R6司法試験 成績と感想

こんにちは。からかさです。
おかげさまで令和6年度司法試験に合格することができました。
自分の中でも頑張ったと思いますが、それ以上に多くの方の支えがあってここまでやってこられたのだと思います。この場を借りてお礼を申し上げます。

ということで、今回は合格発表も終わり、ついに成績通知表が手元にやってきました。
そこで、感想を少し書こうかなと思った次第です。
再現答案も挙げているので、そちらと併せて参考になれば幸いです。


成績と順位

総合成績がこちらです。(今の段階ではぼやかしておきます、すみません)
総合 920点台 500位くらい
論文 780点台(素点447点) 500位台後半
短答 140点台 300位台前半


各科目の評価と感想

選択科目(倒産法)  

49点(462人中203位)
第一問
・設問1実質白紙(条文見つけられず指示フル無視展開)
・設問2余事記載大展開
・設問3後半は何を言っているのかわからない答案

第二問
・設問1の条文問題はそこそこできたが(4)は条文を軽視した可能性大
・設問2は…多分人並みには取れてるんじゃないだろうか…

これだけミスをやらかしていても40点後半つくんだ…というのが正直な感想です。第一問の大ミス三銃士があってもなお、第二問も併せて足掻いたのが功を奏したのかな…?と思います。

公法系 

80点台後半(1800位台)
憲法 B
・規制1は条文ごとに検討して基準定立もそれなりに書けた
・規制2は営利的表現に引っ張られて基準を緩くしすぎた…
・全体的に途中答案を避けようとした結果当てはめが薄くなった自覚あり

途中答案を避けようとなまじキレイに(?)まとめようとしすぎた結果、ここ点の稼ぎどころだよ!!ってところをスルーしちゃった感があります。おそらく47~48点くらいかな…と思います。

行政法 D
・処分性の裏付け弱い(権利床?何それおいしーの?)
・裁量逸脱そもそも書いてない、検討が指示からそれる
・違法性承継の当てはめは金箔並みの薄さ
手応えの時点で悲惨でしたが、実際予想通りになりました。当てはめで稼ぐ部分が多い科目との印象がありますが、今回は仕組み解釈に時間をかけすぎて、処分性の当てはめでは事案に即しているか怪しい空中戦を展開してしまいました。その上裁量逸脱については論じていないし、失点すべくして失点しているといった感じでしょうか。大体40点くらいだと思います。

民事系

170点中盤(500位くらい)
民法 A
・留置権は牽連性までバッチリ検討!(←唯一の会心の出来ポイント)
・607の2と608、703の関係を踏まえた検討が十分にできず
・設問2は時間がなく錯誤を検討したものの対抗関係はトンチキ理論で押し通る

設問2はみんな時間がなかったっぽいので差がつかないとも思う一方、そんな中でもみんなかけたであろう対抗関係についてのミスが痛かったですね…。大体60点くらいかなと思います。

商法 A
・385条には触れたが類推の観点については一切検討できず
・取消事由の検討はそれなりに事情を拾って足掻いたはず…
・株式併合は無効については展開できず…とはいえできることはした

最初の問題をしっかり落としたので、Aがついたことに正直驚きです。831条周りの条文操作をしっかり書いたこと、規範部分は薄いと思われる一方、当てはめはかなり手厚く書いたことが吉と出たのかな…?と思います。おそらく57~58点くらいだと思います。

民訴法 A
・任意的訴訟担当の定義、正確にいえず…
・自白の中で主要事実の摘示ミスったっぽいし準備手続中の自白の可否は自由な議論バンザイ!で押し切った
・設問3、指示をやや無視して理論を展開してしまった感あり(一応期待可能性から個別的に考える枠組みの下答えてはいるはず)

細かいところでポコポコ落としており、その上設問3で指示無視という痛いミスがあったので、周りに差をつけられたなと感じていました。実際飛翔さんの定量評価でもあまり良くなかったですし。
蓋を開けてみるとAでこちらも驚きました。検討の論理構成は飛躍が生じないようそれっぽく書いた(と思っている)ので、その部分が反映されているのでしょうか。こちらは56~57点を予想。

