愛知杯ふりかえり
アートハウスの強さと川田将雅の1分の迷いもない、強い意志を感じたレースだった。
スタートを決め、他馬の後ろで我慢し直線は大外に出す。今日のシチュエーションを考えるとベストと言えるレース。そんな愛知杯を振り返る。
スタートは大きく出遅れる馬もなくスムーズだったが、その後に危ないシーンがあった。
アブレイズ荻野極が急激に内に切れ込んだ影響で、複数頭の進路が狭くなり、エリカヴィータに至ってはバランスを崩してしまった。アブレイズが騎手の意志以上に内に切れ込んでるように見えるが、これは本当に危険。事故が起こらなかった事が不幸中の幸いだった。
1番手アブレイズ2番手アイコンテーラーと早めに隊列が決まった事と、積極的に運ぶと見ていたビジンが抑えた事で、レースはスローペースに。馬群が密集し、外の馬が内に入れなくなった事も合わさり、後ろの馬と外側の馬に不利な展開になってしまった。
向正面で、矢印で示した1〜5着馬が内前に固まっているのが、それを端的に現している。
そして、残り1200mのハロン棒のあたりで、後方で折り合いに苦労していたリアアメリア和田竜二が動く。
我慢しきれないリアアメリアに少し譲って、納得してもらってからもう一度抑えようとしたのだろう。
中団まで押し上げ、そこでペースを落とした。
そこでさらに動いたのがレジェンド武豊。
リアアメリアが落ち着いたのを見た瞬間、動いていく。流れが悪いと見て早めに動くつもりだったんだろうね。ルビーカサブランカはスローペースからの上がり勝負では分が悪いからね。
リアアメリアがマクリ切れば後ろについて行ったんだろうけど、途中で止まったのを見て、すかさず自分が上がっていき、4コーナーまでに先頭集団との差を詰めることに成功する。
しかし抵抗もここまで。脚を残した先頭集団に突き放されてジ・エンド。必死の抵抗も実らなかった。
先頭集団に34.5〜35.0秒台で上がられてしまっては追いつくのは難しかった。
そして勝ったアートハウス。
上がりが出走馬中唯一の33秒台であった事から、力が違ったと言う印象。行きたがる面もかなり良くなっていて、レースがし易くなっているように感じる。
今後は大阪杯ではメンバーが厳しいからヴィクトリアマイルに向かうと思うが、マイルでも面白い。ただ、マイルを使うとその後また行きたがるようになりそうで怖い面があるけど。
どういうローテーションになるにしろ、今後に大きな期待が持てる内容だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?