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ジャパンカップ 京阪杯 京都2歳S ピックアップ回顧
ジャパンカップ
東京芝2400m左C
馬場:良馬場
ペース:スローペース
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レース回顧
ある程度揃ったスタートから押し出されるようにシンエンペラーがハナをとり、それにソールオリエンスとスターズオンアースが続く。しばらくかなり遅いペースで進んでいたのだが、向こう正面でドゥレッツァがじわじわとポジションを上げてハナを取り切る
注目すべきはドゥレッツァが5F目あたりで捲り先頭に立ったものの、そこからペースが上がるわけではなく全体的に静観といった感じでむしろラップが落ちてしまった。これにより全体時計がかなり緩み、前に有利な内容のレースとなったことは間違いないだろう
一団のままコーナーを進み直線に入るのだが、ドウデュースは早めから手応え良く動き出し直線に向くころにはすでに2番手くらいの位置取りまで上がってきており、そのまま最後まで脚を使い差し切りV。2着には道中捲ってハナに立って押し粘ったドゥレッツァ。同じく2着には序盤押し出されるようにハナに立ったもののしっかりと内で我慢させ、直線では素晴らしい脚を使ったシンエンペラーが同着で入った
馬場やレース展開から考えると、今回は良馬場で走破時計が2分25秒5とかなり遅く明らかなースロー前残り傾向が強く出たレースだったと言える。内外は推定フラットと見ており、午前のレースから外を使われる様子が目立ったものの内も展開に恵まれればしっかりと伸びる馬場だったと言えるだろう。1頭だけ早めに動いて差し切ったドウデュースは破格の強さを見せたという評価になるだろう。終いから4F目の全体ラップは12.5秒とかなり遅いままであり、これによりドウデュースが楽に捲れた側面もあるだろう
いくら前が恵まれたとはいえやはり一定以上の能力を持っている馬が着順の上半分を占めていることから、決して参考にならないレースというわけではないということは強く主張していきたい
出遅れ・出負け馬
・シュトルーヴェ
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ピックアップ回顧
ドウデュース(1着)
序盤早めから外目のポジションに付けいつでも動ける準備をしながらしっかりと我慢させ、かなりのスローペースと感じるや否やコーナーから早めに動いてしっかりクビ差差し切る鞍上の大ファインプレーと言えるレース内容だっただろう。個人的に一つ想定しているのはダービーなどではタフなレースを好時計で勝ち切ったものの、本来ドウデュースが得意としているのは今回の秋G1の2戦のような緩い展開からの瞬発力勝負なのではないだろうかということ。かなりのスローで馬群が詰まって一団となっているところを楽に追走して鬼脚を使うというのが一番合っているのだろう
特筆すべきはコーナー外を回ってポジションを一瞬で上げられる加速力であり、これがあるからこそ右回りにおいても素晴らしい結果を残せていると感じる。コーナーでの加速力があることで今回のように馬群が詰まってのスローペースで無理せず捲りながら長い脚を使うことが出来、今回は流石に終いは少し甘くなったものの展開を考えれば完勝と言える内容であり、次走有馬記念でのラストランも期待できるだろう
シンエンペラー(2着)
押し出されるようにハナを取ってしっかり我慢が利き、そとからドゥレッツァが捲ってきたときも付き合うことはせずに淡々と内で我慢させ終いの脚に賭けた。斤量が56キロであることも手伝いしっかりと脚を使えて同着の2着に入ったもののやはり勝ち馬には少し及ばない印象は植え付けられた。どのような競馬場や展開でもしっかりと最後まで脚を使う素晴らしい馬であり、古馬になってからもしっかりと成績を残していくだろう。斤量が増えて終いの切れ味がやはり一歩足りないということにならないように成長を期待したい
ドゥレッツァ(2着)
