天皇賞秋~君は出来る筈~
11頭立てとなった今年の天皇賞。頭数は寂しいが、現在のところ単勝150円と断然人気の⑦イクイノックス。
完全無欠のスーパーホース と思われているが、そんな事はない。
以下 は ずっと言い続けている事なのだが、
この馬の弱点は ひとつだけ。
ペースへの耐性が不足している
点 のみ
昨年の天皇賞時 もこれを指摘した。
しかし結果は勝利。予想 としてはハズれてしまったわけだが
その原因は 極端な展開になった事 である。
12.6-10.9-11.2-11.3-11.4-11.6-11.8-11.6-12.4-12.7
これが 昨年の天皇賞ラップなのだが、この異常なハイペースも
大逃げを打ったパンサラッサがスコアしたものであり、
大きく離れた2番手集団は むしろ
ありえないほどの 超絶スロー
だった。
要するに 超絶スローからのヨーイドン だったわけだ。
この流れは イクイノックスには 大好物の展開。
運も味方につけている と言えばそれまでだが、
2番手集団のペースは61秒台。3~4番手にいたジャックドール藤岡佑介は
62秒近いペースで進んだ。これがイクイノックスの 上がり32秒7での快勝
を生んだわけだ。
イクイノックス自体の前半3ハロンは36.2くらい。
そのあとの2ハロンはもっともっと遅い。ゆったりしたペースで進んだ。
通常の天皇賞で これだけの溜め区間が出来る事は稀だ。
イクイノックスは 精神的に難のある馬ではない。
実際ドバイシーマクラシックでは逃げて勝利したように
位置取りはどこでもいい。
無理なペースで走らなければ という非常に
重要な注釈
がつくが。
証拠に というわけでもないが
古くは 21年 東スポ二歳S。
12.8-11.4-12.0-12.4-11.7-11.6-11.0-11.9-11.4
このような流れで 4ハロン目にはペースが落ち
息が入るが この流れですら イクイノックスは
前半この馬自身が37.4の9~10番手を進んだ。
そして溜めた分 最後は32秒台のキレ。
12.5-10.8-11.8-12.0-11.8-11.7-12.3-12.0-11.8-11.5-11.7-12.0
これはダービー2着のラップ。注目してほしい。
2400Mのダービーとしては かなり流れた。この流れを不利な外枠から2着なのだから 怪物馬であるのは疑いがないのだが、
映像を見ると 追走に余裕を感じない。(太字区間)
実際
レース後のルメール騎手のコメント。
少しレースが忙しく感じました
その分位置が後ろになりましたがリズム重視で運んで3~4角での手応えも良くいい感じで直線に向けました。勝った馬を交わせるかな、と思いましたが向こうがもうひと伸びしてしまいました。
と言っている。逆に有馬記念の2馬身半勝ちなどは
7.0-11.3-11.7-12.1-12.5-13.1-12.7-12.4-11.8-11.9-12.2-11.4-12.3
中盤がド緩い流れ。これだけの溜め区間があればイクイノックスとしては
かなり楽なのだ。
前走の宝塚。勝つには勝ったが この馬の能力を絶対視していたファンからすれば セブンスルーシーズにクビ差まで迫られたシーンは不満なのではなかろうか?
12.4-10.5-11.1-12.6-12.3-12.4-12.5-11.9-11.7-12.0-11.8
中盤に ソコソコの溜め区間がありながらも
イクイノックスの位置取りは 16ー16-13-9番手。
この馬自身の前半が35.6くらい。早めに追い上げた分もあるが、
全キャリアの中で 前半3ハロンを一番速く走ったのがこの前走宝塚だった。大外ぶん回しで セブンスルーシーズに抜かれる感はなかったので
さすがの勝利なのは間違いないが、同時に
ペース耐性にやや難がある事は
再確認できたレース
でもあった。
とはいえ
完全無欠に近い馬
であることは事実。能力は私が今更言うまでもない。
だから 今回の単勝150円という人気は 決して過剰とも思わない。
それでも それでも だ。
天皇賞秋 というのは 本来
イクイノックスにとっては
少し忙しすぎる舞台
だと思うのです。
12.6 11.3 11.1 11.5 11.9 11.9 11.9 11.6 11.5 12.2(13年)
12.9 11.7 11.8 12.2 12.1 12.1 12.3 11.4 11.3 11.9(14年)
12.8 11.7 11.9 12.2 12.0 12.2 11.6 11.3 11.1 11.6(15年)
13.3 12.0 11.6 11.9 12.0 12.3 12.0 11.5 11.0 11.7(16年)
13.2 12.5 12.9 12.5 13.1 13.0 12.4 12.0 12.7 14.0(17年 不良馬場で参考外)
