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心理的安全性だけでは足りない。成果を出すチームに必要な「基準」とは

前回の記事では、心理的安全性があることでチームがどれだけ強くなるかについてお話ししました。ただ、それだけで成果を出せるかと言えば、実はそうではありません。心理的安全性が「挑戦しやすい土壌」だとすれば、その上で「高い基準」をどう保つかが、成果を生むカギになります。この2つをどう組み合わせるかがポイントです。

心理的安全性の「限界」

心理的安全性は確かに大事です。しかし、それだけにフォーカスしすぎると、以下のような状態に陥ることがあります。

・馴れ合いになってしまう
心理的安全性が高いと、失敗を恐れず意見を出せるようになります。ただし、その安心感に甘えて「これくらいでいいか」と基準が下がってしまう場合もあります。この状態では、安心して話し合っているけれど、成果はイマイチ、という結果になりかねません。

・挑戦が浅くなる
基準が曖昧だと、メンバーがどこを目指せばいいのか分からず、挑戦の方向性や深さが足りなくなります。心理的安全性は行動を促すけれど、具体的な目標を明確にしないと、努力が空回りしてしまうのです。

Googleの例に学ぶ

心理的安全性が注目されるきっかけとなったGoogleの「プロジェクト・アリストテレス」は、心理的安全性がチームパフォーマンスにどう影響するかを調べたものです。ただし、Googleのケースでは元々、非常に高い基準が組織に根付いていました。たとえば、採用プロセスや成果物に対する期待値など、組織全体が「高い基準」を当たり前のものとして共有していたのです。その土台があったからこそ、心理的安全性の効果が存分に発揮されたと言えます。

つまり、心理的安全性は大切ですが、基準があって初めて機能する要素だということを忘れてはいけません。

高い基準がもたらすもの

基準がしっかりしているチームでは、心理的安全性の効果がさらに引き出されます。

・挑戦の質が高まる
基準が明確で高いほど、メンバーが挑戦するときの方向性がはっきりします。安心してアイデアを出しつつ、そのアイデアがチームの目指すゴールに向かっているかを常に意識できるようになります。

・成長の実感が得られる
基準が明確だと、メンバーは自分の進捗や努力がどう成果に結び付いているかを実感できます。心理的安全性が「挑戦してみよう」と背中を押すなら、基準の高さは「成長できている」と感じさせる原動力です。

・チームの信頼が深まる
基準が共有されていると、メンバー同士で「この人も基準を守っている」と信頼し合えるようになります。この信頼がまた心理的安全性を高め、良い循環を生み出します。

心理的安全性と基準を両立させるために

では、どうやって心理的安全性と基準の高さを両立させればいいのでしょうか?

1. 基準を明確にする
どれくらいのクオリティが必要なのか、何を目指しているのかを具体的に共有することが大事です。抽象的な表現ではなく、できるだけ具体的に数値や行動で示すことで、メンバーが迷わず行動できます。

2. フィードバックを積極的に行う
基準に達していない部分について、指摘をためらわないことが重要です。ただし、言い方はあくまで前向きに。「ここをこうすればもっと良くなる」と伝えることで、心理的安全性を損なうことなく成長を促せます。

3. 成功体験を共有する
基準を達成した成果や、それを通じて得られた成功体験をチーム内で共有しましょう。「基準を意識して取り組むとこんな成果が出る」という事例が増えれば、メンバー全員が自然とその基準を目指すようになります。

終わりに

心理的安全性と基準の高さはセットで考えるべきものです。心理的安全性だけでは「居心地の良さ」で終わってしまうこともありますが、そこに高い基準を加えることで、チームは「成果を出せる場」へと進化します。

ぜひ、心理的安全性を大切にしながら、チームで共有できる基準を意識し、成果を上げるチーム作りに取り組んでみてください。心理的安全性の土台があるからこそ、高い基準がチームの力を最大化してくれるはずです。


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