渋好み
こんにちは。ゆりりうすです。
毎日毎日、暑いですね。外でセミも大声で鳴いていますよ。この異常な温度でなければ、ザ·夏って感じです。
こういう時、父が生きていればおいしい冷や汁を作ってくれたのになあ、と残念でなりません。夏は食欲が無くなるので、子供の頃冷や汁などで体力を温存していました。
と言ったところで、本日のお話は「渋好み」です。
何の渋好み?と思われたあなた!まあ、大体何でも同年代の人達よりも渋い物が好きなのですが、特に食べ物!これに私の情熱が注がれます。
私の家は両親共に飲んべえだったので、食卓に出てくる食事が自然と酒のつまみに向いている物が多くなりがちでした。その上、父は梅干し、母はらっきょうを毎年漬けていたので、それも子供の時、本当に楽しみでした。
もちろん、他の子供同様にお菓子も食べていましたが、でもあんこや生クリームみたいに甘さがくどい物は食べられませんでした。胸にグッときちゃうんですね。旦那の実家の福岡の言葉で言うと「あー、ドッキリした。」といった表現になります。
しかし、前にも書きましたが、私は子供の頃すごく好き嫌いが多くて、特に子供が好きそうな食べ物がちっとも好きじゃなくて苦労しました。
今では何でも食べられるんですけどね。
えっ、人参が食べられなかったのでは?という最初の方から読んで下さった方、ご安心下さい。人参、克服出来ました。娘のお陰なのですが、それはまた別の回でお話しますね。
で、そうそう、今と違って食も細かったので、子供時代を知っている人は、ゆりりうすってガリガリというイメージを持っている人がほとんどだと思います。
そんな好き嫌いも多くて、食も細いゆりりうすを救ってくれていた食べ物達が、もう渋い。あんたいくつ?のオンパレードです。
まず、大好きなのは漬け物全般。どんな漬け物でも、モリモリという勢いで食べます。駅弁で一番楽しみだったのが、端っこにちょっと付いている漬け物だったというくらいです。
昔、子供の頃スキー場の宿で、長野県に行っていた時、長野なので、各テーブルの上に小梅と野沢菜漬けのガラス鉢があったんですね。ゆりりうすは、その小梅と野沢菜漬けをペロリと平らげるので、宿のおじさんに「ゆりりうすちゃん、全部食べちゃ駄目だよー。」って笑われていました。そういう子供って珍しかったんでしょうね。
それから、父の漬ける梅干し。毎年その時期が来ると、父も私も待ちきれなくて、まだ漬け始めたばかりの少々青い梅でも、二人でつまみ食いをして母に叱られていました。確かに青い梅はお腹に悪いんですけど、でもね、まだ少ーしフルーティーで何とも言えない美味しさがありました。
漬け物も古漬けの酸っぱくなり始めた物の方が好き。浅漬けでも悪くないんですけど、酸っぱくなった古漬けでお茶漬けを掻き込む幸せを手離すことなんて出来ませんでした。
それと、父に教わった夏みかん(酸っぱいの)に、さらに重曹をつけて食べるのが好きで、お陰で小学校低学年から歯がちょっと溶けていました。友達に「歯、どうしたの?」と聞かれると、恥ずかしいので「折っちゃった。」とごまかしていました。でも、今考えてもいかにも歯に悪そうで、歯医者さんに怒られますね。
おやつも、特に母が用意していない時は、きゅうりやトマトなどを冷蔵庫から勝手に持ち出して、自分の部屋に持って行き、それを噛りながら本を読んでいました。梅干しもしかりで、ある日、母が私の部屋を覗いたらベッドの上の細いテーブル(?)に梅干しの種が20個程並んでいて、ビックリしたそうです。
そうして並んでいた種は中を食べなかった物で、たいていは梅干しの種をガリガリ噛んで割って、中の天神さまを食べるのも大好きでした。前にテレビで、松田優作さんの娘さんのまつだゆう姫さんが、やっぱり天神さまを食べる方だったので「奥歯がボロボロ。」と言っていました。分かります。同じです。また歯医者さん案件です。
