたら戻らなくなりました。
いっそのこと変えようかな。

最近ありがたいことに複数の方から予備段階でやって良かったこと、やらなくて良かったことについて聞かれるので、それにお答えすべくnoteを作成しました(ご要望をいただいてから1週間近く放置してすみません)。あくまで個人の経験則に基づく一見解ですが、これを読んだ方が計画を立てるときに少しでも参考になれば幸いです。
ある程度こちらの記事と被る内容もありますが、来歴等は省いたのでもし気になる方がいればこちらもご覧ください。




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やってよかったこと

  1. 計画を立てること

  2. 使う教材や今取り組んでいる勉強の目的を意識すること

まず1について、計画を立てることで、目標までの自分の立ち位置と必要な勉強の量・内容を可視化することにつながると思います。また、その日その日で何をするか悩むという無駄な時間を減らすことにもなります。

2については、限られた時間の中でその教材に手を出す必要はあるのか?何のためにその勉強をするのか?とゴールから逆算するという意味でやっていることは1に通じるものがあると思います。高校時代、部活の師匠から「手段を目的化するな」とよく言われていましたが、勉強についてもその通りですね。ある教材を使うのは、それによって合格に必要な何らかの能力や知識を高めるためであって、その教材が良いものだからではないんですよね…。ありがとう師匠。

基礎インプット

やって良かったこと・やれば良かったこと

(☆がついているものはやれば良かったことです)

  1. 毎日の継続

  2. 短答過去問に並行して取り組む☆

個人的には、歯磨きと同じレベルで勉強をルーティーン化できるのが理想だと思っています。それが前述の無駄な時間を減らすことや、「やる気」の有無に左右されない状態を作り出すことにつながるからです。
一方で、2についてはやらなかったことを後悔しています。最初のインプットは問題としてどこがどのように問われるのかがわからないまま単調な進め方になりがちなので、復習も兼ねて短答をやっておけばよかったですね。

やらなくて良かったこと

  1. テキストを丁寧に復習する

  2. 1日何コマ・何ページという予定を律儀に守る

法学ないし法律は円環構造を成しているので、薄く何周も取り組んで理解を深めていく方がおすすめです。なので、一度でその部分・分野をしっかり理解しきろうとして丁寧に復習せず、余裕があればどんどん先へ進んで、論文対策や短答対策でさらにインプットの機会を設けていけば良かったと思っています。あと単純にどこがどう問われているか知らない段階でインプットしての情報の構造やメリハリづけがうまくいかないと思います。復習すること自体は悪いとは思わないのですが、先へ進むこととの比較で言えば、少なくとも丁寧に復習すること自体の優先度は高くなかったかなという感じです。

短答対策

やって良かったこと・やれば良かったこと

  1. 短答過去問を周回する

  2. 一元化教材を作成しインプットの時間を作る☆

短答過去問を「潰す」(=過去問と同じ問題は答えられるようにする)ことで未知の問題が含まれる本番での安定性が増すと思います。
私は予備段階では上3法は合セレ、下4法は短パフェを使っていました。予備試験に受かった年は各科目3周はしていましたが、個人的にはこれでも足りてなかったなあと思います(法律科目140弱並感)。
また、一元化教材の周回は過去問よりも簡易な復習方法であると同時に未出分野の対策にもなります。なので、腰を据えて取り組んでいればよかったと思いました。

やらなくて良かったこと

特にないです。
あまり時間がなく、あれもこれも手を出せる状況ではなかったため、一般的にやった方がいいと言われる対策以外できなかったというのが実情です。

論文対策

やって良かったこと・やれば良かったこと

  1. 問題集の周回

  2. 短答後の(大量)起案+誰かに添削してもらう

  3. 論証集の修正+まとめノート作成

  4. 定期的に暗記の時間を設ける☆

問題集の周回は、基本的な問題や典型事例について答案の書き方や思考の流れを押さえる上で非常に役に立ちました。具体的に使った教材などは分量の関係で別にnoteにします。
直前期の起案は、試験時の頭の使い方や文章の書き方、時間管理のトレーニングになるので、いわゆる「試合勘」をつけるという意味で強くお勧めします。特に過去問は司法試験委員会が何をどう書くことを求めているかなど、情報盛りだくさんなので、しっかり取り組むことをお勧めします。私は加藤ゼミナールの加藤先生がつけたランクに従って優先順位をつけて取り組みました。伊藤塾の直前答練と併せて1日3~4通、合計80通は起案したと思います(正直これはやりすぎだと思います)。

