成分からみる【自分に合うシャンプー】の選び方①
シャンプーの正解は人それぞれ
平成初期までのシャンプーの選び方はテレビや雑誌などの広告をみるのが主流でしたが、平成後期から令和になった現在ではSNSの発達から自分に合ったシャンプーを選ぶための情報が増え
ドラッグストアに陳列されたシャンプー製品も何倍にも増え、オンライン販売の商品まで合わせると一生かけても試しきれない程の種類があります。
同じメーカーブランドからも「しっとり」「さらさら」だけではなく、「うねりケア」「ダメージリペア」などの複数バージョンが発売され
まず自分の髪には何が合うのかも見当つかないことが多く、試してみるにしても販売サイズの多くは400mlポンプの購入かお試し1回サイズのみがほとんど。
お試し1回では調子良かったのに数日使っていくうちに「あれ?」という質感になることを経験した方も多いのではないでしょうか。
自分の選び方だけでは自信が持てず、少し高めの知人や憧れのインフルエンサーの人が薦めていた商品を使っていてもイマイチわからない・・・
美容室で相談してもサロン専売品を薦められて経済的に継続は難しい・・・
そんな悩みを持つ方は多く【シャンプー難民】という言葉も生まれています。
今回は現役美容師15年、市販ヘアケア解説YouTuber歴2年の私がこれだけ押さえておけば失敗はしないポイントを厳選して解説するので
一人でも多くの方の「自分に合ったシャンプーの選び方」で快適なヘアケアに繋がれば本望です。
シャンプー選びは3つの要素をチェックすればOK
シャンプーの選ぶ時にまずは背面の成分表を確認します。
全成分の欄に配合量が多い順に成分がズラーっと書いてあるので
まずは今お使いのシャンプーとリンスのそれぞれ全成分表示を見てみましょう。
きっと初めは見ても何のことやらさっぱりだと思います。
その表示を見るだけである程度どんな価値観のシャンプーなのか3つの要素をチェックすれば分かるようになります。
1.シャンプーの洗浄成分の種類
2.リンスのシリコンの種類
3.その商品の推しの美容成分の種類
これがそれぞれ何が使われているかでおおよその質感使用感は判断でき、今使っているシャンプーと比べて選ぶことで失敗は防げます。
1.シャンプーの洗浄成分の種類について
シャンプーの洗浄成分はどこで判断するかというと、全成分の「水」の次から3〜10種類ほどの界面活性剤の組み合わせになっているので
成分表示の2番目から10番目までを確認してどんな順番で配合されいてるかで「泡立ち・泡持ち」「脱脂力」「敏感肌処方」が判断できます。
では主要な界面活性剤の種類を解説していくので、お使いのシャンプーには何が配合されているかチェックしてみてください。
高級アルコール系(泡立ちがよく刺激がある)・・・ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naなど
A-オレフィン系(泡立ちがよくやや刺激がある)・・・オレフィンスルホン酸Naなど
石鹸系(弱酸性は低刺激、他はやや刺激がある)・・・オレイン酸Na、ラウレス−4酢酸Na、石鹸素地など
スルホコハク酸系(低刺激ながら余分な汚れは落ちる)・・・スルホコハク酸ラウレスNaなど
タウリン系(毛髪に優しい、低刺激で汚れは落ちる)・・・ココイルメチルタウリンNaなど
ベタイン系(低刺激でマイルドな泡立ちと洗浄力)・・・ココアンホ酢酸Na、コカミドプロピルベタインなど
アミノ酸系(低刺激だが泡立ちがしにくい)・・・ココイルグルタミン酸、ラウロイルメチルアラニンNaなど
タンパク質系(低刺激で泡立ちしにくく保湿効果もある)・・・ココイル加水分解コラーゲン、加水分解シルク、シルクアミノ酸など
洗浄力が強い順に記載してます。大まかにまとめると
・高級アルコール系・オレフィン系は洗浄力が強く
・スルホコハク酸系・タウリン系は洗浄力が中くらい
・ベタイン系・アミノ酸系は洗浄力が弱い
それを踏まえて先程の成分表示を見てみましょう。
黄線の範囲が全成分の初めの10個です。この中での界面活性剤は
