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プラバンの話 Part3

執筆: Taku_Kelly

間が空いてすまんかった

いやぁ。こんなにも記事が書けないとは思わなんだ(´・ω・`)
大学院試で時間が無かったのでな…。

ついでに言えば、今夏の北大プラモ部部内コンペのレギュレーションに進捗UP禁止というものがあって、これでスクラッチは進んでいるのに記事が書けないという事態になってしまった。
コンペが終わったらレイウッド製のスジボリツールのレビュー記事も出す予定です。もうしばらくお待ちくださいな~。

今回はそんなこんなで過去作を用いて箱組の限界に迫ってみようかと思います。

箱の表裏

ズバリ今回のテーマは、過去に基礎として説明した箱組の応用です。
箱組って強度とかを考えると、箱の内側はあまり使いたくないと思います。(補強は大切!)

ところが、時として箱の表裏全てを使わないといけないモチーフも存在します。

「な、な、な、なんだってぇ~~!」

タミヤHPより
タミヤHPより

こういう駆逐戦車や自走砲などがよくある例ですね。
そう考えると結構多いかも?

全てのオープントップ(屋根が無い)車両にキットがあれば良いんですがね~

今回作るのはこんなドマイナー兵器

WarThunderより

スウェーデン陸軍が開発した試作駆逐戦車、Pvkv2です。
1950年ごろ、旧式化した38tをどうにかして使うためにいじった結果生まれました。砲はBofors75㎜高射砲を改造。(結局この砲が量産できなくてうまくいかなかったらしい)
後述の画像を見ればわかる通り、オープントップ車両に属しますね。

車体は38t軽戦車を改造した物ですのでタミヤのキットを改造するのが手っ取り早そう。

いやぁ良い箱絵だ(タミヤHPより)

砲塔はプラバンで作るほかないでしょう。こういう形状は3Dプリンターよりも歪みにくいプラバンの方が頼りになります。

結果として、車体=タミヤ、プラバン=タミヤ、よってタミヤ製になりました。

本題

後ろ

この砲塔、めちゃくちゃ面倒な多面体だと思いませんか?
前回、複雑な箱組も基準面を決めて垂直に伸ばせばOKなどと書きましたが、こいつには通用しません。赤や青で塗った所はどうしたらいいんだとなります。

うっ
基準となる垂直がほぼ無い…だと!?

しかも裏側から補強としてパテをモリモリにしようにも、裏側にはむき出しの乗員座席があり、実車通りに作るなら補強はほぼ許されない超高難易度っぷり(´;ω;`)

レッツファイト

基本に忠実に垂直面を作る事から始めましょう。
砲塔床面を基準面として始めると、

ここくらいまでは下面に対して垂直ですし、安心できる接着強度でいけますね。

斜めの面で一番イメージしやすい面ってどこでしょうか?皆さんならどうしますか?

この二つは角度さえ掴めればまぁ問題はないでしょう。
何故なら、赤は傾斜があるだけで比較的単純な形状で、青は接辺が4つあり、直角(赤と青の面の接点)も存在するためです。

マウスで書くとこれが限界

強度を考えて斜めの面では、接着面をこのように斜めにヤスる事で接着面を増やしましょう。
これをしないと今回は崩壊します…というか一度崩壊しました(笑)

鬼門

ここだけは5回ほど作り直す羽目に。

うへ~

いびつな四角形なので、「各辺を正確に採寸すれば全てのなす角が固定できる」…と思ったのですがいくら正確に採寸できても寸分違わずに切ることができるかは別問題。なかなかぴったりはまりませんでした。
最終的に少し大きくできてしまった物を削り込んで合わせました。

完成

流石にパテ要らずとはいかないので溶きパテで埋めました。

大きく感じるけど寸法はあってるよ

出来ちゃった…!
意外と何とかなるもんですね~
ここからはディテールアップすればいいだけなので楽ですね。

ディテールアップ

元々の砲塔と比較すると、とんでもない巨大化っぷりがよくわかる

ささ、塗りましょう!

この頭でっかち感…やはり好きだ!!

るまごんだによる撮影

塗ってしまえばスクラッチだなんて思われないほど堂々とした姿になります。
プラバンの地が見えている状態も結構好きですが、個人的には塗装後の化け切った姿を見るのが好きです。

内側にも情報を詰めてみたり

オープントップ車両ですからね、中身は見せてなんぼですよ。
見られて困らない程度に作りこまないといけないとも言いますg…

砲のディテールは親戚関係にあるドイツの8.8cm高射砲を参考に

砲弾とか空薬きょうとかがあると、萌えポイントがアップします。

足跡なんかも足してみたり

とまあ駆け足でPvkv2を用いて多面体のスクラッチについて紹介してみました。

いかがだったでしょうか?
正直そんなに出番がねぇよという人も多いと思いますが、いつか遠い未来にでも皆さんの役に立つ日が来ればいいなと思っております。

素晴らしいキットです。今度は改造なしで楽しみたいですね。

砲身はパイプを繋ぐことで作り放題です。ガンプラの武装スクラッチなどでも必ず役に立つと思います。↓


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