Kitano Makoto

Kitano Makoto  シンガーソングライター

Kitano Makoto

Kitano Makoto  シンガーソングライター

記事一覧

しあわせは単純

スパゲッティにじゃがいものサラダ 今日 古着屋で気に入ったTシャツ 見つけて買った 飼い慣らした過去が時々暴れても 一緒にいられるならそれはそれでいい しあわせは単…

Kitano Makoto
7日前

生活(くらし)

読みかけた本のページ 閉じるように目を伏せて 半分にちぎった消しゴムで 互いの落書きを消している ○でもない ×でもない 君が 僕が 止まらないメトロノームのよ…

Kitano Makoto
1か月前
1

メシを食らう

僕には癖がある。行動するたび周りに許可を求めるような言葉を発する癖。 「さあ、あと10分したら風呂入ろかな」とか「唐揚げはサラダを食べてからがいいかな」とか、どう…

Kitano Makoto
2か月前
1

手紙

もしも君が風なら そっとキスしておくれ ぼくはそのくちびる 目を閉じ確かめる 書けなかった手紙を 破り空に投げ 風を抱きしめる もしも君が風なら そっとキスしておく…

Kitano Makoto
3か月前
2

やさしくしないでおくれ

やさしくしないでおくれ そんなの慣れてないから 余計なお世話だと突っぱねてしまう  そのくせたまらなくなって 君の前でわざところんで 顰めっ面で空を見てる やさしく…

Kitano Makoto
4か月前
1

君はいい人

君はいい人 やさしくて 僕を勇気づけてくれる 励まされ 叱られて 僕は誰かになろうとした 君はいい人 一生懸命で 美味しいパイを焼いてくれる でもごめん パイは好…

Kitano Makoto
4か月前

嘘つきのポー

嘘つきのポー 嘘つきのポー 今日も学校でいじめられた帰り道 いつものことさ心が喋り出す うちが大金持ちだったら運転手さん付きの そうだでっかいバスに乗って学校へ行…

Kitano Makoto
4か月前
1

一人で行けばいい

こんな言葉、親から言われたことはない? 「言うこと聞かないなら出て行け!」って 衣食住が自分でままならない子供にこの言葉は 「生かすも殺すもこちら次第なのよ、嫌…

Kitano Makoto
4か月前
2

Mow so

妄想癖があるのだけれど、というより自分の妄想癖に気付いてしまった!まいった... 「Mow so」 長い夢から醒めた 半開きの目に映るのは 請求書の山と 離婚届 慌てて夢の…

Kitano Makoto
4か月前
1

約束

最近は自分を振り返る事が多いんだよね、遠い昔の海に舟を浮かべるように 「約束」 遠い昔の海へと 舟を漕ぎ出した 海に映る月を掬い取ろうとして ヘリを打つ波音は 君…

Kitano Makoto
4か月前

ふたり

久しぶりのラブソング 曲作りを始めた頃の高校生に戻ったような気分で作った曲 結構気に入って家で何度も歌ってる 「ふたり」 部屋の窓から 雲が行くのを 君とふたり…

Kitano Makoto
4か月前
1

自虐的なのか、いや、血を見るのが怖いんだな、きっと。 「棘」 刺さった棘が痛い 紛らわせようと 違うところに自分で別の棘を刺す 棘だらけじゃあ 最初の痛みがどこ…

Kitano Makoto
4か月前
1

長い夢

遠い昔の夜に 海に船を出した 水面に映る月を掬おうとしてね 闇は甘く 嘆きを吸い込んで ヘリを打つ波音だけが残った 忘れた約束を思い出した 見上げた空の月  夢…

Kitano Makoto
4か月前

二人の自分

「人は幸せになるために生きている」 僕は幸せになりたいのだろうか? 当然そうさ、そうにきまってる 一つの家に被害者と加害者が一緒に暮らしてる 被害者の自分は憤り…

