基礎。伝えたかった事
自粛明けのどのクラスも基礎動作に時間を費やしています。
カラダメインで動作を指導していくと、多くの方は手先、足先で動いていることがわかります。
手先足先は、複雑な動きが出来ます。
だからこそ楽しかったりするんでしょうが、あるところまでは手先や足先で出来るでしょう。
しかし、ある一定のレベルからはそうはいかないのです。
一見、手先足先でやっているように見えて、実は手先足先よりも使っている部分がある。
それを見せないから、凄いんです。
武術で腕だけで突きを打つでしょうか?
手先だけでマジックを行うでしょうか?
ボールを投げるとき、腕だけの力で投げるでしょうか?
どのジャンルにもあること
どのジャンルにも『基礎』があります。
分かりやすく『走る』事を例に出しましょう。
速く走ることを目的にする場合、ただ闇雲に走りまくるでしょうか?
速く走るためのフォームを身に付けるはずです。
速く走るためのフォームはいきなり出来るでしょうか?
元の姿勢が悪かったり、脚力が足らなかったり、体が固かったり…
上記の事を考えずに練習すれば、待っているのは『ケガ』です。
だから、基礎を行うんです。
基礎はケガを防ぎ、フォームを身に付けたり、力を付けるための最低限の動作なのです。
基礎はつまらない?
僕自身は基礎がとても好きで、今でも一人で基礎をトレーニングします。
僕の師事していた先生は基礎を『つまらないけど、いいですね』と発言した生徒を叱ったそうです。
その生徒もその基礎の良さは分かっていたんでしょうが、本当に基礎の重要性が解っていれば、つまらないという言葉は出なかったかもしれません。
子供たちでそのような意識が出るのは稀ですね。
『成程』と思えるのはいろいろな経験をしてからでないと気が付かないことも多いので、あらゆることに経験が不足する子供は難しい。
経験してきて、それが使えるようになると『楽しい』『面白い』と感じられる。
何に使えるかわからないけど、とりあえずやるというのは『苦行』に感じるかもしれません。
これはこうやって使う、と説明してもなかなか理解できない場合も多い。
ただ、この『基礎』はテストでいい点を取るためにやるものではありません。
ダンスが上手くなることをメインに考えているわけでもないのです。
カラダを使う。
自分が一生付き合うモノを深く知り、使えるようにすること。
これが最大のメインテーマです。
だからこそ、基礎を徹底したい
『つまらない』と思うかもしれない。家でやってこないかもしれない。
徹底してやって初めて見えてくるものもあります。
つまらないと思われるから、家でやってこないかもしれないから…
だから、楽しいと思うことだけにしよう。
そんなことを考えていたら、大事なことを伝えられなくなってしまったのです。
今回のコロナ禍で気付くチャンスが与えられました。
自分にとって本当に伝えたいことをここでやる。
勿論、それが濃すぎて飲めないこともあるでしょう。
受け入れられなければ伝えられないので、薄めて飲みやすいモノを提供する。それでもしっかりと外さずに伝えていきたいと思います。