刑事系

130点前半(90位台)
刑法 A
・カード挿入行為が「実行に着手」したのか検討せず
・監禁ふれず
・学説問題のところはそれっぽいことを捲し立てる(テキトー)

結果的には監禁罪は対して点数の上下に影響がなさそうでホッとしました。一番枚数を使って細かく検討できた手応えもあったので、Aがついて嬉しいです。大体65~68点くらいかと思います。

刑訴法 A
・川出説を採用し、違法収集証拠排除の趣旨にも触れて構成はできた
・捜査報告書が2つあることや、①のみではダメなのかについて検討すっ飛ばす
・設問2はなぜ強制処分該当性の検討を行うか一切記述なし
・割と限界事例っぽいところの悩みを見せたはずだけど、どちらも任意処分にしてしまったのは筋があまりよろしくない…?

設問1の方はどのように議論を進めるかで頭を悩ませましたが、なんとかまとめ切った感触でした。それでも上記のような検討もれがありました。設問2も過去問で既出だったからこそ他の受験生の出来も良いだろうと思われるところ、思い返すと色々ミスをしていたなあ…という感じでした。
それでも問題文の事情を適切に拾い、評価を積み重ねるという姿勢を見せたとは思っていたので、こちらもAがつき、しかもおそらく60点越えの評価をいただけてとても嬉しいです。多分こちらも刑法と同じで65~68点あたりじゃなかろうか。


という感じです。正直上振れて400位前半、下振れて900位台かな〜と思っていたので、予想の範囲内というか、比較的上振れたと思います。

しかし、今は割と好きだった行政法がDと落ち込み、ギリギリ3桁前半に乗らなかったのが悔しいです。
合格時は合格だ!ハッピー!!って感じだったのに、人間の欲には際限がないですね。

とはいえ、口述後からの勉強時間や内容、本番での手応え(特に行政法は事実をどう評価していけば良いのか検討がつかなかった)を踏まえると、どの科目も自分の実力をきっちり反映していると思います。

にしても1日目が軒並み悪くて面白いですね。実際緊張しまくってましたが。
色々反省点はありますが、それはまた別の機会に。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
それではまた。


参考資料

成績と参照する資料がからかさの主観が多分に反映された感想+再現答案だけだと来年以降受験される方の参考になるか怪しいですね。

ということで、少しでもより客観性のある資料を付属させます。
興味のある方はどうぞ。

参考1:TKC模試の結果

GW明けに受けた模試の結果です。
論文:759.2点(素点433.8点 261位)
短答:94.0点(1150位)
総合:853.2点(351位)

短答よわよわすぎた以外は大まかに相関はありました。とはいえ、このときは憲法と刑法がめちゃくちゃ跳ねた+他科目で耐えた(倒産法第1問と刑訴が悪かった)のですが、今回は公法系で沈み、刑事系は跳ねた結果になりました。本番だと、予備や模試と違って「書き切って点数とったったぞ!」みたいな科目はなかったので、主観的には相関、あるのかぁ?という感覚でした。

参考2:飛翔さんによる定量評価

今年度の受験者で再現答案を提出している方について、飛翔さんが採点表を緻密に作った上で憲法を除く基本科目について定量評価をしてくださっています(当初は評価に入っていなかったのですが、途中で追加していただきました。飛翔さんありがとうございました)。その結果がこちら。

スクショの範囲だけでも錚々たる面々であたしゃ感動だよ…

確か記載されていた方は自分含めて25名強ほどいらっしゃいました(全員分写せなくてすみません)。その中で真ん中より上というのは正直望外の評価をいただき恐縮しています…
300位に入ってたらめちゃくちゃ嬉しかったのですが、やはりそんなことはなく…

「どう書いたか」(いわゆる「定性評価」)で評価が変わりやすいと言われていた憲法・行政法が沈んでいたので、定量評価の正確性は結構あったように感じています。(私が勝手に沈んでいっただけ)

以上になります。

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