Kitano Makoto
5か月前
1

奈良少年刑務所詩集より 「一方通行」

奈良少年刑務所に収監された少年達が書いた詩が出版されている 作家の寮美千子さんの教室から生まれた詩集。 ぼくはこの詩達に出会い、 もう触ることもないと思っていた…

Kitano Makoto
5か月前
2

Tight ropeがリフレインする

ある日ひどくぶつけて腫れ上がり、痛みがひいても太くなったままの僕の左手の薬指。 外した指輪は机の引き出しの中 きっともう元には戻らない 誰もが想い描くようなサザ…

Kitano Makoto
5か月前
しあわせは単純

しあわせは単純

スパゲッティにじゃがいものサラダ
今日 古着屋で気に入ったTシャツ
見つけて買った

飼い慣らした過去が時々暴れても
一緒にいられるならそれはそれでいい

しあわせは単純だ

むづかしくしてる自分

生活(くらし)

読みかけた本のページ

閉じるように目を伏せて

半分にちぎった消しゴムで

互いの落書きを消している

○でもない ×でもない 君が 僕が

止まらないメトロノームのように
鳴っているけれど

生活は続く 

Vous êtes toujours là.

Non avant Non avant

メシを食らう

メシを食らう

僕には癖がある。行動するたび周りに許可を求めるような言葉を発する癖。
「さあ、あと10分したら風呂入ろかな」とか「唐揚げはサラダを食べてからがいいかな」とか、どうでもいいようなことをいちいち確認するように言うのだ。
 それは自分の存在を言い訳しているみたいに
「いやあ、なんで生まれて来てしまったんですかね、生きてていいんですかね」みたいなことと似ている。いいよ、大丈夫と言って欲しがってるんだなたぶ

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手紙

もしも君が風なら
そっとキスしておくれ
ぼくはそのくちびる 目を閉じ確かめる

書けなかった手紙を
破り空に投げ
風を抱きしめる

もしも君が風なら
そっとキスしておくれ
今日までの哀しみが 溶けていくから

空に投げた手紙の 切れっ端にあった
誰が書いたのか 君の名前

僕は手を伸ばす
六月の朝 生まれた風に

やさしくしないでおくれ

やさしくしないでおくれ
そんなの慣れてないから
余計なお世話だと突っぱねてしまう 

そのくせたまらなくなって
君の前でわざところんで
顰めっ面で空を見てる

やさしくしないでおくれ
君が好きになりそうだ
やさしい君の悲しみを知らず

それでもたまらなくなって 
君にキスをしたら
僕は泣いてしまうだろう

君はいい人

君はいい人 やさしくて
僕を勇気づけてくれる

励まされ 叱られて
僕は誰かになろうとした

君はいい人 一生懸命で
美味しいパイを焼いてくれる

でもごめん パイは好きじゃない
言えなくて 無理をして食べていた 

君はいい人で僕はダメなやつ
君はいい人だけど僕は他の誰かにはなれない

君はいい人 わかってると言ってくれる
けれど僕には自分がわからない

どうしたい?って聞かれて
少し考えて答え

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嘘つきのポー

嘘つきのポー
嘘つきのポー

今日も学校でいじめられた帰り道
いつものことさ心が喋り出す

うちが大金持ちだったら運転手さん付きの
そうだでっかいバスに乗って学校へ行こう

みんなを乗せて
海に行こう
授業なんかほっぽいといて
海に行こう

嘘つきのポー
嘘つきのポー

誰もいない家はシンとして
いつものことさ心が喋り出す

今頃パパは会社終わって釣具屋で
竿とリールを買ってるに違いない

明日の

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一人で行けばいい

こんな言葉、親から言われたことはない?

「言うこと聞かないなら出て行け!」って

衣食住が自分でままならない子供にこの言葉は

「生かすも殺すもこちら次第なのよ、嫌なら死になさい!」て言うことだよね。

親子が似てたらまだなんとかなるかもしれないけど管理タイプの親〜こんなこと言うのはだいたいそうだけど〜からそう言われても自由がなにより大切な僕には「はい」とは言えなかったから可愛げがないとよく言わ

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Mow so

妄想癖があるのだけれど、というより自分の妄想癖に気付いてしまった!まいった...