『ラウロイルメチルアラニン(アミノ酸系)・コカミドプロピルベタイン(ベタイン系)・オレフィンスルホン酸(A- オレフィン系)・ココイルリンゴアミノ酸(アミノ酸系)・ラウロイル加水分解シルク(タンパク質系)』
以上の5種類の界面活性剤がブレンドされていて、洗浄力と泡立ちは
『低刺激だが泡立ちがしにくい》低刺激でマイルドな泡立ちと洗浄力》泡立ちがよくやや刺激がある》低刺激だが泡立ちがしにくい》低刺激で泡立ちしにくく保湿効果もある』
となるので、まとめると
『アミノ酸メインの低刺激処方でベタインとオレフィンスルホン酸で泡立ちと洗浄力を助け最後のタンパク質で保湿効果も期待できるシャンプー』となります。
シャンプーを切り替える時は半歩移動が最適解
よくある【市販シャンプーから高価なオーガニック系やサロン専売品に切り替えた時に泡立ちにくくて使いにくかった問題】は洗浄力のギャップから起きている事が多いです。
なぜそんなことが起きるかと言うと、洗浄力の強い市販シャンプーとペアで販売されるリンスにはコーティング剤として髪に残りやすいしっとり感の強い成分が使われているからであり
自然分解されやすい成分で構成されたオーガニック系や内部補修メインのサロン専売品には数日髪に残る成分を配合しないことが多く
市販シャンプーを使っていた時の髪に残留する成分が完全になくなるまで2週間はかかるので
その間は泡立ちしにくくなる傾向があります。
そのため泡立ちにくさを感じた時は2回シャンプーするか、シャンプー前にクレンジングをするのがオススメですが
それも面倒な方も多いと思うので、洗浄成分が半分似ているバランスを選ぶ事がルーティンを変えなくで済むのでストレスの少ない方法かと思います。
半歩移行の実践法
実例①:シャンプー後に髪の軋みが気になり優しいシャンプーにしたい
パンテーンエクストラダメージケアを使っている場合
洗浄成分は【ラウレス硫酸アンモニウム, ラウロアンホ酢酸Na, コカミドプロピルベタイン, ラウリル硫酸アンモニウム】
それぞれのスペックは【洗浄力が高く刺激がある、低刺激で汚れは落ちる、低刺激で汚れは落ちる、洗浄力が高く刺激がある】
まとめると【敏感肌向きではない高い洗浄力メインで低刺激で泡立ち良く汚れの落ちるものもブレンドしつつ高い洗浄力も更に配合した脱脂力が高く泡立ちやすく敏感肌な方には不安があるシャンプー】になります。
ここから半歩移行して地肌と髪に優しいケアを目指す時は
・同じ成分で順番を変える・・・べタイン系がメインで硫酸系が後半にくるものを選ぶ
・配合成分1つを1段階優しい物に変える・・・硫酸系の部分を洗浄力が1段階マイルドなA-オレフィン系のものを選ぶ
実例②:アミノ酸で泡立ちにくく頭皮が痒くなるのでもう少し泡立ち良いシャンプーにしたい
プリュスオーメロウシャンプースムースを使っている場合
洗浄成分は【ラウロイルメチルアラニンNa、 コカミドDEA,コカミドプロビルベタイン、ココイルグルタミン酸Na】
それぞれのスペックは【低刺激で泡立ちしにくい、保湿しながら泡立ち補助する、低刺激でマイルドな泡立ち、低刺激で泡立ちにくい】
まとめると【アミノ酸メインで洗浄促進成分とベタインで保湿しながら泡立ちを助ける低刺激だが1回のシャンプーでは油分が落ちきれない可能性もあるシャンプー】になります。
ここから半歩移行して泡立ち良く地肌と髪への優しさを維持したいときは
・同じ成分で順番を変える・・・べタイン系がメインでアミノ酸が後半にくるものを選ぶ
・配合成分1つを1段階洗浄力の高い物に変える・・・アミノ酸もしくはベタインの部分をスルホコハク酸系またはタウリン系のものを選ぶ
以上のような基準で選ぶことで使用感をあまり変えずに髪に優しいものを選べるようになります。
まとめ
失敗しないシャンプー選びのためには現在使っている物の成分をチェックして目的に合わせて半歩移行したものを選ぶと失敗しないです◎
今回はシャンプー選びの観点で洗浄成分メインで解説しました。
次回はリンスの失敗しない選び方を解説していきます。