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「派遣社員はやめとけ」は真実

これは自分が派遣社員をしていたころのお話。
JTCといわれる大きな会社に派遣されたときのこと。

突然辞めた氷河期世代のS君

その会社は4人のバブル世代の正社員と、1人の氷河期世代の派遣社員で構成されていた。とても歪な年齢構成といっていいだろう。

氷河期世代の派遣社員は30代後半の男性で、しっかりもので気配りもでき、他部署からいつも頼りにされ、代表電話にかかってくるクレームの電話は率先して受ける、そんな人物だった。

彼をS君と呼ぼう。S君は「この会社で正社員になりたい」と常々話しており、派遣期間も丸2年を超え、そろそろ派遣法の3年ルールに抵触する時期に差しかかっていた。

ところが、そんなS君が突然、何の前触れもなく辞めた

バブル世代の総務課長は、「もう~、なんで突然やめちゃうの?」と戸惑っていた。しかし、全く悲しんでいる様子はなかった。

使い勝手と使い捨て

そもそも、なぜS君が突然辞めることになったのか不透明すぎる。自分もS君と別部署とはいえ、同じ派遣社員の立場であったので、派遣先に対する強い不信感が芽生えた。

後日知ったことだが、派遣法の3年ルールを考慮し、S君を正社員にするかどうかの検討会議が開かれていたらしい。で、協議の結果、S君を正社員にはさせない、との結論に至ったそうだ。

ショックを受けたS君は「だったらもういいです。契約満了まで残り1カ月、有給消化に入らせていただきます」と話し、突然会社に来なくなった。

部署で一番働いていた人間が突然辞めたのだから、誰が彼の業務をやるのかで、部署内が荒れた。しかし、すぐに、あっという間に新しい派遣社員が来ることになった。

企業にとって、派遣ってなんと使い勝手のいい存在だろう。代わりなんていくらでもいる。派遣先に逆らうものなら即契約満了。人材の使い捨て。

会社側は、S君の正社員になりたいという淡い期待を利用し、使い勝手のいいS君をずるずると契約満了まで使い倒し、最終的に「正社員はむり」と突っぱねた。

S君にしてみたら、「そりゃないよ」って気持ちだろう。だったらもっと早く回答してほしかっただろうに。

回る回るよ、組織は回る

しかし、悲しいかな、S君が来なくなっても、会社はなにも変わらない。部署に残ったのは働かない4人のオジオバ、そしてS君の代わりの派遣社員。

派遣社員の穴は派遣社員で埋めるんだな。

新しい派遣社員が、粛々と、働かない正社員の代わりに働いている。

なにごともなかったかのように組織は回っている。


日本では正社員という雇用形態は守られている。残念ながら、どんなに働かない、使えないオジオバでも、派遣社員の2.5倍の給料をもらいながら、席を陣取っている。

仕事をしないくせに、「責任のある仕事を派遣にやらせるべきでない」と不満ばかり口に出している。

なんなんだろう、この国の雇用って。。。


バブルという時代の恩恵を受け、正社員という既得権益の上に胡坐をかき、氷河期世代に席を譲らない。

優秀で仕事にまじめなS君が職を失い、生産性なんて言葉と無縁なところにいる働かないオジオバが正社員として守られ、毎月多額のお手当てをもらっている矛盾だらけの世の中。

ああ、なんと不公平な世の中だろう。


でも、彼、彼女らにとってはおいしいポジションだから、必死でしがみつくんだろうな。

この放送が真実を物語っている。

理不尽を一手に引き受ける派遣社員という働き方は辞めよう


それにしても。。。

この出来事から、派遣なんて絶対やるもんじゃないってことがよくわかった。

自分を弱者の立場に置くのは「自分いじめ」だ。

でも。。。

悲しいかな、これから日本はどんどん衰退していくことは確定している。
嫌でも弱者の立場に追いやられる。そしてその確率は上がっている。

でもお願いだ。

だったら働かないオジオバにも制裁を与えてくれ!!

切実に願う!


ああ、むなしく無力な独り言を言ってしまった。


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