シルクロードSふりかえり
ナムラクレアが56.5kgを背負いながら好時計で完勝。本番への期待が膨らむ結果となった。
勝ち時計の1.07.3は過去10年中最速。勝ち時計1.07.4だった2014年と比較してみると、
2014年 12.2 - 11.0 - 10.9 - 10.8 - 11.0 - 11.5
2023年 11.9 - 10.8 - 11.1 - 11.1 - 10.8 - 11.6
とほぼ同じ。その時の勝ち馬ストレイトガールは、その後の高松宮記念で不良馬場の中、3着まできた事を考えると、ナムラクレアは高松宮記念でも期待大だね。
そんなシルクロードSをまずはスタートから振り返る。
スタート直後、ナムラクレアとエイティーンガールに挟まれてグルーヴィットの進路が狭くなる。
これでグルーヴィットは後ろに回らざるを得なくなるが、このあと危ないシーンがあった。
エイティーンガールの内、ギリギリ1頭入れないくらいのスペースをグルーヴィット岩田康成が奪おうとしたのだ。エイティーンガールが明らかに前にいるのだから、ここは引くべき。実際このあと進路がなくなりかけ、バランスを崩しラチに軽く接触している。リズムが崩れてしまったグルーヴィットはここでレースが終わってしまった。
これよく見ると岩田親子がどちらも内ラチに張り付いてるね(笑)さすが親子と言うべきか?
で話をレースに戻すと、スタート直後から内ラチ沿いに馬群が密集し始める。
そのうえ早めに体勢が決まった事が影響して、外の馬が内に入るチャンスが無くなってしまった。
上の画像を見ると内側に馬の壁が出来ていて、前に行くか後ろに下げるかしないと内に入れない状況なのが分かる。内が良い状態でこれは厳しい。
さらにマッドクールがすんなり先手を取れたことで流れが落ち着き、前が有利な展開となった。
上の画像で矢印で示した馬が1〜3着になったことが、いかに内前有利なレースだったかを現している。
しかし、よく見ると内有利な割に馬群が密集してない。これは恐らく、道中はイン直線はアウトを走りたいと言う意識の現れで、荒れた馬場を気にしない馬はラチ沿いを、綺麗な馬場を走りたい馬は下の画像の黒線で示したところより外の、馬場の綺麗な所を走っているのが分かる。
このまま1度決まった隊列が変わることなく、一団のまま4コーナーへ入る。ここの画像を見ても、この画角に全馬が収まっている事から、皆が内を走りたがっているのが伝わってくる。
そして直線に入るとようやく馬群がバラける。前に書いた通り、直線はアウトに出したいからだ。
その結果、ナムラクレアは労せず進路を確保する事ができた。
この後、このまま真っ直ぐ抜けてくるかに見えたナムラクレアが少し内にふらつくシーンがあった。
これは恐らく浜中騎手の追い方によるもので、浜中騎手はかなり激しく追うタイプで、直線でこう言う動きをするシーンがたまにある。
熱くなるタイプなんだろうね。
内に行った後にムチを持ち替えずに手綱だけで外に出していることからも、それがうかがえる。冷静な騎手なら内に行きそうな時点で、内側にムチを持ち替えるからね。
気持ちが入るのは馬を叱咤する上では必要なことだから一概に悪いとは言えないが、一時期浜中騎手の進路取りが問題になった事を思い出すシーンだった。
で、上の画像から話を戻すと、各馬思い思いの進路を取り直線で大きく馬群がバラけたが、結果的には直線も内目を通った馬が上位を占めた。
結果は僅差だったが56.5kgを背負い、直線で少しふらついた事を考えると、ナムラクレアは完勝と言って良い。高松宮記念は定量戦で今回よりも他馬との斤量差が無くなるから、さらに良いパフォーマンスが見られそうだね。
2着ファストフォースは、前走で控えた競馬をした事が生きた印象。控えて上がりを使う競馬を覚えた事と、時計の速いレースが得意である事が噛み合った末の2着だと思う。控えて競馬が出来ることから今後は今までより成績が安定してきそうだし、条件次第では次も面白い。
3着マッドクールはマイペースで行けていたのに直線で案外だった。結果論だけど、直線で外に出してみたらもう少し違ったかもしれないね。荒れた馬場で伸びきれなかった気がする。軽い馬場で行われるスプリンターズSで面白い。
4着トウシンマカオは外枠に泣いた。馬群が固まり内に入れなかった事を考えると完璧な競馬だったし、外枠勢で唯一入着した事から考えて、力は1番上。次走で良枠に当たってくれることを切に願う。
内前が有利だった事から、外を回って負けた馬は次走以降で面白い。今回の結果でやや人気も落ちるだろうしね。
高松宮記念と次走以降の楽しみが出来たレースだった。
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