エリザベス女王杯 デイリー杯2歳S 福島記念 武蔵野S
エリザベス女王杯
京都芝2200m右外B
馬場:良
ペース:スローペース
レース回顧
まずはコンクシェルがハナを取り、ハーパーとシンリョクカが続き隊列を形成。平均的なペースを刻み隊列も一定をキープしたまま3コーナーを回り下り坂へ。下り坂では外目にいた馬達の手ごたえが良く、いいスピードに乗れてそのまま直線へ
好位外目をキープしていたスタニングローズが抜群の手ごたえを見せ抜け出すと、馬場の影響もあり内目の馬が伸びあぐねて外目を回した馬での決着となった。1着には早め抜け出し完勝となったスタニングローズ、2着には中団外目をキープしてうまく走れたラヴェル、3着にはうまく内の詰まりを回避出来て外目を回せたホールネスが入った
今回のレースに関しては能力的にはレガレイラ以外抜けた馬は存在せず、横一線と言っても良い内容であった為、枠や取れたポジションが大きく着順に影響した結果となったと言えるだろう。基本的には外からスムーズに競馬を出来た馬が着順を伸ばしており、内で競馬をしていた馬は軒並み低調な結果に終わってしまったと言える
今回の馬場状況やレース展開を考えると中団外目を回した馬に特に向いている印象であり、内目を通した馬などは着順が悪かったとしてもそこまで割り引く必要もないだろう
出遅れ・出負け馬
・ピースオブザライフ
・エリカヴィータ
ピックアップ回顧
スタニングローズ(1着)
パドックから抜群の気配を感じさせていたものの、馬場や展開が完全に向いた結果ともいえる。特にメンバーがかなり手薄な状況で1番人気のレガレイラが脚を伸ばして来なかったことで楽に競馬をすることが出来た。レガレイラを除くとメンバー的にとびぬけた脚を使う馬がいなかったことも幸運であり、今後混合G1などに参戦するとやはり一つ足りない面は浮き彫りになってしまうだろう。それでもC.デムーロ騎手を背に完璧な競馬をしたことは称えられるべきであるし、今までで一番と言ってもいいほどの内容ではあったが今後はオッズ的にも買いやすいレースが来るとは考えづらい
ラヴェル(2着)
スムーズなスタートから馬なりで中団外目を取れたことが好走の要因の8割を占めているだろう。狙ってなのかどうかはわからないが、結果としてレガレイラを常に内に閉じ込めておけるポジションを取り続けることが出来たのは川田騎手の巧みさと言っても良いだろう。無理せずポジションを取れたことで終いもしっかりとバテることなく走り切れており、2着で押し切ることが出来た。持続力はある馬なのでレース展開的に向いたときはこのような好走もあるということなのだろう。今回のメンバーで例えるとライラックに近い馬だと考えており、一瞬の切れ味というものは相対的にそこまでではないのだが、持続力があるため展開が向いたときはしっかりとその着順を確保できる良い馬だと考える。ただし決め手という点では乏しいのでやはり頭から買うのは難しい馬だろう
ホールネス(3着)
まだ実績としては信用に足らない馬ではあるが今回は2番人気に推された。逆に言うとそれだけ今回のメンバーが手薄だったということにはなってしまうのだが、しっかりと馬券内を確保して結果で能力を証明した。しかしレース内容としては鞍上の坂井騎手が完璧な競馬をしており、下り坂でペースが上がらない前二頭をうまく外に交わしながら抜群のタイミングと馬場の良いところを通って3着を確保した。完璧な競馬をしたのにも関わらず終いは一杯になってしまったのは距離的なものか能力的なものか、はたまた道中内を通っていたことが消耗につながったのかは定かではないが物足りなさも少し残ってしまう1戦となった。今後過剰に評価をされてしまうのであれば少し疑ってかかるべきか。操縦性は高くレースが上手い馬なのでメンバーレベルが低いレースでは再現性の高い競馬をしてくれるだろう
シンリョクカ
4着。内前のポジションを取って最後まで内から競馬をしており、馬場の良くないところを通ったがしっかりと頑張って差の無い4着に粘りこんだ。幸運だったのは前の二頭が垂れたときに内を空けて垂れてくれたのでこの馬は特に影響を受けることなくスムーズに競馬をすることは出来たということ。どちらかというと上位2頭以外は全体的に低調な内容と言えるものであり、その中でも伸びない内から粘ったこの馬は評価されるべきではあるが、能力以上に評価をされてしまいそうで今後も馬券としては難しい馬だともいえる。ただし粘り強く脚を使える点は評価できる点であり、今後もローカルのG3などでは十分に上位を期待できる馬だろう