スタートから少し挟まれるような形になり序盤でポジションを一つ下げたのは痛かった。向こう正面でじわじわとポジションを上げてハナに立ってからもペースが上がらなかったのは非常に幸運だったといえるだろう。直線に入ってからも脚は十分に残っており最後まで勝ち馬と競り合うことが出来た。個人的には感想としてはもともと長く脚を使える馬なので、4F戦に持ち込んである程度馬群を伸ばしながら終いの脚を使った方が勝ちに近づいたのではないかとも思う。あまりにも控えすぎて完全に終い3Fだけのレースとなってしまい、早めに動いた勝ち馬から目標とされてしまったことで出し切らずに差されてしまうすこし惜しい内容だったのではないかとも思ってしまう。もともと前走の海外遠征での競馬も斤量差が厳しかっただけで十分に立て直っていたと考えられ、今回も十分に戦える態勢で挑んできたことだろう
チェルヴィニア
4着。この馬に関してもある程度のペースで進んでも今回のように究極とも言える瞬発力勝負となっても十分な結果を残すと想定していたのだが、少し物足りない結果だったか。ポジション的にも十分勝負になる位置からの競馬を出来ており、斤量差を活かして十分に伸びてこられる展開だったようにも思える。完全な3F勝負となったところで外から勝ち馬がものすごい勢いで捲ってきた一番近くにこの馬が位置していた為、少し踏み遅れてしまった感じがある。脚の回転力からして違うのでどちらにせよ勝ち馬には勝てはしなかったとは思うがいいポジションを取れていたのでもう少しでもペースが流れて馬群が伸びていたら面白かったかもしれない。展開が展開なので割り引くような内容ではないが、怪物クラスかと言われると少し厳しいかという評価に落ち着くだろう
ジャスティンパレス
5着。この馬にしては十分ポジションが取れて少し掛かっていたものの十分に脚を溜めての競馬は出来たか。惜しむらくは展開があまりにもスローで、この馬の持ち味である持久力勝負の面が全く見せられずに消化不良で終わってしまったことだろう。あと2秒くらいでもレース時計が速くなってくれれば見せ場十分の末脚を見せてくれていただろうに完全な瞬発力勝負では難しかっただろう。勝ち馬以外には能力面で劣っているわけでは無いので展開に泣いたといったところだろう
短評
ゴリアット・・・高速馬場の瞬発力勝負だったがよく対応出来たと言えるだろう。タフな展開ならもっと面白かっただろう
スターズオンアース・・・やはり外枠から外を回された分少し切れ味はなかった。もともと抜群の切れ味というタイプでもないので少し流れた方が競馬をしやすかっただろう。休み明けで少しコンディションも甘かったか
オーギュストロダン・・・終いにジャスティンパレスに突き放されたのをみても高速馬場の瞬発力勝負では日本馬には足りていないように見える
ダノンベルーガ・・・現在のコンディションそのままの内容でやはり切れず。もともとこの距離は合わないのもあり厳しかった
シュトルーヴェ・・・出遅れたのは痛かったがそれでもダノンベルーガは交わしたかった。ドスロー瞬発力戦は得意としていたのにこの程度だと今後も大きい舞台では難しい
ファンタスティックムーン・・・脚は使ったが前が全く垂れないので厳しかった
ブローザホーン・・・そもそも良い脚を長く使えるタイプではないので東京の瞬発力勝負は一番合わない。なぜここに使ったのか
カラテ・・・8歳で瞬発力を求められても厳しいだろう。走れるだけは走っている
ソールオリエンス・・・なぜこんなに垂れたのかは謎。馬の気性的な問題だろう。前からプレッシャーをかけられるとダメなのだろう。それでなくとも2400mと瞬発力勝負はあまり合っていなかっただろう
京阪杯
京都芝1200m右内C
馬場:良馬場
ペース:ミドルペース
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レース回顧
まずはウインカーネリアンが好スタートからしっかりハナをとりペースを作る。そこに外からテイエムスパーダとチェイスザドリームが続き、一団の態勢。もともと外伸びなので横広のままコーナーを迎え、インにいた逃げ馬も外に出しながらの直線勝負
