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UMA会(怪)談 ■本日のアジェンダ:あの人は今…
夏の暑さも過ぎ秋が近付く10月初旬の会議。
何やらチュパじいが浮かない顔をしている。
何があったのでしょう。
◆チュパじいさん:あぁ~、アイツ今頃、何してるのかの~。
●アルマスくん:え?アイツって誰?
◆チュパじいさん:なんじゃったかのぉ~、名前が出てこんのじゃ。
★ツバネコちゃん:大丈夫?おじいちゃん(笑)
◆チュパじいさん:「日本三大水棲獣」の中の一種なんじゃがなぁ。
●アルマスくん:屈斜路湖のクッシー、池田湖のイッシーは知ってるけど。
★ツバネコちゃん:どこに住んでるか、覚えてる?
◆チュパじいさん:たしか、北海道の洞爺湖だったはずじゃ。
●アルマスくん&ツバネコちゃん:じゃあ、トッシーじゃん!(笑)
◆チュパじいさん:そうそう!それじゃ!最近、音信不通なんで気になっとるんじゃよ。
★ツバネコちゃん:北海道は遠いね。また特派員さんに、行ってきてもらおうか。
●アルマスくん:そうだね。頼んでみま~す!
チュパじいが、案ずる洞爺湖のトッシー。果たして無事なのでしょうか?
特派員が安否確認に行ってきます!
企画名:洞爺湖のトッシーを探しに行こう!
※今回は、現地特派員のMさんがレポートしてくれます。
今回の調査対象は洞爺湖に棲むというトッシー。
1946年頃から目撃されており、1977年にはホテルを改装していた業者が目撃している。その姿は丸太のようなものが、上下左右にクネクネ動くように見えたという。だが近年は目撃情報が、ぱったりと途絶えている。
洞爺湖は北海道の南西部に位置する、ほぼ円形のカルデラ湖。直径は東西約11キロメートル、南北約9キロメートルで面積は70.7k㎡、周囲50km、最大水深180m。周辺は火山活動が活発で地熱の影響で、冬期間も一部の除き凍結することがない。
地図 ※Google Mapより
チュパじい達の依頼を受け、現地に到着した私は、早速探索を開始することにした。まずは、2000年の有珠山噴火を記念して造成された「有珠山噴火記念公園」から湖水を観察してみるが、残念ながらクッシーを視界に捉えることはできなかった。
右側に見えるのは洞爺湖温泉のホテル群
さすがに岸からは見つからないので、湖上から探索するため洞爺湖汽船に乗り込むことに。
搭乗した船はエスポアール号。重量401トン 旅客定員700名の大きな船で、最上部にある展望台からは湖全体を見渡すことができる。UMA探索に適した船と言えるだろう。
大型遊覧船エスポワール号
乗船前に現地の情報を収集してみる。
特派員:洞爺湖にトッシーという怪物がいると聞いたのですが・・・
船長:あ~、昔は話題になったけど、最近は話を聞かないね。
特派員:何か手がかりを掴めるような、場所はあるでしょうか?
船長:う~ん、わからないな。
けんもほろろである。
どうやら自力で探し出すしか方法がないようだ。私はこの船で湖上を探査しながら、湖に浮かぶ中島に渡ることにした。そうこうしているうちに、汽笛が鳴り、温泉街湖畔の船着き場より出港した。
船上から出発地の温泉街を望む
出航後、どんな小さな異変も見逃さないよう湖水を注視する。
湖面の様子
少しして、けたたましい音が聞こえ、横に目をやると、水上バイクが風を切って勢いよく走り回っていた。普段は水面を自由に走行する姿に憧れるものだが、今日ばかりはそういう気分になれなかった。
トッシーが驚いて隠れてしまうのでは…
船上から目視を続けていたが、一向に変化は見られず、気分転換に船内を歩いて回ることにした。船内には売店があり、軽食で一息つくことができたが、店員さんからもトッシーに関する情報は得られず。
もしかすると、洞爺湖を護ると言われる龍神の方が知名度が高いのか?