レガレイラ
珍しくスタートからポジションを取れたと思ったらそれが誤算となり、常に外にラヴェルが張り付いており恵まれない競馬となってしまった。外に出したい展開ではあったのだが内に包まれていると4コーナーの終わりからすでに前の2頭が垂れ始めており、外を回した馬にすでに後れを取っている状況になってしまった。垂れてくる馬を交わそうと内を仕方なく選んだのだがフラフラしているハーパーの内で挟まれるような形になってしまいかなりの不利となった。シンティレーションには不利を与える形となったがこの馬も不利を受けた側と判断しても良いだろう。もちろん強引な騎乗は賛否あるだろうが、今回はハーパーと鞍上の動きを見て仕方なしに内に切り返したところ、ハーパーもコンクシェルも垂れながら寄ってきたという避けようもない事故だったと言える。パトロールビデオで判断するとかなりわかりやすく、ルメール騎手に過怠金が発生したものの騎乗停止にするほどではないことはすぐにわかるだろう。今回はメンバー的にも是が非でもタイトルが欲しかった一戦ではあったが、本馬の不器用な面がレース結果に響いてしまっていることは間違いはないので成長とともに課題を克服しくれることを願う
短評
ライラック・・・差し馬には全頭この馬と同じことをしてほしいくらい素晴らしい内容。しっかりと外目に出して最後まで伸びている。ただし内の馬群が外に比べて遅れてしまったので展開的に不利な面は強かった
サリエラ・・・溜めて外目を通したにしては切れ味が足りず、最後まで伸びてはいるのだが長距離戦線を使ってきた理由が露呈した印象
ゴールドエクリプス・・・展開的にはかなりハマったが前に残られては厳しい。もう少しタフな競馬であればチャンスはあったかもしれない
コスタボニータ・・・常に勝ち馬を見る形で競馬を出来ており、展開的にはかなり向いたと言える。ここで伸びきれないのは適性的なものが大きいだろう
シンティレーション・・・直線で巻き込まれ大きな不利。とはいえ内を選択してしまっていては前には届かなかっただろう
キミノナハマリア・・・ベストに近いポジションを確保しながらも伸ばせず。むしろこの馬こそシンリョクカが通した場所に馬を置きたかった。馬場が渋らないと相対的に通用しない
エリカヴィータ・・・出負けして後方外から直線に入るも伸ばせず。地力だろう
ルージュリナージュ・・・内枠から下げて外に出そうという意識が強すぎて回ってくるだけの競馬に
モリアーナ・・・鞍上が内にこだわった結果。お疲れさまでした
ピースオブザライフ・・・現状はダート馬だろう
コンクシェル・・・そんなにタフな競馬はしていないのにあまりにも垂れ過ぎた。道中の内がタフで適正も1800辺りだろう
ハーパー・・・直線での動きは明らかに馬が正常ではない証拠。気性面で他馬が気になりすぎるのか寄って行ってしまい危ないところだった。現状では立て直しに期待するのは酷か
デイリー杯2歳S
京都芝1600m右外B
馬場:良
ペース:スローペース
レース回顧
まずはエイヨーアメジストがハナをとりドラゴンブースト、ロヴィーサが続く。前半は緩いペースで進み、前半は48.6秒の後半46.1秒の後傾ラップとなった。下りでもまだ抑えながらの競馬となっていたことからおよそ残り3Fからの競馬ということでよいだろう。好位内目に待機していたランフォーヴァウがしっかりと決め手を見せて1着。前から積極的に競馬をしたドラゴンブーストが最後までしぶとい脚をみせて2着、3着には手ごたえ良く中団から外に出したものの伸びあぐねたダイシンラーが入った
出遅れ・出負け馬
該当馬なし
ピックアップ回顧
ランフォーヴァウ(1着)
