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共同通信杯ふりかえり

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評判馬が揃った一戦を制したのはファントムシーフだった。1番人気だったダノンザタイガーは直線で何度も進路が無くなった事が影響し、僅差の3着となり、共にムーア騎手で新馬を勝ち上がった、タッチウッド、タスティエーラはよく頑張ったが2着、4着となった。

そんな共同通信杯をスタートから振り返る。

まずスタートでタッチウッドがジャンプする様にゲートを出て出遅れた。

押し上げようとするもタスティエーラに前に入られ外に出す、

だが今度はファントムシーフに前に入られ、さらに外へ進路をとった。

先行争いに目を向けるとスタートを決めて前に行ったキョウエイブリッサ、シーズンリッチ、タスティエーラが抑えにかかる。それを見ていたルメール騎手ファントムシーフが、

向正面に入ったところで内の3頭を交わしハナをうかがう。

しかし後ろから付いてきたタッチウッドがさらに外からハナを奪い、

ハナに立った所でようやく隊列が落ち着いた。

タッチウッド、ファントムシーフ、シーズンリッチが縦に並び内にキョウエイブリッサ。その後ろにタスティエーラがつけダノンザタイガーがその後ろにつけた。レイべリングはスタートからよく折り合い外目後方に構え、大外からスタートしたウインオーディンは最内のポジションをとった。

ここまでのラップは12.9-11.1-11.3

入りが遅くなったがタッチウッドがまくった事で3ハロン目が11.3と早くなった。

その中でポジション取りに進展を見せたのがタスティエーラ。前走新馬戦ではムーア騎手にガンガン気合をつけられて、ようやく2番手を追走していたのだが、

今回は旺盛な前進気勢を見せ、折り合いに苦労していた。レースに気持ちが向いていなかった馬がここまで変わった事に本当に驚いた。

そして内に目を向けるとダノンザタイガー川田騎手が体を小さく畳みながら拳を下にさげている。これはダノンザタイガーにちゃんとした姿勢で走らせようとしているアクションだと思われる。ちゃんとしたフォームで、ちゃんとハミを受けながら走らせようとしているのだろう。

話を戻すと、ハナを取ったタッチウッドはその後12.4-12.8-12.4とペースを落として脚をためる。

が、4コーナーで若さを見せるシーンがあった。

上の画像でわかる通り、タッチウッドが外に張り始めバシュロ騎手が馬の顔を内に向けている。

通常コーナーでは内側の脚、今回であれば右手前で走るのだが、最初は右手前で走っていたタッチウッドが、

コーナー途中で左手前に変えてしまった。幸い事故につながるほどのアクションでは無かったが、今後、左回りのレースに出たときに怖さを感じるシーンだった。

後方に目を向けると、ダノンザタイガーはタッチウッド、ファントムシーフの後ろのスペースを狙い、タスティエーラはシーズンリッチの外、レイべリングは大外から追い上げながらレースは直線を迎える。

そして直線に入ったところでダノンザタイガーが不運に襲われる。

直線に入るとダノンザタイガーはシーズンリッチの後ろからタスティエーラとの間のスペースを狙う。

しかしそのスペースが狭くなった事から進路を内に。最初はファントムシーフとタッチウッドの間を狙ったが、ルメール騎手が右鞭を持っていて内に来ることが予想できたため、ファントムシーフとシーズンリッチの間を狙う。

しかし右鞭で追われたファントムシーフが何故か外に張り出してきた。

これでまたしても進路を失ったダノンザタイガーはまた内に切り返し、今度こそタッチウッドとファントムシーフの間を突こうとするが、

今度はタッチウッドが外に張り出してきたせいでまたしても進路を失い、ファントムシーフの外への進路変更を余儀なくされた。

ようやく進路を見つけたダノンザタイガーであったが時すでに遅し。ファントムシーフ、タッチウッドを取られきれず3着となった。

11.3-11.3-11.5を記録した直線部分で、これだけ進路を失いながら追い上げてきた事は評価できる。最後の脚色から進路がスムーズに確保できていれば勝っていただろう。

体のゆるさのせいでスッと反応できず、そのせいで、狭いスペースに瞬間的に飛び込むことが出来ないところがあるとはいえ、ここまで進路がなくなるシーンはなかなか見ない。不運だとしか言いようがない。

1着ファントムシーフは隙のないレース振りだった。レースが上手く、パワフルながら軽いフットワークである事から皐月賞で面白い。血統的にある程度距離が伸びても大丈夫だし今後に期待できる。

2着タッチウッドはこのレース内容で2着に残ったのは凄いこと。だが、無理矢理ハナを奪い、コーナーで外にふくれて逆手前になった点はいただけない。出遅れたのなら出遅れたなりのレースをした方が今後のためになったし、ふくれ過ぎない様にしながら右手前でコーナーをクリア出来ていたらレーステクニックの向上に繋がった。結果は良かったが内容が良くなかった。

4着タスティエーラはスタートからやる気を見せた点は大きな一歩。だが追い出してからが案外だった。新馬戦で上がり11-2-11.1-11.2を記録している事から、もっと走れてもおかしくなかった。これが今回だけの物なのか。それとも新馬戦のパフォーマンスが出来過ぎだったのかを今後のレースで見極めたい。

最後に9着レイべリングだが、こちらはタッチウッドとは逆に内容は良かったが結果が伴わなかった。坂を登り切ったところで脚が止まったことから、距離が長かったかもしれない。やはりこの馬の適距離はマイルだろう。

ファントムシーフ以外の馬にはそれぞれ課題が残ったが、力の差はほとんどないと感じるレースだった。今年の牡馬クラシック路線は本当に混戦になりそうだ。

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