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観劇記録:ntlive「ワーニャ」

まただいぶ時間たってしまったが書く。
観たのは5月末。書いているのは7月半ば。

見に行く前のこと

演劇人だと自称するには恥ずかしいくらい戯曲をよんでいない私ですが、もちろんワーニャおじさんも読んでいなかった!!
だってさ、ロシアものって抵抗があって…人の名前がわけわからんじゃん(罪と罰で挫折した経験だけで言ってる)

ntliveの今年のラインナップ見た時点で正直迷ってたけど、友達が誘ってくれました。
演劇友達が少なくて誘われると嬉しいのでホイホイ行っちゃうんだな。
一応、観劇に向かう電車の中でウィキであらすじ(と登場人物名)(名前が不安すぎて)(思ったより大丈夫そうだった)だけはチェックしていきました。


見に行ってよかった====!!!


NTLive「ワーニャ」

一人8役・・・?!

この「ワーニャ」は、アンドリュー・スコットの1人8役で一人芝居。
どういうことだってばよ。

自分が以前見たひとり芝居は、モノローグが多かったりして僕視点で展開されていったり、一人の主人公を主軸とした作品だったり、もはや落語みたいだったりしたのですが、この一人芝居はマジで一人芝居でした。

かわるがわる、キャラクターが会話している!

キャラクターの声、しゃべり方、体の使い方、緊張度、呼吸、服飾品の差や、癖を強くデフォルメした感じなど、できる表現を駆使した感じで、分かりやすく演じ分けていました。

この駆使具合!
並みの俳優じゃできないよ…。

ああ~演じ分けるってこうやるんだなあ。

すごく素敵だった。
しかし一人役をやるのに大変なのに8役ってなによ!もはや憤る!
すごすぎて口開けっ放しだったかもしれない。私。

こだわりのカメラワーク

NTLiveのいいところは、英国の超クオリティな演劇を日本で字幕付きでジュースのみながら見られるだけではありません。
撮影なので、視力の悪い私でも俳優の顔をばっちりアップでみられるところである!!
しかも、カメラワークはちゃんと計算してある(とたしか解説で言っていた)ので、舞台なんだけど映像としても楽しめるのがとてもいいのだ!!!

・・・しかし今回、それが良くも悪くも作用してました。
若い人妻ヘレナと、医者マイケルの情事シーン。

色っぽく絡みあう手、(つまり両手)だけがアップになって映し出されていました。
「うおおすげえ!」と見てましたが、後から思い返すとあれ。あれな~~。

そのシーンのアンドリュー・スコットの全体像が見たかったんだよなー!!!!

一人で二人でヤッてるてどういうことだってばよ。見たいよ。
いや、見たいじゃんね!?そこが見たいんだよお!!(?)

う~ん残念。

Xの感想を探してみましたが、あのシーンは賛否両論でした。だよね。

不思議ですね。観客ってなにを観たいんだろうな。
お話も観たいし、美術も観たいし、音も聞きたいし、感情移入したいし、他人(俳優)のさまを観たい。

私の場合、その「他人のさまを観たい」が大きい。
うれしいとき、悲しいとき、悔しいとき、恥ずかしいとき、そのときどんな反応するか見たい。どんな顔してるか、どんな様子なのか。

だから、セックスを表現する2本の腕もすごかったけど、それをやってる1人の俳優の状態っていうのも、とても観たかったなー。文字におこすと変態みが増すな。

じろじろ見る権利

余談ですが、そういえば、最近Xで「客いじりをする演劇は2度と見たくない」みたいなツイートを見かけました(印象記憶なので違ったらすみません)

それに対して、
演劇は、観客と演者に明確な境界線があって、演者が観客に干渉しないから(もしくは干渉しないという暗黙のルールがあるから)観客は安心して堂々と舞台を見ることができる、というようなことをおっしゃっている方がいました(これもがっつり見たわけではないので違ったらすみません)


つまり、観客には舞台上をじろじろ見る権利があるはずだが、その権利が守られる保証は実のところない。と。

たしかに!

以前NTLiveで客いじりをみたとき、(真偽不明ですが)いじられた客は仕込みだったと当時ツイッターで見かけました。本当ならすごいな、というか、たしかにそれくらい演出に組み込まれててもいいよな。面白いな。(まあもし仕込みじゃなかったとしても欧米なら問題ないのだろうか。文化の違いとかで・・・この話は広げないけど)

そう、安心して観劇できるていうのは大事だな。
NTLiveは英国国立劇場だしライブビューイングなので基本的にまったく不安がないところが強すぎるところですね。
日本にもこういうのがもっとあるといいなと思います…。

ところで日本にもあるのでしょうか

NTLiveみたいなやつ。

・・・

あるじゃん・・・?

ああ、コロナでみんな自宅にこもっていたころ見かけたけど、妊娠出産がかぶりすっかり忘れていました。
しかし、あのときはバレエとオペラだけだったような・・・?

明日から演劇の「未来につなぐもの」シリーズの3連が公開のようです。おお~観よう!

新国立劇場からは完全に足が遠のいていて、
つい先日終わったデカローグも、なんとなく気になったけども、生活と体調と時間と金銭的な決定打が打てないまま終演してしまいました。

自分でいうのもなんだけど、こういう層の背中を押すためのシステムや方法があれば観劇人口が増えるのになと思います。(まったく一体何様なのか)



今日のまとめ

コスパ・タイパが重要視される現代、演劇はその対極にあるような気がします。
私もスマホ依存症だと思う。だから、余計に気を付けてなるべく定期的に、赤の他人を摂取したい。

しかし一人芝居って、コスパ・タイパはいいのだろうか?!
一人の人間で見れてお得ともいえるし、一人しか見えないからお得ではないともいえる。

確実に言えることは、今回のワーニャは、ものすごく質の高い一人芝居なのでお得だったということです。

いつか一人芝居をやってみたいと10年前に思ったけれど、今は怖いです。自分の実力を知ったからか、それとも若さが失われたからか、両方かもしれない。
でも、いつかほんとにやろうとおもったらこのワーニャを思い出して頑張ります。

きっとアンコール上映してくださりまくると思うので、見ていない俳優・俳優志望さんは一度はみるのをお勧めします。シンプルに勉強になる。



毎度のことながら、NTLiveJAPANさんいつもありがとうございます!引き続き宜しくお願いします😉

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