それとも「トッシー=龍神」なのだろか。謎は深まる。
洞爺湖温泉のキャラクター
洞龍(トウロン)くんのバッジ
出発から20分。中島が近付いてきた。
さあ、上陸だ。
まもなく下船
中島には、いくつかのチェックすべきポイントがある。
その一つが、今年4月にオープンした「中島・湖の森博物館」だ。湖や自然環境を学ぶことができるということで、手がかりを求め、いざ入館!
周囲を木々に囲まれ、自然と調和した博物館
展示室は、ジオパーク情報、自然、散策情報の3つのゾーンに分かれ、山・湖・森について図解を用いて、わかりやすく解説されている。
広くて綺麗な展示室
この公園は何と読めばよいのだろう?
洞爺湖や中島の自然に関する情報は得れたものの、クッシーに関する情報はいまだ見つからず。ここまで何の手掛かりもつかめず、私は焦りを感じ始めていた。
博物館を後にして、船着き場に戻る途中で、菅原道真公が祀られた祠を発見。
なぜ、ここにあるのか?
浜辺付近には、立派な大木が私を労うように迎えてくれた。それは「ウンクル・セトナの桂の木」と呼ばれるご神木で、その昔、ウンクルとセトナという若いカップルが悲しい最期を遂げ、身につけていた耳環と首飾りの玉から二本の木が芽を出し、やがて幹が一つになったという。それ以来、現地の人たちは、縁結びの御神木として崇めるようになったそうだ。
悲恋の伝説を持つウンクル・セトナの桂の木
縁結びの御神木と言われる由来
中島に渡ったが、結局トッシーのトの字も聞けず、焦りが落胆に変わり始めてきた。しかし、チュパじいを安心させるために、こんなことで諦めるわけにはいかない。
「諦めたら、そこで試合終了だよ」、そう自分に言い聞かせて、船に乗り込んだ。
洞爺湖上の三重の塔
龍神様が祀られているという
出発地へ戻ってきた私は、洞爺湖観光の中心地である温泉街へ向かい、一番大きいお土産屋「越後屋」さんで、聞き込みを再開。
立派な店構え!
とてもお土産屋さんとは思えない…
「すみません、洞爺湖のトッシーについてお聞きしたいのですが・・・」
「知りません。(キッパリ)」
えぇ~!!??
もうトッシーは忘れられた存在なのだろうか…
今日一日、手掛かりを求めて探し回ったが、何一つ得ることが出来ず、チュパじいの喜ぶ顔が見れないことに、私は無力感に苛まれた。
チュパじい、ごめん!トッシーの消息をつかむことは出来なかったよ・・・
帰り際、販売しているお土産を見ると、看板商品は洞爺湖と掘られた木刀のようだ。漫画・アニメともに大ヒットした「銀魂」の主人公、坂田銀時(愛称:銀さん)が所持する木刀はこれであり、全国からファンが訪れるとか。今では、洞爺湖はトッシーよりも銀魂のイメージの方が定着しているのかもしれない。
銀さんでお馴染みにの木刀
■探索を終えて
一時は、話題なった洞爺湖のトッシー。
残念ながら、今回は消息を掴むことは出来なかった。当時と違い、現在は水上バイクが走り回り、冬期間を除いて毎晩湖上から花火が打ち上げられている。そんな賑やかな場所を避けて、湖の底でひっそりと暮らしているのかもしれない。
洞爺湖は火山帯にあり綺麗な水を湛えていることから、パワースポットにもなっており、トッシーに会えなくても、自然の力で清々しく純粋な気持ちになれるはず。是非皆さんもトッシー探索を兼ねて訪れて頂きたい。
サイロ展望台から見渡した洞爺湖
UMA CREW PROJECT【スマホアプリ始めました】