続 COTOHA APIで人の気持ちを考える
「文系は作者の気持ち考えてろ」(以下略)
詳しくは前回の記事を参照ください。
今回も使用するのはNTTCom社が提供している自然言語処理API、COTOHAです。
考える対象は、平成31年度センター試験(国語)の大問2の設問4、上林暁著、『花の精』に登場する、「私」の心情です。
(設問に関する詳細はリンク先をご覧ください)
どうやって考えるか
今回も懲りずに「感情分析API」を利用します。
考える対象となる、傍線部Cの一文と、選択肢の感情を比較し、最も近いものを回答としたいと思います。
やっていく
選択肢からいきます。
選択肢①
暗く寂しい村の中に建つサナ卜リウムの建物を見ているうちに、忘れようと努めていた妻の不在がふと思い出されて絶望的な思いになった。
しかし、今の自分にできることは気持ちだけでも妻に寄り添うようにすることだと思い直し、妻の病状をひたすら案ずるようになっている。
結果
{
"result": {
"sentiment": "Negative",
"score": 0.0769634905331202,
"emotional_phrase": [
{
"form": "案ずる",
"emotion": "不安"
},
{
"form": "暗く",
"emotion": "不安,嫌"
},
{
"form": "暗く寂しい",
"emotion": "N"
},
{
"form": "忘れよう",
"emotion": "PN"
},
{
"form": "絶望的な",
"emotion": "N"
},
{
"form": "寄り添う",
"emotion": "PN"
}
]
}
}
所感
Negativeだけど、あんまりセンチメンタルではない感じですね。あんまり案じてなさそう。
サナトリウムは暗く寂しい村の中に立っているようです🍆
次いきましょう。
選択肢②
サナトリウムの建物に灯がともり始めたのを見て、離れた地で入院中の妻のことが急に頭に浮かび、その不在を感じた。
妻がすぐそこにいるような思いにかられて建物に近づき、人々の生活の気配を感じるうちに妻のことを改めて意識して、その平穏を願い胸がいっぱいになっている。
結果
{
"result": {
"sentiment": "Neutral",
"score": 0.25274496451404427,
"emotional_phrase": [
{
"form": "平穏",
"emotion": "安心"
},
{
"form": "胸がいっぱいにな",
"emotion": "悲しい,喜ぶ"
},
{
"form": "急に",
"emotion": "PN"
},
{
"form": "かられて",
"emotion": "N"
},
{
"form": "平穏を願い",
"emotion": "P"
}
]
}
}
所感
Neutralです
結果を見て気づいたんですが、胸がいっぱいになる、って喜びと悲しみ、どちらでも使うんですね〜。
選択肢③
生気のなかったサナトリウムの建物が次第に活気づいてきたと思っているうちに、他の施設に入院している妻もまた健やかに生活しているような錯覚にとらわれ出した。
しかし、あまり思わしくない妻の病状を考え、現実との落差に対する失望感から泣き出しそうな思いになっている。
結果
{
"result": {
"sentiment": "Negative",
"score": 0.40480349740627747,
"emotional_phrase": [
{
"form": "失望感",
"emotion": "N"
},
{
"form": "泣き出しそうな",
"emotion": "N"
},
{
"form": "また健やか",
"emotion": "P"
},
{
"form": "とらわれ出した",
"emotion": "N"
},
{
"form": "あまり思わしくない",
"emotion": "N"
}
]
}
}
所感
なかなかにNegativeです。泣き出しそうな思い、とか書いてます。
なんかこんな感じの回答はだいたいハズレっぽいイメージですが、どうなのでしょうか。
選択肢④
サナトリウムの建物の内部が生き生きとしてきたことがきっかけとなって、入院している妻が今どのように過ごしているかを想像し始めた。
朝から月見草をめぐる自分の心の空虚さにこだわり、妻の病を忘れていたことに罪悪感を覚え、妻への申し訳なさで頭がいっぱいになっている。
結果
{
"result": {
"sentiment": "Negative",
"score": 0.36991111738372356,
"emotional_phrase": [
{
"form": "空虚さ",
"emotion": "悲しい"
},
{
"form": "空虚さにこだわり",
"emotion": "PN"
},
{
"form": "忘れていた",
"emotion": "PN"
},
{
"form": "罪悪感",
"emotion": "N"
}
]
}
}
所感
3よりはNegativeじゃないです。
妻の病気のことは忘れないで欲しいですね。
選択肢⑤
サナトリウムの建物が骸骨のように見えたことで、療養中の妻のことをにわかに意識するようになった。
その感情が是政駅で感じた寒さや疲労と結びついて、妻がいつまでも退院できないのではないかという不安がふくらみ、妻の回復を祈るしかないと感じている。
結果
{
"result": {
"sentiment": "Negative",
"score": 0.6421462774250245,
"emotional_phrase": [
{
"form": "不安",
"emotion": "N"
},
{
"form": "疲労",
"emotion": "N"
}
]
}
}
所感
選択肢の中で最もセンチメントスコアの高いNegativeです。
文章だけ見るとそんなにセンチメンタル感出てそうにみえませんが・・・。
傍線部C
「突然私は病院にいる妻のことを思い出した」
結果
{
"result": {
"sentiment": "Neutral",
"score": 0.39524689777144284,
"emotional_phrase": []
}
}
所感
なんと、Neutralでした。
回答を決める
まとめ
傍線C
"sentiment":"Neutral"
"score":0.39524689777144284
選択肢①
"sentiment":"Negative"
"score":0.0769634905331202
選択肢②
"sentiment": "Neutral"
"score": 0.25274496451404427
選択肢③
"sentiment": "Negative"
"score": 0.40480349740627747
選択肢④
"sentiment": "Negative"
"score": 0.36991111738372356
選択肢⑤
"sentiment": "Negative"
"score": 0.6421462774250245
回答は、唯一、傍線Cと感情が一緒だった、選択肢②
サナトリウムの建物に灯がともり始めたのを見て、離れた地で入院中の妻のことが急に頭に浮かび、その不在を感じた。
妻がすぐそこにいるような思いにかられて建物に近づき、人々の生活の気配を感じるうちに妻のことを改めて意識して、その平穏を願い胸がいっぱいになっている。
にします。
では答え合わせにいきましょう。
果たして正解は・・・?
大問2の設問4なので、回答番号17を参照ください。
なんと、前回に続き今回も正解です。
COTOHA、すごいです。
結果
COTOHAは人の気持ちを考えることができました。
おつかれさな〜
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