母は毎年、らっきょうを漬けていました。私はこれも大好きで、やっぱりしっかり漬かるのを待ちきれなくて、浅く漬かったらっきょうを刻んで、ちょっとだけ味の素をかけて、ちょっとだけ醤油を垂らして食べていました。これもお茶漬けが最高でした。
兄はらっきょうが大嫌いで、らっきょうのビンにドクロマークを張ってくれ、と言っていました。
お寿司も、子供だから玉子焼きかカッパ巻きでいいんだろう、はダメです。まず、お寿司屋さんの玉子焼きって何であんなに甘いんでしょう?家の玉子焼きはだしと塩だけだったので、甘い玉子焼きがお米に合うなんてちっとも思えませんでした。カッパ巻きは嫌いじゃないけど、ウニ、イクラ、数の子、貝類のお寿司が好きで、お金の掛かる子供で悪かったなー、と思います。
あと、結婚してから食べられなくなったのは、くさやの干物です。旦那や子供達に嫌がられるので、食べられなくなりました。本当は今でも夢に見るほど大好きで、これを焼いてさいた物をご飯の上に乗せて、お茶漬けで食べるのが好きでした。いや、私ほとんどお茶漬けだけで生きていたな。
作家の椎名誠さんも、くさやが大好きだそうで(本に書いてあった)、今に一緒に食べる仲になりたいものです。椎名さん、ラブコールですよー。
漬け物が好きだから、自分で漬けるかと言えば、そうではないので、ひたすら美味しい漬け物を求めてさまよい歩く日々です。
ところが、こんな食の好みなのに私はお酒がほとんど飲めないのです。だから、美味しい居酒屋に行くことがほとんど無くて、たまーに友達なんかと飲みに行くと、すかさず漬け物の盛り合わせともずく酢を頼みます。
もずく酢の美味しさを知ってしまったのは、小学生の時に行った沖縄で、でした。基本的に酸っぱい物が好きなのかな。果物でも、プラム類とか、酸っぱいみかんとか、金柑とかが好き。冬の甘ーくなったみかんなんかには目もくれません。
その漬け物でさまよい歩く私は、次男が修学旅行の京都で買ってきた「桜漬け」をついうっかり一人で全部食べてしまい、未だに嫌みを言われます。7年以上も経つというのに。今年、娘が秋に修学旅行なので、「桜漬け」を二袋頼みました。
実は、旦那の実家の福岡の家には私にとってのお宝、漬け物、梅干しがザクザクありました。あちらの旦那の妹達も旦那も、その子供達もちっとも漬け物、梅干しに興味がないので(もったいない!)、私にお鉢が回って来ます。梅干しは、シソの赤が強い大きな柔らか目の酸っぱい梅干しで、大好きなタイプです。
そして漬け物。そう、福岡なので当然ここは高菜漬けです。でもですね、食べてビックリしました。東京で食べている高菜漬けと全然違うんです。ぬかにも漬けた感じだし、鷹の爪も入っている。こんな高菜漬けは初めてだったので、もう他の高菜漬けが食べられなくなりました。お義母さんの友達が漬けた物で、この独特な高菜漬けの虜になりました。持って帰ることもあるし、送ってもらうこともあります。沢山もらった時は、キッチンで、その高菜漬けを小分けにしてからフリーザーパックに入れて、冷凍室で保存です。これでしばらく安心です。
ずっと前に長男のパパ友(飲んべえ)に分けてあげたら、その人は次にいつ福岡に行くのかを聞いてきました。気に入ったようです。
このように渋い物が好きなゆりりうすは、70歳以上の人ととても食の話が合います。ゆりりうすの年代はまだ渋くなっていないんですよ。こうして、年配の方と交流を深めるゆりりうすです。
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