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ジョッキー45º情報刊(41号)
皆さん、競馬ライフはいかがでしょうか??
先週は日曜日に福島競馬場で存分に競馬を楽しんだ男
ウマママンです!!
先日のオークス週、特にオークスが行われた日曜日は、色々出来事がありました。
東京9Rでは、4コーナーで横山武史騎手の騎乗馬の左手綱が抜けて制御不能になったり
それ以外にも、出走前に馬体検査が多いと思ったら、オークスでは
ゲート入り直前で、ラブパイローと接触したサウンドビバーチェが放馬。
G1レースとしては、最長の15分遅れの出走となったオークス、優駿牝馬。
制覇したのは、今年の重賞初制覇となった
スターズオンアース/ルメール
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川田将雅騎手から手綱を受け取ったルメール騎手が、オークスでは見事に差し切り
スターズオンアースの2冠目をエスコート。
そして、ルメール騎手にとって
今年初の「重賞制覇」となりました。
さて、今週のラインナップはこちら!!
●決戦、日本ダービー
●節目の勝利、間近の騎手
●スポットライト・ジョッキー
(石神深一騎手)
今週は、G1レースの大一番にして、日本競馬界ですべての人が目標とする夢舞台。日本ダービーの特集と
看板を掲げる節目の勝利を目前に控える騎手を紹介していきます。
●決戦、日本ダービー
「日本ダービー」
クラシックレースの2冠目にして、ダービーは世界でも競馬の祭典として競馬ファン以外にも認知され
騎手や調教師をはじめとした、日本のホースマンにとって日本ダービーとは、最高の舞台であり、勝利こそが最高の栄誉となる。
皐月賞は「最も速い馬」が勝ち、菊花賞は「最も強い馬」が勝つ。
そして、日本ダービーは「最も幸運に恵まれた馬」が勝つ。
幸運の女神を味方に、ダービー馬・ダービージョッキーに輝くのはだれか。
🏇傾向🏇
幸運もありながらも、押さえておきたいのは傾向になります。
・人気は手堅く、信頼しても◎
日本ダービーとなると、やはりオッズ・人気からも実力の評価がされやすく
2着以内の連対率ではここ10年では5番人気までで決まっていて
唯一の例外は、2019年の1着ロジャーバローズ/浜中俊騎手の12番人気のみで
それ以外は、上位人気で決まるだけに、回収を考えるなら
狙い目は絞らないと、配当妙味は難しそう。
・ダービーの運の1つ「枠」の傾向
日本ダービーが「運の強い馬が勝つ」と言われた所以の一つがこの「枠」
昔、日本ダービーの出走馬は20頭を超え、更にダービーはコース替りによる
先行馬有利の超高速決着となるだけに、ロスなく内に進路を取ることが必要とされた為、外枠に入ることはよほどの事が無い限りは
勝負にならなかった為、枠順抽選という「運」が求められました。
そんな枠でみると、ダービーで好走する枠となるのが
最内の「1・2枠」と中外枠の「5・6枠」
最内枠の1枠・2枠ではここ10年で4勝を挙げたうえに
2着も3回と連帯率17.5%で枠連の軸として優秀
特に、1枠に関してはロスなく回る優先度が高いポジションなだけに
2013年のキズナ・2014年のワンアンドオンリー・2019年のロジャーバローズの3頭が制覇しているだけに、注目したい。
もう一つは、ちょうど中外目の枠でもある5枠・6枠も連帯率は高く
17.5%をマークしているだけに侮れず
勝ち馬も、昨年のシャフリヤールにレイデオロ、ディープブリランテも勝利していて、どちらかというと差し脚を伸ばせるタイプなら勝機を見出せる枠なのかもしれない。
・前走のルートで結果が見えやすくなる??
