京都牝馬Sふりかえり
ヴィクトリアマイルへと続く京都牝馬Sはララクリスティーヌとウインシャーロットが接戦を繰り広げララクリスティーヌに軍杯が上がった。
勝ちタイムの1.20.4は阪神競馬場での京都牝馬Sとしては最も遅いタイムだった。
そんなレースをスタートから振り返る。
まずサブプライムアンセムが大きく立ち上がってしまい出遅れる。
スタートで3馬身近く遅れてしまい、この時点で苦しくなった。
前に目を向けるとウインシャーロットがダッシュ良く馬群から抜け出し先頭に立つ。
ウインシャーロットが早々と単独先頭に立ち、他馬も追いかけないのを見て、画像左下のメイショウミモザ池添騎手がサッと内2番手を取りに行く。この判断の速さはさすが池添騎手。
さらにもう1人らしさを見せた名手がいた。それがロータスランド岩田康騎手。
大外からスタートしたロータスランドは、スタート直後に内が空いているのを見て、
一気に最内を取った。スタート直後にこの動きが出来ると言うことは最初から狙っていたのだろう。この内にこだわる姿勢とここぞ!と言う時に瞬間的に動けるのが岩田康騎手の真骨頂。
岩田康騎手が内を取り切った時点である程度隊列は落ち着き、
上記の隊列になる。12.2-11.2と進み、残り1000mのハロン棒の辺りでもうペースが11.7と落ちて前半3ハロンは35.1。33秒台になることも普通の1400m戦でこのラップは遅い。この時点で前有利な展開になった。
中団馬群に目を向けると、1200m戦が主戦場のボンボヤージが行きたがっていた。顔を左右に振りながら行きたがり、微妙に左右に動いた事がヒメノカリスに不運をもたらす。
ヒメノカリスは横2列目のルピナスリードの後ろを取っていたのだが、ボンボヤージが3コーナーに入る際、やや内に動いた事により
控えざるを得なくなった。これは着順に大きく影響した動きで、この結果ヒメノカリスは外を回るしかなくなった。
そしてレースは4コーナーへ。
ペースが落ち着いたのを見て岩田望騎手が動く。
外からペースを上げたルチェカリーナについていくようにペースを上げ先頭の差を詰めに行く。
その2頭以外には大きな動きはなく、ロータスランドは最内を狙ったまま直線を迎える。
直線に入りララクリスティーヌの前、丸の部分にスペースができる。菅原騎手がそこを突こうとした瞬間、シゲルピンクルビーが外に張り出してきて進路がなくなりかける。
しかし高倉騎手の左ムチに反応したシゲルピンクルビーは、
すぐに内に行き、ララクリスティーヌは上手く抜け出す事が出来た。菅原騎手は高倉騎手が左ムチを持っていることを見ていたんだろうね。そのくらい確信を持ってスペースを突いていた。レースが上手いだけあり、周りをよく見ている。
進路を確保したララクリスティーヌは、逃げ粘るウインシャーロットをギリギリで捉えて、
重賞初勝利を飾った。3着は上手く最内を抜けたロータスランド、4着は馬群を捌いて差してきたフェルミスフィアで5着に池添騎手メイショウミモザが入った。
後方から行った馬は、
内が良く伸びる中で外を通るしかなくなり、差を詰めることしかできなかった。
勝ったララクリスティーヌは非常に器用に立ち回り初重賞制覇を飾った。先行して早い上がりに対応できた点は評価できるが、馬場と展開に恵まれた面もある。次走以降の評価は慎重にしたい。
ウインシャーロットも馬場と展開に恵まれ理想のレースが出来たが勝ち切れなかった。重賞てここまで条件が揃うことはそうはないので、重賞ではやや厳しいかもしれない。
3着ロータスランドはさすがに力があるし、後方から32.8の末脚で差してこれる馬だとは思わなかった。高松宮記念2着があることから、元々力がある馬だし、次走以降も大いに期待できる。
最後にヒメノカリスを取り上げたい。3コーナー手前で不利を受け、外を回るしかない中で0.4秒差まで詰めてきた点を高く評価したい。今後の短距離路線で面白い存在になりそうで、賞金的に厳しいかもしれないがヴィクトリアマイルに出てきたら狙ってみたいと思える内容だった。
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