分子標的薬の一般的な命名法と特徴
今回は分子標的薬の一般的な命名法をまとめておきます。
(本音を言うと私が完全に忘れてたので見直しのために作成しました…)
分子標的薬の一般的な命名法
語尾の名前の付け方が…
~ib:阻害薬
~mab:モノクローナル抗体
1.~mo+mab:マウス抗体
2.~xi+mab:キメラ抗体
3.~zu+mab:ヒト化抗体
4.~u+mab:完全ヒト抗体
『~ib』の薬はクリゾチニブ、アファチニブなどが該当します。
モノクローナル抗体と比較すると小分子化合物です。
『~mab』の薬は以下のような薬が該当します。
1.イブリツモマブ(~mo+mab)
2.セツキシマブ(~xi+mab)
3.ベバシズマブ(~zu+mab)
4.パニツムマブ(~u+mab)
抗体の構造
イメージを作りやすくするためにまず抗体の復習です。
簡易図ですが抗体このようになってます。
この可変領域にある相補性決定領域によりターゲットとなる抗体が
変化します。厳密には異なりますが、以下の文書からは
相補性決定領域=抗原結合部位として記載します。
構造上の違い
1.マウス抗体:すべてマウス抗体由来
2.キメラ抗体:抗体の可変部がマウス抗体由来
3.ヒト化抗体:抗原結合部位がマウス抗体由来
4.完全ヒト化抗体:マウス抗体由来部位がない
先ほどの図でいうと、オレンジ部位と青部位が下の表のようになります。
特徴
最も覚えておいてほしい特徴は
『原則、マウス由来が多いほどinfusion reactionが起こりやすい』点です。
つまり、
マウス抗体はinfusion reactionが起こりやすい
完全ヒト抗体はinfusion reactionが起こりにくい
ということです。
このことを頭に入れておけばinfusion reactionの前処置を行う必要性が
あるかどうか覚えやすくなるのではないでしょうか。
今回の記事は以上です。
今後まとめてほしい内容や聞きたいことがあれば是非コメントください。
最後までお読みいただきありがとうございました。