12.9 11.5 11.8 11.5 11.7 11.6 11.3 10.9 11.6 12.0(18年)
12.8 11.4 11.5 11.6 11.7 11.6 11.3 11.1 11.3 11.9(19年)
12.7 11.7 12.1 12.1 11.9 12.0 11.7 10.9 11.1 11.6(20年)
12.8 11.5 11.9 12.0 12.3 12.0 11.8 11.1 11.1 11.4(21年)
これが 過去の天皇賞ラップ。分かりやすいように
イクイノックスにとっての 溜め区間になりうる12.3以上のところは
太字にしてみた。これだけペースが流れているのだ。
それが 天皇賞秋 という舞台。
去年 パンサラッサの大逃げラップとなったが
2番手のラップを書き起こしてみるとこうなる。
12.6-11.1-11.5-12.1-12.3-12.4-12.4~~~~~
という感じだ。番手でこれ なのだから いかにイクイノックスにとって
楽な流れだったか が分かるだろう。こんな天皇賞秋は 極稀 であり、
恵まれたのは間違いない。
実際昨年はリアルタイムで当然見ていたわけだが、
1000Mくらいで 「イクイノックス(の勝ち)だわ・・・」と諦めた。
実は Twitterにも前もって書いたが、今年は冒頭に記した通り
小頭数。小頭数はかなりペースが落ち着きやすく=イクイノックス有利に
傾きやすい。フルゲート とまでは言わないまでも 「ある程度隊列が続いた中でペースも流れる」 となって欲しかった私としては
小頭数は残念ではある。
そこらへん(イクイノックス有利)を踏まえた上で
それでも 狙っていきたい馬がいる。
今回の記事の副題 とした
君とは⑩ジャックドールであり 藤岡佑介騎手
である
ジャックドールと藤岡佑介は2戦目から 殆どのレースでコンビを組んだ。
が・・・・昨年イクイノックスの4着に敗れた天皇賞秋で武豊騎手に
乗り替わり となった。
非情にも映ったジャックドールの主戦交代劇。ましてやジャックドールを管理する藤岡健一調教師と、藤岡佑騎手は親子。
陣営からは『鞍上の超消極的騎乗』といった厳しい言葉が飛び出すなど、あのレース内容に決して満足していなかったそうだ。
実際に昨年の天皇賞・秋のレース後には、
元JRA騎手の田原成貴氏も「消極的過ぎ」と。
「4コーナーでパンサラッサに並びかけないと」
「イクイノックスとヨーイドンしたら決め手で負ける(のは当然)」
と藤岡佑騎手の騎乗に厳しい意見。
私も Twitterだか noteだか忘れたが レース後にすぐ 同じ内容を
呟いたと思う。
そういう声が多くあり 父親の藤岡健一氏も 替えざるを得なかった
というところなのだろう。
そんな藤岡佑介騎手とジャックドールが再びコンビを組むのだから
競馬はやっぱり面白い!
武豊騎手に先約があったのである。2番人気の③ドゥデュース。
ヤフー知恵袋に 面白い質問と 的確な答えがあったので
一応載せておきます。
少し 辛辣ではあるが まぁ概ねその通り。
体内時計が正確な人の代表格として 武豊騎手がいるが
この時の藤岡佑介騎手は 少し慎重になり過ぎた のだと思う。
腹括って勝負に出れなかった。
レース後には
【スタートを上手に出てくれた。最初のコーナーでポジション争いが激しくなると思ったので、それをやり過ごして、いい形で入れた。前と離れていて難しい形にはなったんですが、ジャックドールにとってはちょうどいい位置だと思った。直線で馬場のいいところに持ち出して追い出したんですが、最後は前を掴まえ切れず、後ろにも差されてしまいましたし、もうひと押しといった感じでした。コンディション的にはまだ上がり目がありそうでしたし、この着差を詰めていければタイトルに届くと思うので、また頑張っていきたい。】
と 当然継続騎乗出来るもの と思っていた筈。
それだけに この交代劇は 本人にとっても辛いものではあっただろう。
パンサラッサのいない今回。①ノースブリッジ岩田の動向にもよるが
ハナを奪えそうなメンバー構成。前半を58秒後半から59秒
自身(ジャックドール)が息を入れながら後続には脚を溜めさせない
流れを作り切れれば
残り目 どころか 勝ち筋
も見えてくる。現在のところ単勝は13.8倍。
このオッズならば
単勝 複勝 馬単(表のみ) ワイド
と限度額いっぱいの勝負としてみよう。
前走の負け過ぎは気になるが 馬場のせい って事にしちゃおうか。
◎⑩ジャックドール
〇③ドウデュース
▲⑦イクイノックス
△⑨プログノーシス
△④ダノンベルーガ
△⑥ジャスティンパレス
△⑤ガイアフォース
注⑪アドマイヤハダル
全ては藤岡佑介騎手の手綱次第。去年もそうだったが
馬の能力は足りている。
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