小頭数でメンバーレベル的にもどうかと言われる中で1番人気に推されてしっかりと勝ち切ったのは立派。しかし今回の比較的緩い流れからの競馬ではどれほどの能力かを見極めるのは難しく、G2馬としてこの先G1戦線にも出走するのだろうが中々評価はされないだろう。そこを妙味とみるかどうかは個人の判断だが、個人的にはメンバーが揃ったG1戦線では厳しいのかなという印象は強い。ドラゴンブーストをあと2馬身突き放せていればもう少し説得力のある走りになっていたか
ドラゴンブースト(2着)
前からいいポジションで競馬を出来ており、しっかりと脚が溜まって最後まで勝ちに迫る争いが出来た。仕掛けどころで瞬間的に反応の悪さとコーナリングの甘さが出て勝ち馬に前に行かれてしまい、最後まで覆せずに2着。本馬は最後まで脚を使えており、距離ももう少し長くても自己条件では通用するのではないかとも思わせる。とはいえ本賞金を積んでしまったからには今後は重賞戦線で走ることになりそうで厳しい戦いが待っている。今回はスタートはよかったのだがメンバーレベルが上がり多頭数になるとポジションの確保も難しくなるだろうし、末脚がキレる馬でもないので評価としては厳しくなるだろう
ダイシンラー(3着)
まだ口向きも悪く操縦性に難がある印象。下りからのコーナリングもスピードに乗れておらずまだまだこれからの馬という印象。直線では前を捉えられるような脚を発揮することは出来ず一緒の脚でゴール。1勝クラスに戻ってもG2の3着という評価をされるのであれば厳しい
短評
特になし
福島記念
福島芝2000m右A
馬場:良
ペース:ハイペース
レース回顧
ある程度揃ったスタートからまずはウインシュクランが先手を取り、それにギャラクシーナイトが圧を掛けながら続く形で1コーナーに突入。コース形態的にまず長い直線から始まる為、テンの3Fが34.8秒と速いペースで進みタフなレースとなった
向こう正面で落ち着き掛けたのだが、ペースが少し緩んだところで外のサトノエルドールがポジションをあげたことで上位が手を動かし息の入らない展開に。そこからは上がりの掛かる勝負となり外目をスムーズに回してきたアラタが差し切りV。2着には内で溜めて上手く捌いたフェアエールング、3着には道中捲って消耗したが粘り強く残したダンディズムが入った
レース展開的には先団がタフな競馬になってしまい息が入りづらかったことで後方脚質にかなり向いた展開だったと言えるだろう
出遅れ・出負け馬
・アラタ
・ダンディズム
ピックアップ回顧
アラタ(1着)
中山金杯でかなりの不利を受けてからもしっかりと自分の競馬を貫いてきてようやくここで展開に恵まれて勝ち切った。出負けしたことが展開待ちの競馬に割り切ることが出来た要因でもあるだろうし、内ではなくしっかりと外を回してきたことも鞍上を称えたい。馬場的には内がかなり荒れてきていた為、展開としては外に向きやすく、4コーナーでは明らかに外目の馬たちの手ごたえが良く、向いた競馬をすることが出来た。近走はしっかり実力を伺わせての敗戦だったためここでは最重量ハンデでも勝ちを得るにふさわしい馬であったと言えるだろう
フェアエールング(2着)
最軽量ハンデでしっかりと控えて最後まで余力を残したまましっかりと脚を使った。いいスタートを切ったのだが、テンのスピードで他馬に負けてしまい後方からの競馬となった。ここで無理をさせなかったことが展開有利の差し競馬に繋がり2着を取ることが出来た。しかしやはり展開と斤量に恵まれた感じは強く、これから成長できるかだろう
ダンディズム(3着)
出負けして後方からになり展開には恵まれるはずだったのだが、向こう正面で前にいたサトノエルドールがポジションを上げるとそれについて行ってしまい、タフなレースのなかを動いてしまった。結局外目3番手で回ってくることになってしまい直線ではさすがに脚が上がってしまった。向こう正面でしっかりと我慢してもうひとつ遅らせることが出来ていれば勝ち切っていてもなんら不思議ではなかっただろう
短評
クリノプレミアム・・・精一杯走った。タフさのみを要求されるようなこのレースはむしろこの馬に合っていたか。前目で唯一しっかりと残した
ショウナンマグマ・・・ダンディズムよりも仕掛けを遅らせて精一杯の内容。しっかりと勝負所で仕掛けられており馬にもう少し力があれば勝ち切れる内容だった
エンパイアウェスト・・・内をうまく回ってきて外に出せる進路がありながらもタフな内を選択してしまった。結局はそこのレーンを使ったフェアエールングが2着