内追走からからロスなく外に出したビッグシーザーが待望の初重賞V。2着にはロスなく平均ペースで逃げたウインカーネリアン、3着には長期休養明け2戦目でしっかり走ったヴェントヴォーチェが入った
馬場やレース展開としてはCコース替わりで逃げ馬が平均ペースを作ってコーナーから直線に掛けては外目に出しながら競馬をしたことで全体的に外に大きく振られるような競馬となり、外枠の馬が直線を向いた時にはすでに絶望的な差が出来るほど内と外の差が大きかったと言える。その根拠としては馬番1~8番の馬が上位9着以内に全頭収まっているということが挙げられるだろう。ある程度人気的にも内枠に上位人気が多いとはいえかなりの偏りを見せたことから特殊なレースと判断してもよいだろう
出遅れ・出負け馬
該当馬なし
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ピックアップ馬
ビッグシーザー(1着)
前走も最重量ハンデを背負いながらもしっかりと勝ち切ったことからじわじわと決め手の力がついてきたか。ポジションもとれて好位から外に出しながらしっかりと楽に逃げた逃げ馬を差し切った。馬場や展開的に外から差しが届きづらい展開だったので完全に信頼を置くことは難しいがここにきて充実ぶりをうかがわせる。しばらくは短距離のG1はないが、そこに向けての素晴らしい調整となったのではないか。まだまだG1級の相手はいっぱいいるのでそういったメンバー相手にどこまで対抗できるか
ウインカーネリアン(2着)
展開的にもスムーズにハナを取れてロスなく2着。Cコースに替わってもラチ沿いは選ばず直線は馬場の真ん中あたりまで出したことで全体がかなり外回りになり結果として恵まれた印象だ。もともと能力は十分だがやはり1200mとなっても最後の決め手を一つ繰り出すことが出来ないか。これからも相手なりに走ることは多いだろうがいざ頭から買うとなると少し難しいか
ヴェントヴォーチェ(3着)
現状では枠順に助けられた3着という位置づけになるだろう。スタートもあまり良くはなかったが全体的にコーナーで外に振られている中を内からロスなく脚を使えるポジションをとれ、且つ馬群が全体的に横に広がっているので前に障害物がなくしっかりと脚を伸ばすことが出来た。ロスを少なく運べたにしては目に見えるキレというほどではなくもう少し破壊力が欲しい。今後重賞3着ということでオッズ的にも少し過剰人気気味になるので割り引いて考えたい。それでも長期休養明けから2戦目で重賞3着はとても喜ばしいことである
アグリ
恵まれるはずだった内目の枠で流れに乗ることもなくポジションを下げ、勝負どころでは強引に外に出しに行っては進路が無く無理に内に切り替えずロスしかない内容でかなり残念な競馬となった。個人的に近2走は特に恵まれておらずここが一番の狙いどころだと想定していただけに非常に残念な騎乗となってしまった。騎乗というよりもは馬自身が中々に制御が効きづらい気性になっている可能性も十分にあるため鞍上の乗り方というよりもは実力を出せなくてただただ無念といったところだ。終いもしっかり脚は使えているのでまだまだ最前線で頑張ってほしい1頭
ドロップオブライト
真ん中付近の枠から外目追走からそのまま外に出してしっかりと走り切った。ペースも含めると極端に内に向いたような内容だった為、今回の6着は割り引く必要はないだろう。むしろ想定以上にしっかりと走っており、前走のCBC賞から斤量も2キロ増えているのだがそれを感じさせない素晴らしい走りをみせたといえる。成長している感じが強くあり次以降も積極的に狙っていきたい
短評
外枠にいた馬は無条件でノーカンでもよい。特に外目の中団から後方にいた馬達はノーチャンス
プルパレイ・・・頑張ったが内枠の利もあった。少し直線では内に入りすぎて終いの脚を削がれてしまった可能性
サブライムアンセム・・・ロスなく内からコースを取りしっかりと脚を使った。かなり恵まれているので再現性は低いだろう