日本ダービーの前走として挙げられるのが、王道路線の皐月賞組と
トライアルレースでもあるG2青葉賞にリステッドのプリンシバルS
さらには京都新聞杯やNHKマイルカップなどの路線があるが
ダービーで一番勝率が高いのが、「皐月賞組」で10年で7勝を挙げている。
これは、藤沢和雄元調教師も言っているが
まず、皐月賞は相手レベルが高いというのと
青葉賞やプリンシバルSはトライアルレースではあるものの、どちらかと言えば
このクラシック路線に「成長が間に合わなかった」遅咲きの組が出てきていて
2歳時からG1で戦えなかった馬が
そこから、結果を出すのは容易では無く
青葉賞組でのゼンノロブロイやシンボリクリスエスの様な名馬でも、ダービーは取れなかった事からも厳しいのは分かるハズ。
逆に青葉賞組でもキズナのように、当初から期待していて皐月賞を踏まずに、青葉賞からの参戦の場合は結果を出すこともあるので
前走のレースとココまでの道筋を知ると実力の把握は出来そう。
🏇注目騎手🏇
ダービーはすべての騎手にとって目指すべき場所ですが
その中で今回は人一倍目指す騎手を紹介。
来日の目標、3度目の正直で目指す戴冠
ダミアン・レーン騎手
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短期免許で来日しているダミアン・レーン騎手
オーストラリアから来た若き天才騎手も目指す先にあるのはダービー
このダービーはサリオスと組んで、のちの3冠馬
コントレイル/福永祐一騎手に敗れた2020年から2年越しの雪辱。
最初のダービーは代打騎乗のサートゥルナーリアでの4着
次走はサリオスの2着とその差は縮まっているはず。
人気薄でも姿勢は変わらない。目指すは戴冠のみ
昨年の忘れ物、若武者の挑戦は今年の達成を成すか
横山武史騎手
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昨年の日本ダービー、年度代表馬ともなるエフフォーリアと挑み
届きかけた最強の称号をハナ差で逃してしまった。
誰よりもその座を夢見、届きかけた「忘れ物」を獲りに行く1戦
今年は、昨年のホープフルステークスを制した有力の1頭
今年は春先のG1レースで続くふがいない騎乗の暗雲を吹き飛ばす結果をダービーで巻き起こす。
ダービーに嫌われた男から、ダービーに愛された男へ
福永祐一騎手
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福永家といえば、因縁のレースでもあった「日本ダービー」
福永祐一騎手に父親で天才と言われた福永洋一騎手共に、日本ダービーという壁に阻まれ、ダービー制覇こそが悲願だったが
2017年のワグネリアンに福永祐一騎手が騎乗し、初のダービー制覇
ダービーに嫌われていた男だったが、この勝利以降
2020年・2021年と日本ダービーを連覇するまでの好相性で
今年は皐月賞馬と共に目指すはダービー3連覇
正にダービーの女神を背負った男は3連覇という神への階段を上がるか。
🔴まとめ✖
馬の実力以外にも、騎手や調教師も乗っかる思いも多く
馬券を購入する競馬ファンの夢、生産牧場、馬主の想い
このダービーに向かうための厩務員たちの努力に、この舞台に立つまでに戦い、敗れた競走馬たちの雪辱。
そして、選ばれた18頭と18人の騎手
この大一番、必要となるのはプレッシャーにも打ち勝ち
最高のパフォーマンスを発揮するための「想いの強さ」
G1レースの日本ダービー
勝つのは果たして。そして馬券で勝利するのも
また競馬ファンの貴方の想いの強さが決める事。
運命のダービーは日曜日の東京11Rに幕が開きます。
●看板勝利、節目の勝利に向けて
JRAのレースで注目され、インタビューなどでお祝いする
「通算○00勝」などの看板を掲げる節目の勝利
その節目の勝利が近い騎手をピックアップしました!!
菊沢一樹騎手(通算100勝まであと1勝)
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先週の日曜日、新潟のメインレースで勝利し
ついにリーチをかけた菊沢一樹騎手。
菊沢騎手は人気でも人気薄でも好走するので、先日の川須騎手のように
「そこできめるの!?」みたいな勝利も転がってきそうなだけに
気になった場合は押さえておきたい
・和田竜二騎手(重賞通算50勝まであと1勝)
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テイエムオペラオーの主戦を勤め上げ、その後はG1レースでは結果はあまり出なかったものの、積み上げてきた重賞勝利も気が付けば
50勝目前。
決してチカラが無いわけではない騎手なだけに、重賞勝利も近いはず。
この後も毎週、重賞も控えていて夏競馬となると
騎手のチカラが鮮明となるだけに、チャンスは十分にある
○看板ではないけど、節目の記録
・福永祐一騎手(通算騎乗数19000回まであと2鞍)
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看板は掲げないものの、節目の記録としてあるのが
福永祐一騎手の通算騎乗数の節目。
順調ならば、土曜日の中京5Rで達成されるのでもしかすると
狙っての勝利があるかもしれない。
ちなみに、通算騎乗数に関してはコメントは求められるものの
勝利と違って、成績云々では無いのでそこまでお祝いムードにはなりにくいので、注意は必要です。
●スポットライト・ジョッキー
今週のスポットライト・ジョッキーは福永祐一騎手を予定していましたが
ちょっと予定を変更して、福永祐一騎手は来週にさせていただきます
今週はダービーではありますが、こちらの騎手!!
