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バイトが辛過ぎてエロ本を買った日

前の会社を辞めてそろそろ9ヶ月が経つ。

プログラマーという仕事に対する熱意も具体的なキャリアプランも持ち合わせておらず、自分の将来について思い悩んだ結果転職活動を始めたところ間も無く緊急事態宣言入り。
開けて間も無く新しいプロジェクトにろくな説明も無く参入させられた。質問をすれば「そもそもそんな質問をする意図がわからない」とまともな答えは返ってこず、言われた通りにやったことを「そんなふうにやれなんて言ってない」と怒られ、プロジェクトのメンバから「プログラマー失格」の烙印を押されたことでメンタルと身体が完全に終わってしまい、何も作業が割り振られないのに帰ることができないという状態で周りに聴こえないように
「クビにしろクビにしろクビにしろクビにしろクビにしろクビにしろクビにしろクビにしろクビにしろクビにしろ早くクビにしろとっととクビにしろなんで俺なんかわざと在籍させてんだクビにしろ嫌なんだろ俺がだったらさっさとクビにしろ早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く」と呪詛を撒き散らすようになってしまったのでその日の帰り道で空ゲロを吐きながら退職を決意した。

退職の旨を上司に伝えてからというものの、そんなに悪い会社じゃないと思っていた前の職場の粗がどんどん見えてきた。

まだ退職してからそんなに時間も経ってないし、万が一何か言われてもアレなので子細はカットするが、所謂TLでよく流れてくる「退職の時に私が言われたトンデモエピソード」をまさかまさかの自分が体験する立場になったのである。

思えば、最後の出勤日にかけられた「君はなんでも信じやすいところがあるから気をつけて」という言葉が全てだったのだろう。人生一発目のサラリーマン生活は退職決定後の一ヶ月間で、それまでの3年3ヶ月の感謝の念を塗りつぶす程にマイナスイメージを質の良い漫才のように畳み掛けられて終幕となったのだった。

閑話休題。

思い返してみると色々お世話になったことは沢山あるし前の職場の経験があったからこそ今の職場に拾われたという面もあるはずなのだが…とりあえずこんなに苛々としている理由はまだ記憶が新しいからだ、と言い訳したいところなのだが。
これまでのバイト経験を思い返した中で一個今でも新鮮にオーナーや店長に対する怒りが湧いてくるバイトがある(←ようやく本編)


学生時代に半年間だけ勤務していた〇-ソン。
当時ゲーム屋のバイトを辞めて半年ほど経過していた頃、あまりにも金が無く親にもあまり頼れず焦り散らかしてた時に応募したところ面接したその場で採用決定(今思えばこれがよくなかった…)

ここも語ろうと思えば色々話せるけれどとりあえずおかしかった点を幾つかピックアップすると

・研修期間中は相手の事情に関わらず週4勤務必須
・夜勤は不可と伝えたにも関わらず勝手に夜勤シフトを組み込まれる
・通常シフトも勝手に1時終わり、3時終わりに
・店長(オーナーの嫁)の昇格試験なるものを通過しないと研修中から脱せない
・事務所に向かう時はオーナーにメールを送り許可を得ないとバックヤードに入れない
・↑の許可もオーナーが納得いく答えじゃないと通らないし訂正メール送ったら無視されたことがある
・一回レジ打ちに失敗しただけで反省文を書かされる
・オーナーが営業中の店舗に向けて怒鳴る
・マネージャーから何も教えられてない業務で失敗して「いい加減にしろ」と怒られる
・夜勤一緒にやってた人の寝起きが悪すぎる
etc,etc…

改めて今思い出しても新鮮に怒りが湧いてくる職場だったこともあり、到底学生時代も自分も耐え続けられる環境ではなかった。

最初の昇格試験に不合格となったときにはもう色々限界だったので、せめて週4日勤務だけでもなんとかならないかとオーナーに電話を掛けた。

「大学の授業の関係上、週4勤務は無理だ」
「夜勤は前から厳しいと伝えていた」
「せめて週2,3回に出来ないか」

という旨を伝えたところ

「それは結局そちらの事情でしかない」
「これを乗り越えないと、他のもっと辛い場面を乗り越えられない」
「昔〇〇〇(どこぞの百貨店)で採用担当やってた俺のやり方は間違いない」
「これを成長の機会と思って」

みたいな説教を諭されるように滾々と1時間ほど聞かされ続ける羽目になった。

途中からは「ハイ」「エエ」「ソッスネ」としか言えない程に疲弊し、要約すると
「週4勤務は必須、異論は認めません」
の1文に圧縮できる1時間の電話を終えた直後には、自然と涙が駄々洩れていた。

今思えばアホみたいな話だけど、色々と言われ続けた中で
「こんなに自分に対して時間を割いて色々と考えてくれている!」
などと感動するような状態に陥っていたのかもしれない。
一種の洗脳状態だ。クソオーナーによる催眠音声.mp3を延々聞かされていたのだ。
ちなみにこの翌々日に姉の結婚式が控えていたのだが、ここで涙をほとんど出し切ってしまったせいか結婚式ではほとんど涙は流れなかった。


暫く泣いた後に、ようやく相手側の主張がおかしいことを理解する。
これからどうすればいいのか、このままこのバイトを続ける意義は何だ、あのオーナーに自分は認めてほしいのか…様々な考えが頭の中を交差し、こんがらがって、また考える
そんなことを繰り返すこと30分…


気が付くと外へ飛び出していた

夜の闇は心地よく僕を包み込んでいき

程よい夜の気温はこんがらがった頭をクールダウンさせ

瞳に溜まっていた涙は夜風で乾いていた

この瞬間だけ、僕は間違いなくすべてのしがらみから解き放たれていた


ふと気が付くと、夜闇の中で目の前にふと明かりが見えた

自宅近所のセブンイレブンの店内消灯だ

コンビニバイトを始めてから、他の店舗はあまり使わないようになっていたなあ、と

僕は自然とその店に足を踏み入れていた


そして、僕は






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エロ本を買っていた


間もなく僕は、上記のクソッタレロー〇ンを辞めた。



このバイトを通じて僕は

「考えがまとまらないときは外へ出かけよ」


「自分の経歴と絡めた説教してくる奴にロクな人間はいない」

「辛いことがあると人間は、性欲に逃げる」

ということを学んだのであった。


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