「赫き挑戦者」と、それに挑んだ者たち
閲覧いただきありがとうございます!馬成あがりです♪
この記事では、先日10月15日に閉幕したBEMANI PRO LEAGUE -SEASON 2- beatmania IIDX部門について、現地でファイナルを観戦した際に感じたことも踏まえながら、自分なりに総括してみた記事となります✏️
私の主観を多く含むことと、決勝戦の結果のネタバレが含まれることはご理解いただき、大丈夫な方のみ読んでいただけますと幸いです…!
1. 「赫き挑戦者」に挑んだ選手たち
レギュラーステージにおいて、U*TAKA選手の無敗3冠が与えたインパクトはすごく大きいものだったと思います。
もっと言えば、最初の試合でCYBERX選手が選曲したWAR GAMEで、MAX-1という破格のスコアを出したことが全ての始まりだったのかもしれません。
あの時から、レギュラーステージが終わるまで、おそらくほとんどの選手が、U*TAKA選手のことを少なからず意識していたと思います。
特にクォーターファイナル・セミファイナルを見据えた場合、レギュラーステージで下位だとU*TAKA選手を相手に最低1つは自選曲を取らないと敗退確定となってしまうため、その圧倒的な存在に、他チームの全ての選手が対抗するための努力を強いられたはずです。
実際に、試合を経るごとにスコアの水準もどんどん上がっていった印象があり、レギュラーステージ後半戦では歴代全国TOPのスコアが出ることもあったりと、想像していた以上に高レベルな戦いとなっていました。
結果だけ見れば、セミファイナル・ファイナルともU*TAKA選手が4カード全てで2タテし、誰も土をつけることはできませんでしたが、スコア的には1桁の点差で肉薄する場面も多くあって、それは全ての選手が本気で彼に勝ちたいと願い、全力で取り組んできたからこその接戦だったのではと思います。
そういう意味で、今回のBPLS2・IIDX部門のレベルを何段階も引き上げたのは間違いなくU*TAKA選手の存在があったからこそだと思っていて、また、絶対王者の誕生によって、来シーズンこそは雪辱を果たしたいと願う選手たちが更に努力を重ね、もっともっとハイレベルで見応えのある勝負が繰り広げられると確信しています。
2. 「赫き挑戦者」を追いかけた仲間たち
そして、U*TAKA選手の背中を追いかけていたのは、相手チームの選手たちだけでなく、仲間であるチームROUND1のKUREI選手・I6VV選手・MAKO*G選手に関してもそうだと思っていて。
U*TAKA選手がセミファイナルの勝利インタビューで「レギュラーシーズンは特に、僕の力で勝ち上がってきたというところがある」と本人が語る通り、かなりワンマン寄りなチームであったことは否定できない事実だと思います。
そんな3選手にとって、セミファイナル・ファイナルの舞台ではU*TAKA選手に全員が少しでも追いつき、1人にさせないことが最大の目標になっていたと思うし、その意識をもとに、チームROUND1が完成されていったように映りました。
その結果、セミファイナルのGiGO戦では副将戦までで堅実に3ポイントを稼ぎ、大将戦でU*TAKA選手が自選曲をキープできれば勝てる状況まで持ち込んで、プレッシャーを和らげることに成功。
さらに、ファイナルのレジャーランド戦では、U*TAKA選手以外が4ポイント以上を獲得しなければ勝てない状況で全員がポイントに絡み、計6ポイントを挙げて最高のアシストを演出しました。
このチームとしての成熟もやはり、常にひたむきに前に向かって進み続けるU*TAKA選手の存在があったからこそで、その背中が遠いところにあったからこそ、KUREI選手・I6VV選手・MAKO*G選手も必死の努力を重ね、終盤戦の大きな飛躍に繋がったのかなと感じています。
3. 「赫き挑戦者」
そしてもう1人、U*TAKA選手の背中を追いかけていたのは、他でもないU*TAKA選手自身だったのではないかと、私は思っています。
U*TAKA選手といえば、これまでも数々の大会で好成績を収めてきて、最高難易度である☆12の歴代保持数も国内トップを独走するまさに王者ですが、それでも「挑戦者」という肩書きで今シーズンを戦うと決めたことに、並々ならぬ決意を感じました。
もちろん、挑戦者というのは、BPL2021での準優勝を踏まえ、前回覇者のAPINA VRAMeSをはじめとした7チームに対する挑戦という意味合いが大きいと思いますが、個人的には、「どんな場面でも自分のベストを出し切る」という意味で、歴代トップスコアを含む自己ベストのスコアに対して、常に挑戦を続けていたのではないでしょうか。
ここで改めて考えてみると、beatmania IIDXはもともと(大会などの特別な場合を除けば)各曲のスコアをどれだけ伸ばしていけるかというのが全てであり、相手とリアルタイムに対戦する要素が追加されたのは2018年3月末のARENAモード初実装からと、まだ5年も経っていません。
今ではBPL BATTLEモードも追加されて、本格的にeスポーツとしての道を歩み始めていますが、それまでのIIDXが面白いものでなかったら、これらの機能が追加されることはなかったかもしれません。
そうした過去の積み重ねに思いを馳せたとき、自分と向き合い、ひとつひとつスコアを伸ばしていくU*TAKA選手の練習スタイルは、懐かしくもあり、このゲームの原点となる面白さを改めて思い出させてくれました。
4. 挑戦の果てに
そしてその集大成となったファイナル。レジャーランドを応援していた私でさえも、BPLS2において、IIDX部門を常に最前線で引っ張り続けたU*TAKA選手が、あの日あの場所で喝采を浴びるのに最も相応しかったんじゃないかと、自然とそう思えました。
U*TAKA選手の存在があったから、全ての選手達が本気で取り組み、想像を超えるレベルの戦いを繰り広げてくれたと思うし、BPL2021から続く物語に、新しい歴史を刻むことができたのだと思います。
そして、両チームの選手たちが大観衆の中でIIDXをプレーする姿は、現地で見ていた他チームの選手達はもちろん、プロを目指す人たちの記憶にも強く刻まれて、「いつかあの場所に立ちたい!」という気持ちもまた、より強いものになっているはずです。
次にその舞台に立つのは誰なのか、想像するだけでもとっても楽しみで、私は私なりに、1プレーヤーとして出場する選手たちを応援し続けていきたいし、もっとたくさんの人たちとあの感動を共有できたらなと思っています。
私にできることはすごく小さいことかもしれないですが、まずはbeatmania IIDXというゲームを引き続き存分に楽しんでいくことから、またやっていけたら思った、そんな決戦の1日でした。