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私の知らない馬事文化をめぐる
馬が1番美しい瞬間はいつだろうか
ふと何の気なしにそう思い、いくつかの馬に関する画像や動画を見た。
馬場馬術で人馬一体の動きを見せた瞬間。
障害馬術での飛越を横からの映像をスローで見た瞬間。
競馬、最後の直線での叩き合いの瞬間。
どれを切り取っても馬の美しさは画面越しに伝わる。
しかし画面から得られる情報だからか、心の琴線に触れるまでにはいかなかった。
そう思った私は馬の美しさを間近で感じられる場所を探した。
(競馬場で馬の走りを見ればいいのだが、その場合馬券への思いが気持ちを歪めてしまう危険性があったのでまずは除外になった笑)
インターネットで馬の美しさを間近で見られる場所を探すと、静岡県で行われている草競馬の情報が目に映った。
静岡県牧之原市にある「さがらサンビーチ」で行われる砂浜で行われる草競馬。
どうやら砂浜を周回コースとした草競馬は全国でここだけらしい。
開催日はGWということもあって久々の休暇を兼ねて車で現地に向かった。
現地は夏を思わせるほどの暑さだったが、見学客も騎乗者も馬もビーチの雰囲気に合わせてどこか活き活きとしているように映った。
この草競馬にはサラブレッド・中間種・ポニーの3種類が出走。
それぞれの能力に合わせて駆け足や子供を乗せての引き馬など複数の競争スタイルで競馬をしていくとのことだった。
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私はカメラをもってコースに最も近い場所を確保した。
当日は天皇賞・春の開催日。当日のオッズの動きも気になりつつ草競馬に参加する人馬に目をやった。
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馬が駆けるたびに歓声と驚きの声。
ジョッキーが愛馬を思いやり、かける声や首筋をなでる姿。
どこを切り取っても瞬間ひとつひとつが美しく、馬と人が歩んできた長い歴史がこのビーチに凝縮されている気がした。
無心でカメラのシャッターを切っていると、ふと競馬の結果が気になり自信のレースとして穴馬指名した谷川岳ステークスのメイショウチタンが1着。
単勝オッズが30倍の11番人気の穴馬。
穴馬パターンに沿って好走してくれたので気持ちもお財布もホクホクとなった。
結果の確認を終えて顔を上げると中間種と可愛い子供が一生懸命にビーチを駆けていた。
拍手と歓声包まれてゴールした子は愛馬を抱きしめて活躍を労った。
さて、天皇賞・春。
結果はテーオーロイヤルで菱田ジョッキーが初G1制覇。
ジョッキーカメラに収められた映像では菱田ジョッキーが「ロイ君」の活躍を褒めるワンシーンが収められていた。
馬と人とが一緒に成し遂げる瞬間は場所を選ばずに美しい。
私は心の琴線に触れる感覚を味わった。