ひとり出版社1年目日記⑭オンラインショップを開設する
今年3月にできた出版社 Studio K。「年内に1冊、木下晃希さんの画集「KOKI ZOO」を出版することを目指します」と公言して、自分にプレッシャーをかけてきたのがよかったのか、12月1日、無事に刊行しました。
note をお読みいただいていたみなさん、出版に向けて力を貸してくださった方、そしてすでにお買い上げいただいた方、ほんとうにありがとうございます!
前回の投稿から、刊行間近の作業を書き始めていますが、きょうは前回書ききれなかったこと、オンラインショップの準備と開設について振り返っておきたいと思います。
その前に、になりますが、出版社がオンラインショップを持つことについては迷いがありました。どういう迷いだったかといえば、本屋さんの領域に立ち入ることになるんじゃないか?それこそ、たとえば、本屋さんに営業にいって「よろしくお願いします」と言いながら、自社でも売っているというのはどうなの?というようなことです。
ですが、アート分野ということからすると、ポストカードなどのグッズにも需要があります。もっと正直に言えば、美術展やコンサートでグッズ販売がコスト補填に欠かせないと言って過言ではないのと同様、グッズ売上があれば、たいへん助かります。
ごにょごにょとそんないいわけをしながら、こそっと自社のショップをオープンしました。
ネットショップ開設サービスを選ぶにあたっては、BASE と STORES のどちらにするかで迷い、いろいろ比較サイトも見ましたが、最終的には、周囲に使っている人が多くて、「簡単だし、別に困ったことはない」というBASEにしました。
たしかに簡単で「30 分で販売が始められる」というのも、あながち誇張ではないかも(もっとも私はもっと時間がかかりましたが)。
商品としては、本、サイン本(50冊)、ポストカード(1枚220円税込)10種類、アクリルキーホルダー(1100円税込)を並べました。グッズの制作も刊行前に時間がかかったところです。ポストカードを作るのはある程度慣れていましたが、アクリルキーホルダーはどんなふうになるかわからなかったので、試作、修正して、最終形にしました。
梱包資材もしっかりプチプチがついていて、できるだけ安いものを探しました。小さい本なので、1冊なら、ポストカードやキーホルダーなどの小物が入ってもCDサイズというのでOK。どんなポストにも入りやすいので安心です。
2冊ご購入の場合に備えては、組み立て式の箱を用意。でも、クリックポストOKのサイズなので、送料は一律に。3冊以上になった場合は別途対応することにしました。一応、そういうこともあるかもしれないと、10冊まで入る60サイズという箱も買っておきました。
そうして、一般の発売と同時にオンラインショップをオープン。やはりサイン本が人気で、それにプラスして好きな絵柄のポストカードを足してくださる方が多い様子。アクリルキーホルダーも、ちょっと実験的にやってみた感じでしたが、結構好評でした。本まではいらないけど、気軽にポストカードが欲しいという方も。
でも、このようにSNSなどでずっと応援してくださっている方に喜んでいただけたのはよかったとして、難しいのはここからだなと思っています。そういう点で考えたこと、悩んだこと、じたばたやっていることを次は書きたいと思います。
出版社創業1年目日記、もうしばらくおつきあいいただければうれしいです。