ドクタードリトル・・・4コーナーで詰まったのが致命的となり、終いはしっかりと脚を伸ばしている。次にオッズが甘くなるのであれば狙うべきだろう
フライライクバード・・・タフな馬場コンディションやタフなペースは合わないイメージ。完全に垂れた
シリウスコルト・・・速い流れの中を先団外目で追走も、向こう正面でポジションを上げてきた馬に絡まれ息が入らず厳しい競馬に。今回はノーカンとして捉えた方が次以降に買いやすくなるだろう
武蔵野S
東京ダ1600m左
馬場:良
ペース:ハイペース
レース回顧
揃ったスタートからまずはドルチェモアとメイショウテンスイが前で競り合い、ドルチェモアが先頭を奪いきる。後ろを離した状態でコーナーに入るも直線を迎える頃には完全に失速しており、先団にいたペイシャエスとサンライズホークがまずは抜け出す形に。しかし内で詰まっていたエンペラーワケアが進路を見つけるとあっという間に抜け出しV。2着には外から差してきたカズベトシーン、3着も中団外目から差してきたぺリエールが入った
競馬としてはハイペースではあるものの3番手以降はかなり離されており、そこまで極端なペースではなかったと考える。フラットな流れで地力を出しやすいレース展開だったのではと想定する。ややタフな流れで差し馬の方が若干有利だった程度か
出遅れ・出負け馬
該当馬なし
ピックアップ回顧
エンペラーワケア(1着)
今回は5番手あたりからの競馬。しっかりと馬群で脚を溜めることが出来ており、直線で完全に詰まりまくりながらも進路が開いた瞬間に抜け出す脚が残っていたことで気性面でも素晴らしいものを持っていると感じさせた。他馬と接触しても怯まず、あきらめることなく鞍上にしっかり反応して抜け出す様を見ているともっと距離が長くなっても全然問題の無いように思える。ペースが緩む分には操縦性の良さから考えてもこなせる可能性は高く、マイル戦でこれだけの決め手を発揮できるのであれば様々な選択肢が広がるのではないか
カズペトシーン(2着)
持っている能力は高く今回もしっかりと評価されての5番人気。多少展開は向いたのかもしれないが、使える末脚には再現性があり、近7走で6回の上り最速をマークしており十分に重賞戦線でも戦える強さをみせた。東京専門というわけではなく、小倉の1700や中京1800などでもしっかりと良い脚を使って走れているのでコーナーの数が増えたとしてもそこまでの割引にはならないところが良い点だろう。追い込み馬であるこの馬の懸念点とすれば、今回のように前から抜けた競馬をするような飛びぬけた実力馬相手にはポジション的に明らかに分が悪くなるという点だろう
ペリエール(3着)
道中も中団後方で前を余裕を持って見ながら競馬を出来ており、包まれることなくスムーズに競馬を出来たと言えるだろう。直線で一度内に入れたものの、全体的に垂れている中を詰まったわけではないのでそこまでの影響はなかったように思える。ユニコーンSを抜群の内容で勝ち切ってからは足踏みをしていたのだが、ここ数戦は段々良い競馬を出来るようになってきており充実している。ここからさらに成長していくことが出来れば十分に大きいところも狙えるだろう。距離やコースとしてはやはりこの条件がベストかなというところはあるので違うコースを使うとなると少し割り引いて考えた方がよいか
短評
タマモロック・・・出負け気味のスタートからかなり追って動かしてしまったことが終いの失速の要因だろう。控えて展開に任せれば十分に勝負になったはずだ。永野騎手も手が戻れば十分期待できるだろう
ペイシャエス・・・好位からの競馬でしっかりと脚は使ったものの、ややペースが速かったか終いは脚が上がってしまった
サンライズホーク・・・タフな競馬は歓迎か。気性面で幼い面も強く外枠だったのは好走の要因だろう。地方でのレースが多く今回も評価が難しかった
ショウナンライシン・・・道中もスムーズでしっかりと溜められていたと思われたがラストは伸びあぐねた。出遅れたときの方がより脚が溜まり好結果に繋がっているのは皮肉なもの
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