2022年度前期の振り返り

 今学期が終了したので簡単に振り返りたい。といっても読んだものをまとめるだけ。

■講義(院)
 実質演習化。受講者が少なく、輪読の順番を回すのが大変だった。もちろん当方も随時レジュメを切った。若干行き当たりばったりであまり体系性がない。輪読の他に、当方の研究報告も1回やらせてもらった。

  1. 平田周・仙波希望,2021,『惑星都市理論』以文社.の数章。
    ・平田周「序 プラネタリー・アーバニゼーション研究をひらく」
    ・ニール・ブレナー「ヒンターランドの都市化?」
    ・渡邊隼「都市への権利・非都市への回路――広範囲の都市化と非都市的なものの概念」)

  2. 『思想』2021年2月号 No.1162 「特集 採掘―採取 ロジスティクス――批判地理学の最前線――」の一部。
    ・土佐弘之「過度な採取主義の行方――資本の構成的外部をめぐる政治」
    ・北川眞也・箱田徹「採掘―採取、ロジスティクス――現代資本主義批判のために」
    ・メッザドーラ、ニールソン「多数多様な採取フロンティア――現代資本主義を掘り起こす」
    ・北川眞也・原口剛「ロジスティクスによる空間の生産――インフラストラクチャー、労働、対抗ロジスティクス」

  3. 関礼子他編,2009,『環境の社会学』有斐閣.

  4. 石黒圭,2021,『文系研究者になる――「研究する人生」を歩むためのガイドブック』研究社. 2章・5章・6章・7章

  5. 関谷直也・瀬川至朗編著,2015,『メディアは環境問題をどう伝えてきたのか――公害・地球温暖化・生物多様性』ミネルヴァ書房. 1章・2章・3章・4章・7章・9章

  6. 寄本勝美,2009,『リサイクル政策の形成と市民参加』有斐閣.

  7. イヴァン・イリイチ『コンヴィヴィアリティのための道具』(2015年、ちくま学芸文庫) 「Ⅲ. 多元的な均衡」

■演習(学部)
 必修の基礎演習。レポートをいかに書くか。2クラス担当した。『アカデミック・スキルズ』、とりあえず値段的に手頃かと思い……。
 情報カードについては使ったことがなく、どう説明したものかまごついた。
 スライドでのレポート構想報告、紙と付箋を用いたブレインストーミング(本当はKJ法やってみたかった)等も行った。図書館ガイダンスや就職活動関係の講演会もあった。
 それから文献要約の素材として『〈私〉をひらく社会学』を1章使ってみた。

  1. 佐藤望・湯川武・横山千晶,2020,『アカデミック・スキルズ 第3版――大学生のための知的技法入門』慶應義塾出版会.

  2. 伊藤賢一,2014,「第11章 公共空間をつくりだす――公共圏とコミュニケーション」豊泉周治・鈴木宗徳・伊藤賢一・出口剛司著『〈私〉をひらく社会学――若者のための社会学入門』大月書店,185-202.

■実習(学部)
 基本は各班での活動。授業の最初の方の3週、最後の3週で輪読も行った。

  1. 帯谷博明,2021,『水環境ガバナンスの社会学――開発・災害・市民参加』昭和堂.

  2. 足立重和・金菱清,2019,『環境社会学の考え方――暮らしをみつめる12の視点』ミネルヴァ書房.
    ・野田岳仁「第9章 環境と観光はどのようにして両立されるのか?」

  3. 前田拓也・秋谷直矩・朴沙羅・木下衆編,2016,『最強の社会調査入門――これから質的調査をはじめる人のために』ナカニシヤ出版. 1章~9章・14章

■オムニバス

  1. 笹岡正俊・藤原敬太,2021,『誰のための熱帯林保全か――現場から考えるこれからの「熱帯林ガバナンス」』新泉社.
    ・寺内大左「3章 パーム油認証ラベルの裏側――文脈なき「正しさ」が現場にもたらす悪い化学反応」
    ・中司喬之「4章 大規模アブラヤシ農園のRSPO認証取得と取り残された労働者たち」

  2. 藤田結子他,2017,『ファッションで社会学する』有斐閣.9章

  3. 仲村和代・藤田さつき,2019,『大量廃棄社会――アパレルとコンビニの不都合な真実』光文社.

  4. 寄本勝美,2009,『リサイクル政策の形成と市民参加』有斐閣.(一部のみ)

  5. 杉本裕明,2021,『産廃編年史50年――廃棄物処理から資源循環へ』環境新聞社.(一部のみ)

■演習(院・非常勤)

  1. 土佐弘之,2020,『ポスト・ヒューマニズムの政治』人文書院.第1章「人新世/資本新世の政治」

  2. 千葉眞,2022,『資本主義・デモクラシー・エコロジー――危機の時代の「突破口」を求めて』筑摩書房.第4章「エコロジーの限界とその逆襲」

  3. 熊本博之,2021,『交差する辺野古――問いなおされる自治』勁草書房.

  4. 藤田研二郎,2019,『環境ガバナンスとNGOの社会学』ナカニシヤ出版.

  5. 野村康,2017,『社会科学の考え方――認識論、リサーチ・デザイン、手法』名古屋大学出版会. 2章・5章

  6. 野澤淳史,2020,『胎児性水俣病患者たちはどう生きていくか――“被害と障害”“補償と福祉”の間を問う』世織書房.

  7. Abend, Gabriel, 2008,“The Meaning of ‘Theory', ”Sociological Theory, 26(2): 173–99.

  8. 望月美希,2020,『震災復興と生きがいの社会学――〈私的なる問題〉から捉える地域社会のこれから』御茶の水書房.

 後期もぼちぼちやろうと思います……。

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