石神深一騎手
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生年月日 1982/6/3
身長 159.4cm
星座 ふたご座
血液型 B型
出身地 茨城県
競馬学校17期生
父親が元JRA所属の石神富士雄騎手で、その姿を観て
石神深一騎手もジョッキーを目指して、小学校5年生の頃から乗馬を始めた
最初の頃は、馬と全くコンタクトが取れなかったが
中学に入るころにはコツを掴みだしていた。
1999年に競馬学校17期生として入学
同期には、大庭和弥騎手・小坂忠士騎手・平沢健治騎手・簑島靖典騎手などが居た。
2001年の卒業後は美浦の成宮明光厩舎の所属騎手として
3月3日の中山2Rのドトウでデビューを果たす(12着)
初勝利は同月の31日、中山3Rのライデンノハナで挙げた。
ルーキーとして、初年度は12勝をあげていて
そこから減量や厩舎のバックアップを受けながらも
2年目に17勝・3年目は13勝・4年目は16勝と確実に勝ち鞍は稼いでいた。
一見、順調そうな騎手人生を歩みだしているように見えた石神深一騎手だったが、減量という若手の特権と厩舎のバックアップに甘えてしまい
そこまで必死の努力をしてこず、心の中では
「騎手になった」という事で、1つのゴールを迎えた気持ちもあった
そんな甘い気持ちを見透かすかのように、デビュー5年目には試練が待ち受けていた。
元々、3年で減量が無くなって騎乗依頼が減ってきていたが
この年は、所属していた成宮明光調教師の引退もあり
最大の後ろ盾であった厩舎が無くなり、フリーに転向。
当然ながら、騎乗数も減り、この年の勝ち鞍は5勝しか挙げられなかった
乗鞍が減り、平地競争だけでは思ったような成績も挙げられなくなってきた石神深一騎手。
その時、手を差し伸べてくれた騎手が居た。
当時、障害レースで活躍していた同じ茨城県出身の先輩騎手
山本康志騎手だった。
「障害に乗るなら、教えてやるし馬も回してやれるぞ」
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悩んだ末、乗鞍確保のため、障害レースの騎乗練習も始めた。
元々、障害のレースには興味があったが所属先の成宮明光調教師からはケガが増えるリスクが増えるため練習をさせてもらえなかったのだがフリーにもなり、立場も危うくなる中で「騎手を辞めたくない」という精神力が石神深一騎手を奮い立たせた。
2007年から障害レースにも乗り出し、障害初勝利を挙げたのは
2008年7月13日の福島での障害未勝利戦だった
それ以降も平地と障害の2足のわらじで活動していたが
思ったように成績は伸ばせず、2011年には平地も障害も共に未勝利で終わり
騎手として初の年間0勝となった。
しかし、徐々に障害レース独特のテンポなどに慣れ始めてきていて
2013年1月には中山新春ジャンプSで特別戦を始めて制すると、8月にはJG3 新潟ジャンプSで騎手生活12年目にして念願の重賞初制覇を果たす。
そして、2015年から障害レースのレジェンド馬
オジュウチョウサンとJG3の東京ジャンプSで初めてコンビを組む。
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当初、オジュウチョウサンの主戦は石神深一騎手を障害レースに誘った
山本康志騎手だったが東京ジャンプSでお手馬のコスモソユーズに騎乗する為、オジュウチョウサンの調教でも騎乗していた石神深一騎手に白羽の矢が立った。
この時、4歳馬のオジュウチョウサンは飛越は上手だったが
ゲートを出ず、走る気迫が薄く
返し馬などでは、血統のステイゴールド産駒にありがちな気性の粗さが目立ち、尻っ跳ねや暴走をしていたが
その都度、石神深一騎手は負けずに怒り返したり、良いことには褒めることを繰り返して教えていき、その成果が翌年、華を開いた
2016年4月、JG1の中山グランドジャンプ
5歳馬となって、気性面もようやく成熟し、本格化に入ったオジュウチョウサンは石神深一騎手とタッグを組み
デビューから16年目にして初のG1タイトルを獲得
オジュウチョウサンにとっても初のタイトルだったが
それ以上に石神深一騎手としても悲願ともいえるG1タイトルだったが
これはすべて始まりに過ぎず、障害レース界での快進撃が始まる
この2016年には重賞の東京ジャンプS・東京ハイジャンプ
更には暮れの中山大障害も制覇し、障害騎手最多勝のJRAタイトルも獲得
2017年・2018年もオジュウチョウサンと石神深一騎手のコンビは大活躍し
2018年の中山グランドジャンプまで、障害レース重賞を9連勝
平地競争で敗戦があったが障害レースでは
2020年のJG3の京都ジャンプSの3着になるまで、なんと障害レースを13連勝し、2021年は中山グランドジャンプで5着となり
JG1の連勝も7連勝で止まったが、暮れの中山大障害で復活のVを成し遂げた
そして、オジュウチョウサンのおかげで石神深一騎手も障害レースの名手の一人として、乗鞍を増やし、成績を残し
2022年のJG2の京都ハイジャンプをタガノエスプレッソで制覇し
JRAの障害重賞22勝目となり
白浜雄造騎手がもつJRA障害重賞の歴代最多勝利を更新した。
そんな石神深一騎手ですが
食事の方は、少食で半日は食べなくても平気で、緑黄色野菜と中華料理が苦手でこってりした食事が苦手など
好き嫌いが激しい。
趣味は麻雀で、時間に厳しいタイプだが
遅刻した理由の9割は「雀荘に居た」という理由が多い
マンガ「LIAR GAME」の主人公、秋山深一の元ネタは
秋山真一郎騎手と、石神深一騎手が由来となっていて
作者の甲斐谷忍さんが大の競馬好きで「石神深一騎手の新人時代に馬券でとってもお世話になったから」という理由だそう。
好きなブランドメーカーは「ブルガリ」で財布や時計、サングラスなどすべてブルガリでそろえている
オジュウチョウサンとのコンビで、走る伝説となりつつある
石神深一騎手。
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得ている経験値は遥かに多いだけに
今後も石神深一騎手からの活躍に注目してください!!
来週は、延期した福永祐一騎手にスポットライトを当てていきますので、よろしくお願いいたします。