「Mow so」

長い夢から醒めた
半開きの目に映るのは
請求書の山と
離婚届

慌てて夢の入口を
探しても見当たらない
時間の残骸で
散らかった部屋

あんなにもキレイだった
何もかもが色褪せて
おしゃべりだった心も
今は黙り込んでいる

Mow so

肩を叩く人も
そういえばいたっけな
夢に酔った俺は
気に

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約束

最近は自分を振り返る事が多いんだよね、遠い昔の海に舟を浮かべるように

「約束」

遠い昔の海へと
舟を漕ぎ出した
海に映る月を掬い取ろうとして

ヘリを打つ波音は
君を呼ぶオレの声
それとも君の泣き声

忘れていた約束

月の上で俺たち 
思うまま踊った
寸分違わぬステップで 
飽きることのないダンス

けれど...
けれど太陽を怖れたオレが
君の手を離した...

水平線の彼方からやって来る

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ふたり

ふたり

久しぶりのラブソング 曲作りを始めた頃の高校生に戻ったような気分で作った曲 結構気に入って家で何度も歌ってる

「ふたり」

部屋の窓から 雲が行くのを
君とふたり見ていた
明日の糧も 夢さえも
僕達にはいらなかった
そして静かに抱き合って
時の渦を漂った

傷の痛みも 暴れる欲望も
君といれば無力だった
幼い心はそれ以上何を
何を望んだのだろう
君を失ってずっと一人
待っていた
会いたいよ サヨ

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自虐的なのか、いや、血を見るのが怖いんだな、きっと。

「棘」

刺さった棘が痛い

紛らわせようと

違うところに自分で別の棘を刺す

棘だらけじゃあ

最初の痛みがどこだったかのか

わからない

読んでくれてありがと

長い夢

遠い昔の夜に 海に船を出した

水面に映る月を掬おうとしてね

闇は甘く 嘆きを吸い込んで

ヘリを打つ波音だけが残った

忘れた約束を思い出した

見上げた空の月 

夢から醒める

ふやけた手で俺は踊ろう

曲がった腕で俺は踊ろう

萎えた足で俺は踊ろう

船が彼の岸に着くまで

風に任せて 踊ろう 踊ろう

二人の自分

二人の自分

「人は幸せになるために生きている」

僕は幸せになりたいのだろうか?

当然そうさ、そうにきまってる

一つの家に被害者と加害者が一緒に暮らしてる

被害者の自分は憤りながら謝罪を求め

加害者の自分は赦しと罰を求め...

ねえ、僕たちきりがない

別々に暮さないか?

そうしたら上手くいくように思うんだ

と、どちらからともなく言い出した

奈良少年刑務所詩集より 「一方通行」

奈良少年刑務所詩集より 「一方通行」

奈良少年刑務所に収監された少年達が書いた詩が出版されている

作家の寮美千子さんの教室から生まれた詩集。

ぼくはこの詩達に出会い、
もう触ることもないと思っていたギターを
手にとった

もう一回 歌ってみようと思った

一方通行

  なんでなん?

  聞いても 返事は来やん

  教えてほし

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Tight ropeがリフレインする

Tight ropeがリフレインする

ある日ひどくぶつけて腫れ上がり、痛みがひいても太くなったままの僕の左手の薬指。

外した指輪は机の引き出しの中

きっともう元には戻らない

誰もが想い描くようなサザエさんの幸せに、憧れてる時点でもうはみ出しているんだって、なぜ早く気がつかなかったんだろうか

次こそは上手くやろうと熱が出るほど考えるけどまた同じことを繰り返すのは諦められないから?

そう僕は対岸の見えないロープを渡るサーカスの曲

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