血統チェックの結果と馬券への活かし方

こんにちは。

バーチャルサラブレッドのリュウタロウです。

今回は私が毎週投稿している「過去5年血統チェック」で取り上げた注目馬の結果と、それを踏まえた来年以降の馬券への活かし方を紹介したいと思います。

↓過去5年血統チェック再生リスト↓


血統チェックの変化について

前提として、2021年の血統チェックにはいくつか変化がありました。

①「+α」の具体的な傾向の導入

今までの血統チェックは「○○産駒が強い」「母父○○系が狙い目」「父○○×母父○○系の組み合わせが良い」といった父と母父に関する簡単な傾向から血統注目馬を選んでいました。

しかし、このやり方には「とんでもない大穴(想定シンガリ人気)の1頭指名になる回もある」「傾向への該当馬がおらず、血統注目馬がなしの回が出てくる」といった問題点がありました。

これらの問題点を解消するために、青葉賞の時から「5代血統表に○○持ち」「母系に○○持ち」といった5代血統表レベルの傾向も取り上げるようにしました。

実際、「+α」導入前と比べても注目馬選定が楽になったようにも思えますし、注目馬の好走率も格段に上がりました。

②複勝率・複勝回収率の導入

具体的な傾向を導入したは良いものの、傾向が増えるということは該当馬も増えるということです。

現状、血統注目馬は3頭選んでいることが多いですが、当然プラスの傾向に該当している馬はもっといます。例えば血統注目馬を3頭に絞らないといけないのに、傾向に該当している馬が7頭もいてどれを選べばいいか悩むというケースもあります。

そこで、どの傾向が強い傾向なのかをわかりやすくするために、その傾向の該当馬の複勝率と複勝回収率も調べるようにしました。

8月あたりから複勝率だけ導入してみたりして、最終的に9月以降の血統チェックからは全ての傾向に複勝率と複勝回収率が表示されるようになりました。

③リピーターの取り扱い

血統チェックは過去5年で馬券に絡んだことがある馬たちの血統によって作られた傾向をもとに注目馬を選んでいるため、「過去5年で馬券に絡んだことがあるリピーターがプラスの傾向に該当するのは当然である」という理由から、「リピーターは注目馬として取り上げない」というルールがありました。

しかし、今年の毎日王冠で「ディープインパクト産駒で母父Storm Catだと[2-1-0-0]で連対率100%」という傾向が見つかり、その傾向に当てはまっていたのがリピーターのダノンキングリーのみという出来事がありました。

他の傾向とその該当馬を見ても、リピーターとはいえ今年の毎日王冠で一番血統傾向的に高く評価できたのは間違いなくダノンキングリーでした。

しかし私は「リピーターは血統注目馬として取り上げない」というルールを守り「本当はダノンキングリーを注目馬にしたいんだけどなぁ…」と思いながら注目馬として取り上げませんでした。

結果ダノンキングリーは2着。3着だったポタジェは血統注目馬として取り上げていたので、しっかりダノンキングリーも取り上げていれば血統注目馬でワイドが取れた視聴者さんも増えたかもしれません。

この出来事が大きく影響し、「リピーターは基本的に注目馬として紹介する優先度は下げるが、出走登録馬の中でもっとも高く評価できる場合については注目馬として取り上げる」というルールに今年終盤に変更しました。

実際、その後血統注目馬に取り上げられたリピーターは「ジャパンカップのコントレイル(1着)」「ターコイズSのアンドラステ(2着)」「阪神カップのダノンファンタジー(3着)」と複勝率100%の成績をマークしているため、リピーターについての取り扱い方を変えて良かったと思っています。