2のうち添削については、可能であれば直前期に限らず論文対策を始めた時期から合格者などから行ってもらうのが良いと思います。自分の文章の癖はなかなか見つけにくい上に直すのも一苦労なので…。また、科目ごとの答案の書き方を身につける上でも第三者から答案を見てもらう機会を作った方が近道です。

3は個人的にはとても役に立ちました。学部の授業や問題集で扱った内容で論証集に追加・修正を施す中で、その論証の根底にある問題意識や条文との関連性、当てはめにおける着眼点を理解することにつながったからです。追加・修正がしっかりできた下4法の予備論文の成績が良かったのに比べて、あまりできなかった上3法は成績が…だったので、私個人については効果があったと思います。まとめノート作成は以下のブログを参考にしていました。


4については、個人的な反省点ですね。各科目の知識の網羅性のピーキングを図ること、論証の当てはめの内容や射程を理解する上でコンスタントにやっておけば良かったなあと思います。特に実務基礎の要件事実は民事実務基礎で点数が稼げるだけでなく、民法の答案を書く際にもとても力になるので、もりもりインプットしておけば良かったですね。

やらなくて良かったこと

  1. 基本書の通読(?)

  2. 論証集の修正・まとめノートの作成(?)

1については、人によるとしか言いようがありません。私の場合、演習量の確保が最優先で通読するまでの時間が取れなかったという事情のもと、演習の都度辞書的に基本書を読んでいけば、試験頻出分野から優先的に基本書レベルの理解を身につけられると思ったため、ほぼほぼ通読はしませんでした。体系は予備校の入門講座や大学の講義、期末試験対策で最低2周はしていました。また、自分の中で教材は2〜3周繰り返しインプットしないと実際に使える知識として定着しないというこれまでの経験則もありました。なので、さらに科目全体についてインプットしていくのは費用対効果の観点であまり良くないと思ったからです。
とはいえ、基本書通読自体を否定しているわけではありません。基本書を通読することで、信頼できる学者の先生の説明で、体系的かつ網羅的に知識を習得することができますからね。やはり手段として自分がとるべきかどうかというところだと思います。実際私も口述対策では諸々通読しています。

また、2論証集の修正・まとめノート作成もすべきかどうかは諸説あるところだと思います。それなりに時間も食う一方で、費用対効果が必ずしも明らかではない点はあるからですね。それに大手予備校の論証集などであればそれなりの数の受験生が同じ問題に対して同じ論証を使うことが想定されるので、少なくとも「同じ論証を使っている集団内では」その論証を書いたというだけでは沈まないと思います。
信頼できる基本書や大学・ローの講義でどんどん改訂していくか、問題集、答練や過去問で出てきたものを追加・修正していくに留めるのか、それとも一切しないのか、人それぞれですね。

1・2共通で言えるのは、自分が身につけたい知識や能力を習得する観点で十分な効果があるか、それだけの時間・労力を費やすべきかといった観点から判断した方が良いということですね(私見)。

口述対策

やって良かったこと・やれば良かったこと

  1. 過去問のロールプレイ

  2. 教材の周回

  3. 模試

1は実際に何も見ずに口頭で答えるという形式での練習としてとても有意義です。友人と互いに鬼主査を演じ合い、本番より詰めあってました笑
実際に、口述は主査(や順番)によって問いや助け舟の出し方が結構異なるみたいなので、それに慣れるという意味でも大事だと思います。

2はインプットとして必須だと思います。大島本、定石本、基本刑法など、多くの受験生が使うであろう教材の内容をしっかり押さえることで相対的に沈まなくなると思います。

3も、ロールプレイと同様に本番の形式になれるという意味で有意義でした。私は伊藤塾と辰巳の模試を受けました。どちらも入室〜退出まで形式も合わせて練習させていただき、とても良いリハーサルになりました。初対面の主査と問答するという緊張感を味わうことができたのもよかったです。
さらに、知識の定着度の確認にもなるのはもちろんのこと、口述対策のメルクマールになります。なので、余裕があれば個人的には年末までに1つ、年明けに1つのペースで複数受けるのをお勧めします。私は年明けに集中して2つ受けた結果この結論に至りました。

やらなくて良かったこと

特にないです。1ヶ月とはいえ時間が限られている中で王道とされる教材・対策をとにかく周回したので、あれこれ手を出す余裕がなかったというのが実情です。特に私の場合、要件事実がボロボロだった状態から対策を開始したので、大島本とアガルートの一問一答を中心に何度も基本的事項を押さえるのが先決だったという事情があります。


以上になります。
何度も言いますが、あくまで個人の経験に基づく見解です。筆者としても、ご覧になった方がこのnoteを含めた様々な媒体から情報を収集して、ご自身に合った学習計画・方法を実践されることがベストだと考えています。
その一助になれば幸いです。
それではまた。

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