ただそこにあるだけで
ここ数日、一枚の葉がみるみるうちに黄色くしなしなになってきて、ああこの葉が精一杯蓄えたパワーを蕾に送っているのだな、あまりがんばりすぎないでと思っていた。
今朝見た時は、一番根に近い蕾が相当膨らんで、少し黄色がかっているような気がした。枯れないといいけど、でも気のせいかなとも思った。
その後お昼に通りがかったら、あれ様子が違う!向こう向きに薄いグリーンがかった花びらが開いていた。朝見た蕾が開いていた。後ろから見たので花びらというより、花弁といった方が適切な気もした。こんなに一度に”花”開くとは!朝はまだ丸く閉じていたのに。
私同様生まれ持った気質が水瓶座的なへそ曲がりなのか、見事に向こうを向いている。ずっとそこに同じ向きに置いていたから私がいつもどちらから見ているかわかっていると思うけれど、それでも敢えて向こうを向いて咲いた。だから私はそれを尊重したくて鉢を動かすことなく向こう側に回って最初の挨拶をした。
去年は咲かなかったので、久しぶりだねという気持ちと、でもこのお花は初めてこの世に出てきたわけだからはじめましてかなという気持ちと。
その後また数時間して見てみたらさらに花弁が開いていた。ずっとそこにいて見ていたいくらい。私がいない間に何が起きているのか不思議である。
せっかく花開いたのだから、こちら側に向けて、いつも愛でられた方が嬉しいのかなとか、でもやっぱり敢えて向こうを向いて咲いたのだからそのままにしてあげた方がいいのかなと迷ったが、結局そのままにした。
写真を撮る時だけこちら側に向いてもらったけれど。
小学生の時に、枯れかかったクジャクサボテンにお水を遣りつづけてある日突然ピンクの花が満開になったことを急に思い出した。
生きる底力ってすごいな本当に思う。
ただそこに在るだけでその存在が美しい。
もちろん花開いた今は美しい。
それと同じかそれ以上にここ数日の葉から蕾への力の伝達が美しく、生きる力をひしひしと感じさせてくれた。
生きていることはそれだけで素晴らしい。
ありがとう。