以上が2021年の血統チェックにあった変化です。

まとめると

~4月末 簡単な傾向のみ
5月~  「+α」の傾向導入
8月~  一部複勝率を導入
9月~  全ての傾向に複勝率&回収率導入
11月末~ リピーターも注目馬に

大きな変化は5月と9月なので、9月以降の血統チェックを「現形式」「現形式の血統チェック」と表現しています。

次に血統注目馬の成績を載せますが、「形式の変化」と「成績の変化」もあわせてお楽しみください。


血統注目馬の結果

血統チェック結果

注目馬の人気と着順はご覧の通りです。

※海外G1の血統チェックは今回除いています。

・指名頭数(回避や除外も含む):218頭
・最終的な出走数:204頭
・着度数→[17-19-16-15-16-121]
・勝率:8.3%
・連対率:17.6%
・複勝率:25.5%
・掲示板内率:40.7%
・単勝回収率:54.1%
・複勝回収率:69.9%
・単複回収率:61.4%

複勝率は25.5%と悪くはないのですが、回収率で見ると優秀ではないことがわかります。つまり血統注目馬の単勝or複勝のベタ買いは推奨できないと言えます。

ちなみに血統チェックが現形式になった9月以降の成績に絞ってみるとこうなりました。

・指名頭数(回避や除外も含む):90頭
・最終的な出走数:85頭
・着度数→[9-11-8-5-6-46]
・勝率:10.6%
・連対率:23.5%
・複勝率:32.9%
・掲示板内率:45.9%
・単勝回収率:77.6%
・複勝回収率:83.2%
・単複回収率:78.4%

全体的に数字は良化しています。勝率・連対率・複勝率はどれも十の位が変わりました。なので現形式に変えて正解だったと言えます。

回収率も通算成績よりは良化していますが、それでも100%には到達していないので、やはり血統注目馬の単勝or複勝のベタ買いは推奨できないと言わざるを得ません。また、血統注目馬が2頭以上馬券に絡むことは今年終盤でこそ増えましたが、全体を通してみると少ないので、注目馬のワイドBOXもあまり推奨はできません。


馬券への活かし方(血統注目馬編)

ここからは結果を踏まえて、今後血統チェックをどのように馬券に活かしていくのかを考えたいと思います。血統チェックは前半の「傾向パート」後半の「血統注目馬の紹介パート」の2部構成になっているため、各セクションごとに活用方法をご紹介します。

まずは血統注目馬編です。

①2歳重賞では単勝or単複ベタ買い
②3番人気以内or最も人気の馬を軸にする
③馬連の相手に入れる

これらの活用方法が良さそうだと思いました。それでは順に解説していきます。

①2歳重賞では単勝or単複ベタ買い

先ほど単勝や複勝のベタ買いは推奨できないと言いましたが、2歳重賞だけはベタ買いの方が良いかもしれません。

2021年の2歳重賞における注目馬の成績は

[6-2-2-17]
勝率:22.2%
連対率:29.6%
複勝率:37.0%
単勝回収率:207.4%
複勝回収率:92.6%
単複回収率:151.9%

となっていました。特に強調したいのは1着に関連するものの成績です。圧倒的に1着の輩出率が違います。単勝ベタ買いで2倍のプラスになっていますし、単複ベタ買いでも1.5倍のプラスになります。

特にアルテミスSのサークルオブライフ(7番人気/21.9倍)京王杯2歳Sのキングエルメス(8番人気/16.4倍)という2頭の穴馬の1着があったのが大きかったです。

他にも2歳マイルG1の2レース(阪神JF&朝日杯FS)でも勝ち馬を指名していました。(サークルオブライフもドウデュースも3番人気)

なので2歳重賞の時期になったら血統チェックの推奨馬を参考にしてみてください。

②3番人気以内or最も人気の馬を軸にする

続いては「比較的人気の馬だけを信頼する」という活用方法です。

今回、注目馬の回収率が全体で見ると100%に届いていませんでした。基本的に注目馬は現形式になってから3頭指名が多いため、複勝回収率をプラスにするためには1レースの複勝払戻を300円以上にする必要があります。

