24時間テレビとフジロックの視聴者数と熱量と投げ銭
毎年毎年、アンチを中心に夏の風物詩的に話題になる日本テレビ系列の「24時間テレビ」。別に他人の意見に流されるわけではないが、僕もまったく興味はない。が、ここまであれこれ言われると気になってしまうのも事実で、実際にどれくらいの人間が視聴しているのか気になってしまった。ので、わかる範囲で自己流で調べてみようと思った。
個人の平均視聴率が8.8%なので、「ke!san」というサイトで推計すると、約160万世帯の360万人の視聴者がいたことになるそうだ。この数字は「平均」になるため、1分あたり平均360万人が視聴していたと考えていいと思う。正直これだけだと多いのか少ないのかわからないが、なんとなく多い気がする。東京ドームの65個分ってくらいだし。一方で「視聴率」ってものが、「個人」と「世帯」の2種類に分かれていたことをはじめて知った。一般的に使われている視聴率は「世帯」の方(24時間テレビの世帯視聴率は15.5%)で、日本中の家の何軒の家が見てるかを数値化したもの。でも今回は次に挙げるYouTubeの視聴者数と比較したいため、「個人」の数値を参照する。
一方で僕は、ちょうどその週末、「FUJI ROCK」のYouTube LIVEを観ていた。今年はこんな状況下だからフジロックも開催できない。ので、過去のベスト・シーンを3日間連続で夕方からLIVE配信するのだという。一応断っておくが僕は野外フェスに参戦したことはないし、音楽に興味を持たなくなって久しい。とはいえ、やはり野外ライブの映像を観ているとエキサイトしてきたのは確かだし、YouTube上に書き込まれる多くのメッセージからも臨場感や一体感を感じられた。コロナ禍であらゆるイベントが中止になってしまった中で、フジロックのLIVE配信はいい企画だったように思う。ともかく、個人的にはすごく印象が良かったフジロックのLIVE配信だったのだが、では一体どれくらいの視聴者数があったのだろうか。
と、あれこれ調べているのだが、YouTube LIVEで配信していたためデータが消えてしまっている。ので、twitterでのつぶやきから数字を探してみた結果、「視聴者数が16万人」のようだ。
え、24時間テレビ視聴者数より桁1つ少ないんだ。と驚いたのが率直な感想。予定では、フジロックの視聴者の方が多く、「もうテレビの時代じゃないね」ってオチにしたかったのだが、想定外。まだまだテレビのコンテンツは強いし、「音楽」「アニメ」「スポーツ」など、特定の分野に特化したネットのコンテンツに対するユーザーの熱量はすごいが、数ではまだまだテレビには勝てないということだろうか。YouTubeに流れる熱の籠もったメッセージを見て、「一緒に音楽を楽しんでいる人間が日本中にいっぱいいる!」と錯覚し、過大解釈したのだろう。でもその瞬間、ただぼーっとコーラでも飲みながら24時間テレビを見ている人間の方がはるかに多かったということ。
とはいえ僕がフジロックのプログラム中、もっとも驚いたのは「スパチャ」と言われる投げ銭機能。投げ銭機能に関しては、「そういうものがある」くらいの認識でしかいなかったが、想像以上にポイポイとお金が投げ込まれることに驚いた。恐怖すら感じるレベルで目に見える形でお金が動いていた。同時に、時代に乗り遅れてる感を身にしみて感じた。今は、こんな形でもお金が支払われるんだ、と。また、ほんとに音楽、フェス、ミュージシャン、そして裏方さんを含めた音楽に関わるすべての人々、物事が好きな人が応援の意味でお金を支払っているのだとも思った。意味のあるお金のように思えてしまった。一方で、テレビの広告費、スポンサー料と比較すると、やっぱりまだまだスパチャで集まった金額なんて少ないものなのかな。とはいえ、好きなことに自分で金額を決めてお金を払うっていうのは良いことかもね。特に日本人は「チップ」を払うって感覚もないけど、「良いサービスに対価を払う」ところからお金が循環できる文化が根付けばいいなと思った。