カンチェンジュンガ・・・直線までの騎乗としては完璧。そこからアグリに寄られ内から外に切り返しなどロスが大きくも上がり最速。外よりの枠で恵まれなかった。能力自体はやはり高い。斤量増もそこまで感じさせなかった
グランテスト・・・外目を回して恵まれなかったにせよ斤量増が響いて能力的に足りていない印象。ここからは厳しい戦いになるだろう
京都2歳S
京都芝2000m右内C
馬場:良
ペース:スローペース
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レース回顧
揃ったスタートからまずはウォータークラークがハナを取り、サラコスティ、スリーキングスと続く。緩めのペースで向こう正面ではそれなりに馬群は伸びていたものの、コーナーに差し掛かるところではすでに一団になり直線へ
直線では外から迫った馬達がいい脚を使いエリキングが1着。2着にはそのエリキングをマークしたものの交わせずジョバンニが入り、3着には同じく外からしっかりと脚を使ったクラウディアイが入った
馬場的にはCコースに替わっているとはいえ外伸びの傾向が強く、外々を回ってきても内を回した馬よりも得をしているような馬場状況のように感じた。特に距離が長いとやや渋った馬場と内の状態の悪さが目立つか
出遅れ・出負け馬
該当馬なし
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ピックアップ回顧
エリキング(1着)
大外枠から出たなりの競馬である程度スムーズに外を回ってきて3コーナーからじわじわと前を伺いながらの競馬となったものの、4コーナー辺りではイマイチ反応が悪く一瞬置いて行かれそうになったのだが、鞍上が必死に促してようやく馬が気が付いたように加速をし始め勢いがついた。直線でもまだまだ甘く、鞍上が本気追いをしてようやくスピードを維持できると言った感じであり、しっかりと強いのだがまだまだ甘い面が伺える。例えば今後はG1戦線に間違いなく参戦するのだが、多頭数でこの反応の鈍さを見せてしまうと揉まれて踏み遅れる可能性も十分にあり、まだ信用には足らないか。素質や能力面ではかなり高いものがあるように感じられる
ジョバンニ(2着)
常に勝ち馬をマークするような形で前に置きながらの競馬。勝負どころでは外から一騎打ちを仕掛けるものの届かず、着差以上の差を感じさせられる。しっかりと脚を使い能力を出し切っており、外目有利も活かしていることから多頭数など条件がタフになってくるとまた厳しくなる要素が出てくるだろう。能力的にも十分高いが今後更に飛躍するかと聞かれると現状では難しい面はあるだろう
クラウディアイ(3着)
しっかりと外目で待機して終いもロスはほぼなく脚を使ったが少し足りなかった。今回は3か月ぶりで馬体重も+14キロながら躍動感のある走りを出来ており今後も十分期待できる。自己条件でなら十分に戦える能力は持っていると思われる
スリーキングス
5着。しっかりと温存してコーナーを消化しようとしたのだがイマイチサラコスティの進みが悪く促せない間に外から勝ち馬などがどんどんとポジションを上げていき外にも出せない状況に。直線を向くと今度は内にいた1番が外に大きく斜行してきて進路を塞がれ外からは5番が勢いよく入ってきて挟まれてしまい完全に踏み遅れた。その後もなぜか全く進路が開かずに追う機会すらなく終えてしまった。今回の競馬では全く割り引く必要はなくもう一度改めてだろう
サラコスティ
2番人気7着。おそらく前走ハナを取ったことによる弊害で馬がかなり行きたがってしまいかなり掛かりながら前を取りに行こうとしていた為、かなりの消耗をしてしまったように思える。向こう正面で逃げ馬が3馬身くらい抜け出した後も差を詰めようとしてしまっていたのでかなり頑張りすぎてしまう性格なのだろう。馬自身が能力的に低いということは決してないのである程度対応が利くのであれば十分に次走以降も好走は可能だろう。しかし消耗しやすいタイプなので勝ち切れるかどうかはわからない
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