つまり複勝回収率がプラスになっていないということは「注目馬が複数馬券に絡むことが少ない」「穴馬を拾えていない」と言うこともできます。

そういった点から人気の馬を1頭選んで軸にする買い方をするのが良いと思います。目安としては「3番人気以内」「その中で1番人気がある馬」です。

※その中で1番人気がある馬
→注目馬に3番人気以内の馬がいない状態で、注目馬の人気が4番人気、7番人気、12番人気だったら4番人気の馬を選ぼう!ということ

特に現形式になってからは人気馬の指名が以前より増えたと思うので、現形式になってからの傾向を紹介します。

※現形式(9月以降)
「3番人気以内」or「その中で最も人気がある馬」の成績
[7-8-5-18]複勝率52.6%/連対率39.4%

以上の通り複勝率が50%を超えています。人気馬の複勝ベタ買いだと美味しくないと思うので、ワイドの軸にするのが一番いいのではないでしょうか。一応連対率もほぼ4割あるため、欲張りたい方は馬連の軸にしても良いかもしれません。

③馬連の相手に入れる

先ほどの①②と比べるとオススメ度合いは下がりますが、完全に欲張りたい方向けです。ただ、「馬連の軸選びに自信がある方」という条件付きです。

血統注目馬を何も考えずに紐に入れるというのはやりやすいですが、注目馬が3頭いるケースが多いため、ワイドの相手だとどうしてもプラス幅が少なくなってしまう可能性があります。「それでも良い!馬連をやるほど勇気はない!」という方はワイドの相手に何も考えずに入れるというのはアリだと思います。ただ、配当を考えると馬連の方が美味しいような気がします。

参考までに6番人気以降で連対した血統注目馬を列挙します。

・東京新聞杯:カテドラル(2着/12番人気)
→カラテ(5番人気)が軸なら馬連26,740円
・共同通信杯:ヴィクティファルス(2着/7番人気)
→エフフォーリア(4番人気)が軸なら馬連8,120円
・阪急杯:ミッキーブリランテ(2着/10番人気)
→レシステンシア(1番人気)が軸なら馬連5,830円
・中山牝馬S:ランブリングアレー(1着/7番人気)
→ロザムール(5番人気)が軸なら馬連6,440円
・京成杯AH:コントラチェック(2着/12番人気)
→カテドラル(7番人気)が軸なら馬連24,320円
・富士S:サトノウィザード(2着/9番人気)
→ソングライン(1番人気)が軸なら馬連3,340円
・アルテミスS:サークルオブライフ(1着/7番人気)
→ベルクレスタ(2番人気)が軸なら馬連4,870円
・京王杯2歳S:キングエルメス(1着/8番人気)
→トウシンマカオ(4番人気)が軸なら馬連7,450円
・福島記念:ヒュミドール(2着/6番人気)
→パンサラッサ(5番人気)が軸なら馬連4,470円

というように軸選びの腕は問われますが、配当を考えると一番ロマンがある活用方法だと思います。

ちなみに私は阪急杯でこの買い方をしてレシステンシア&ミッキーブリランテの馬連を200円分当てました。

こうしてみると穴をあけているのって芝のマイル前後が多いですね。何かあるのかもしれないので、このあたりもぜひ参考までに…


馬券への活かし方(傾向パート編)

続いては前半の「傾向パート」の活用方法です。

私の中では注目馬よりも「傾向パート」の解説をもとに馬券を組み立てた方が当たるのではないか…という説が出ています。

今回は事例を用いながら活用方法を紹介していきます。

意識する点としては

・着度数を良く見る
・人気による成績の違いを見る
・馬券への絡み方を見る

などが挙げられます。

まずはスプリンターズSの血統チェックを見ていきましょう。

スプリンターズ1

まずはこちらの傾向。ダノンスマッシュやレシステンシアといった人気馬が該当していますが、この傾向の該当馬は2着が多く勝ち切れていないことがわかります。これが「着度数を見る」ということです。

※「着度数」とは
→上記画像の[0-3-1-6]のことを指す。左から1着の数、2着の数、3着の数、4着以下の数を示す。

スプリンターズ2

続いてこちらの傾向です。この傾向の該当馬は人気馬が1着3回、穴馬が3着2回となっている傾向で、動画内でも「人気馬なら1着が期待でき、穴馬なら紐候補として注目できる血統です」という解説をしました。これが「人気による成績の違いを見る」ということです。

