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【治療評価】がん剤治療における評価3選

昨日後輩薬剤師に
「薬歴のアセスメントに書いてあるFOLFOX+BEV療法SDって何ですか?」
って聞かれ、「洒落にならんぞ薬局薬剤師!」と思ったので
薬局薬剤師も知っておいたほうが良い評価3点を独断と偏見の基、
簡単にまとめてみました。
(CTCAE分類も入れたいのですがそれをやるとボミューミーすぎるので割愛)

私が思う薬局薬剤師でも知っておくべき評価項目は以下の3点です。
・Perfomance Status(PS)
・RECIST分類
・有効性評価(OS、PFSとか)

1項目ずつ分けて大まかな分類説明をしていきます。

【Performance Status(PS)】

カタカナ読みで「パフォーマンスステータス」と読むやつです。
基本的にはアメリカのECOG(米国東海岸がん臨床試験グループ)が設定した分類にて患者の全身状態を評価する項目です。
この項目は「PS0~4」の5段階に分類され、数字が低いほど
『患者の全身状態がいい=抗がん剤治療を行いやすい』
と考えて差支えない治療です。逆に数値が悪いと抗がん剤治療の有害事象に耐えられない状態と考えられるので薬剤の減量・治療の中止を検討する必要があります。
細かい分類は以下に示すとおりです。

図1:PS分類

使用する抗がん剤にもよりますがPS0~2までなら治療は減量や休薬といったon-offを繰り返しながら行えますが、PS3以上だと忍容性がなく治療を行うことができない状態といっても差し支えありません。

患者は
「抗がん剤治療はつらくて当たり前」
「病院の人にきついなんて言えない」
と薬局でのみ聞かせてくれる話もあるので是非ともPSの評価方法について知っておいてください。そして服薬指導時には日常生活の状況を評価し、必要に応じて処方元へ情報提供書を作成できるようにしておくといいかもしれません。

【RESIST分類】

文頭に書いたSDとかその辺の分類のやつです。
一言でまとめると『固形がんの治療効果判定』です。
大まかに分けると
・CR(完全奏功:Complete Response)
・PR(部分奏功:Parital Response)
・PD(進行:Progressive Disease)
・SD(安定:Stable Disease)
の4つからなります。詳細は以下の表のとおりです。

図2:RECEST分類

これを参考にすると文頭に記載した薬歴アセスメントの
「FOLFOX+BEV療法SD」というのは
「FOLFOX+BEV療法でがんが悪化せずに安定しているよ」
ということになります。
略語を知らない人がいる店舗で使用するのは賛否分かれると思いますが、
『薬歴時間短縮+なんでレジメン変更になったのか』
後追いするのにも有用なのでぜひ知っておいてください。

【有効性評価】

これは論文を読む上で重要になる評価項目です。
薬局薬剤師が薬歴や患者指導業務で使用することはほとんどありませんが新しい治療方法が出たときに原著論文読めないとまずいと思ったのでまとめました。

本評価方法は以下の4項目分類されます
・OS(Overall Survival:全生存期間)
・ORR(Overall Response Rate:全奏効率)
・DFS(Disease Free Survival:無病生存期間)
・PFS(Progession Free Survival:無病悪生存期間)

他の表と同様にまとめると大体以下のとおりです。

図3:有効性評価まとめ

あくまで他薬剤師さんから聞いた限りの話になりますが、
「PFSがよくてもOSが他の治療と比較して有意差ないと承認受けることができないことがある」らしいです。
最近は患者さんも自分で治療方法とか調べて細かい子と質問してくることが多い気がするので、薬局薬剤師も知っておいた方がいい項目だなーっと思ってます。

【最後に】

本日は独断と偏見を基に薬局薬剤師も知っておいてほしい評価方法3つに絞ってまとめました。この評価方法はがん治療だけではなく他疾患の際にも重要になる指標ですので是非覚えておいてください。

文頭でも記載しましたが、今度は有害事象評価項目であるCTCAEについてまとめる予定ですのでよろしくお願いします。

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