そしてこの傾向に該当する人気馬はピクシーナイトしかいませんでした。

このことからピクシーナイトを馬単の1着固定にし、2着が多い母父ダンジグ系に該当していた4頭(ダノンスマッシュ、ミッキーブリランテ、モズスーパーフレア、レシステンシア)に流す馬券を組み立てることが可能になります。

ご存知の通りピクシーナイトが1着、レシステンシアが2着という結果で400円が1910円になりました。回収率は477.5%です。

この時の血統注目馬はレシステンシアとラヴィングアンサーでしたが、血統注目馬だけを参考にしようとするとご自身の予想の腕(相手選びや軸選び)も問われることになるので安定しない可能性があります。

傾向パートを聞けば完全な血統傾向馬券を完成させることができるので、ブレは少なくなると思います。

では次にサウジアラビアRCの血統チェックを見ていきましょう。

サウジ2

複勝率が100%の傾向に1番人気のコマンドラインのみが該当していました。「人気サイドなら1着も期待できる」と述べていますが、何を根拠に述べているのかというと…

サウジ3

こちらは冒頭に出てくる過去5年で馬券に絡んだ馬たちの血統です。あわせて人気も載せてあります。「+α」の傾向は先ほどのスプリンターズSの時みたいに過去5年で馬券に絡んだ馬の人気も字幕で表示されますが、簡単な傾向はそれがありません。簡単な傾向についてはこちらの血統表をみればわかるため記載を省いて口頭での説明のみに留めています。

話を戻すと、父か母父がディープインパクトの馬が複勝率が100%です。上記の画像から、それに該当するのは2020年1着(3番人気)、2018年1着(1番人気)、2017年1着(1番人気)、2017年3着(6番人気)の4頭だとわかります。つまり3番人気以内であれば[3-0-0-0]の勝率100%ということになります。

コマンドラインは1番人気なので、このレースはコマンドラインの単勝1点で良かったわけです。実際単勝の払戻金も220円で回収率は220%です。

では最後に中日新聞杯の血統チェックを見ていきましょう。

中日新聞杯

ここでは「馬券への絡み方を見る」について解説します。画像を見ればわかりますが、2018年に1,3着、2020年に2,3着という馬券の絡み方をしています。つまり、「2020年と2018年は該当馬のワイドBOXで当たっていたのか~」ということになります。それを応用して「今年は該当馬が3頭しかいないし、じゃあ今年も該当馬のワイドBOXだ!」とワイドBOXに挑戦していれば今年はアフリカンゴールド(17番人気)とシゲルピンクダイヤ(10番人気)のワイドが的中していました…

ワイドBOX300円が26,870円になるという夢みたいなヒントがここに隠れていました…(当然私は買えてません)

今回のケースと逆の時も同様で、「毎年1頭ずつ」という馬券への絡み方をしていた場合はワイドBOXで買わず、馬連かワイドの相手に入れる方が適しています。

以上のように、血統注目馬だけでなく、前半の傾向パートの方が馬券的中へのヒントが隠されているケースも多いです。なので傾向パートを飛ばして血統注目馬の紹介だけ見ている方はこれを機に傾向パートも見るようにしましょう()

ただ、毎回ヒントが隠されているわけではありません。例えば中日新聞杯のケースでも2021年は該当馬が3頭だけだったため、ワイドBOXという発想が出たわけですが、該当馬がもし6頭だったら馬券に活かすのはなかなか難しいと思います。なので毎回参考にするのではなく、様々な条件が噛み合った時に参考にするようにしてみてください。


おわりに

以上が2021年の血統チェックの結果及び来年以降の馬券への活かし方でした。2022年も引き続き血統チェックを投稿していく予定なので、少しでも皆さんの馬券的中の参考になれば幸いです。

※あくまで「血統傾向」という1つの観点でしか分析していません。「的中を保証するものではない」「馬券購入は自己責任&無理のない範囲で」というのはお忘れなきようよろしくお願いします。

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