油で汚れたTシャツをサバイバル映画風に汚してみた
皆様こんにちは。
せいぎのみかたの片割れです、よしなに。
突然ですが皆様、こちらをご覧ください。
いきなり小汚いTシャツを見せてしまい申し訳ございません。
ご覧の通り、こちらのTシャツは脇を中心に油汚れが染みついており、汚れが取れない状態となっています。
画像加工アプリでフォトジェニックにまとめてみましたが、単なる「油汚れの見本」にしかなりませんでした。
これは決して、僕が腋から石油が沸き出る体質だからこういった汚れが付着したわけではございません。
それにはとある経緯がございます。
それは、数週間前のこと…
「おや、これはどういうことだい!?僕の愛するIHクッキングヒーターが汚れているじゃないか!?すぐに拭かなければ…」
「でも、今ちょうどキッチン用ふきんは切らしてるし、この為に新しいものを出すのも…あ、そうだ!」
「洗濯機の中に入っている適当な洗濯物を使って拭けばいいんだ!どうせ洗うんだから、汚れも綺麗になって一石二鳥!」
「よし、この白いインナーを使おう!」
「ゴシゴシゴシゴシ…よし、これで綺麗になった!後は洗濯を終わらせればOK!」
そして、洗濯が終わり…
こうなりました。
洗濯を経て、しっかり汚れが残りました。
そもそもキッチン汚れの原因は調理の際に発生した油汚れであることを認識出来ていればこんなことにはならなかったでしょう。
よりにもよって数ある洗濯物の中で一番汚れが残るであろう白いインナーを選ぶ辺り、本当に何の考えもなかったことが伺えます。
完全に僕の見通しの甘さが産み出した結果です、今後は自分の愚かしさを背負って生きていきます。
汚れがTシャツ全域に疎らに染みつき、猫の「ぶち」のようになってしまっています。
肌着なので外からは見えないとはいえあまり着る気も起きないし、捨てるしかないか…
と思ったその刹那、僕の脳内にあることが浮かびました。
「このTシャツの汚れ方…」
「ゾンビ系とか、終末世界系の、サバイバル映画の主人公が着てるTシャツっぽいな…」
サバイバル映画において、ゾンビ、猛獣、宇宙外生物、果ては狂気に駆られた人間などの猛威から、死線を潜り抜け生き延びた主人公のTシャツ、それらは一様に汚れています。
「お前これシュプリームの限定モデルだぞ!どうしてくれんだこのヤロ…」とか言ってたらタマ取られます。汚れなんか気にしている状況ではありませんから当然ですね。
既に油汚れが刻み込まれているこのTシャツ、これを更に汚していけば立派な「サバイバルTシャツ」が完成するのでは?
ジーンズだって自分好みの色落ちに育てる為に毎日履きこんだり風呂に入れたりする訳だから、Tシャツだって自分好みの汚れをつけていけば思い通りのサバT(サバイバルTシャツの略称、サバいTシャツ屋さんの略ではない)にすることが出来るのではないか?
という訳で、今回はこちらのTシャツを元にサバイバル映画風のTシャツを作りたいと思います。
という訳でSTART!
工程①:部屋を掃除する
手始めにTシャツを汚すために「部屋の掃除」を行うことにしました。
やはり一番身近な汚れと言えば自宅の汚れなので、この機会に普段やらない部分の汚れも含めてTシャツに吸わせてしまいましょう。
まずはリビングの水拭き・清掃から。
雑巾がけの要領でフローリングを水拭き。
水を張ったバケツにTシャツを浸す。
雑巾がけとか中学卒業以来だな。
あの頃はほぼ毎日のように学校のどこかしら掃除していたはずなのに、不思議なくらい掃除の習慣が身につかなかったなぁ。ずっと部屋汚かったし、机の中にプリントと教科書突っ込んだままだったし。
早速水拭きスタート。
この動きするのも15年ぶりだな。
普通の雑巾と比べて拭きにくいとかは特になく、スムーズに進んでいく。
というかこの体勢しんどッッッ。
往復の度に踏ん張る力が必要なので脚と腰に負担がかかる。
これ本当に15年前まで毎日のようにやってたのかよ。
肝心の汚れは1/3拭いた時点でこの有様。
この時点で無理だと悟った人は回れ右して帰りましょう。
最終的にこの50倍くらい汚くなります。
その後も均等にTシャツが汚れるように床との接地面を変えながら着々と拭き進める。
脚が…腰が…疲れる…。
疲れに悶えつつ床拭き完了、もう足腰の疲れが結構しんどい。
ちなみにこの後も床拭きポイントは幾つか残っている。
この記事を通して「雑巾がけはコスパが悪い」ということがわかっただけでも有益だったかもしれない。
こんなに疲れるなんて、そりゃ小中学校以降やらないわけだ。
その他にも往復だけでは届かなかったテレビ台の下や…
カーテンレールの上に溜まった埃を取って…
リビング清掃完了。
汚れを取るために普段あまりやらない箇所まで掃除の手を伸ばしたので年末の大掃除はカットする方針とさせていただきます。
バケツの水もこの有様。
この濁り切ったバケツの水を見るのも小中学校以来な気がする。
さて、現時点でのTシャツの汚れ具合はいかがなものでしょうか。
軽くゆすいで広げてみると…?
※繰り返し言うけど汚れ注意
汚ねっ。
フローリングの汚れをしっかり吸い取って汚れが染みついていやがる。
普段だったらもうこの時点で捨てている。
ある程度白さを保っていたTシャツが全体的に黒ずんだ印象に。
裏を返せばリビングだけでこれだけ汚れが蓄積しているという証左である。
僕がCMディレクターだったら「一見綺麗なご自宅のリビング。ですがTシャツで拭いてみると…?」というお掃除のCMをレック辺りに提案していたであろう。
しかしこれはまだまだ汚坂(よごれさか)の序盤に過ぎない。
このTシャツにはサバTとなってもらう為に、まだまだ険しい汚坂を駆け上がってもらう。
続いてはベランダの掃除。
現在の住居に住み始めて早4年。ほとんど掃除らしい掃除をしてないせいかあまり人には見せられない惨状に。
(身バレ防止と「マジでこれはあんまりにあんまりだわ」という観点から画像加工をしています)
日常的に蜘蛛の巣は作られるし、昨年夏にはクマバチが巣をつくるし、ぶっ壊れた折り畳み傘は捨て方がわからなくて2本放置されている。
ここにこそ掃除が一番必要かもしれないという使命感を胸に清掃開始。
まずはTシャツにしっかり水を含ませて…。
汚れた個所をとにかく磨く。
窓のサッシ部分も綺麗に…。
一瞬でバケツの水が黒くなる。これが4年間の蓄積か。
30分程度でベランダ清掃完了。
これでベランダ周りから敷金が引かれることはないでしょう。
今の時点でのTシャツの汚れ具合はこんな感じ。
自宅の中でも外にあたる部分を掃除したことから黒ずみ度合が一気に強くなった。
背中側からもかなりのサバイヴ感は醸し出されている。
多分これ着てる奴はゾンビ化した親友を自分の手で葬っている。
背中が辛い別れを物語っている。
続いてはキッチン周りの清掃。
汚れの飛散防止のため、調理器具・食器類は予め避難済み。
今更だけど清掃の順番、ベランダよりこっちが先だったかな。
まずはリビングと同じくフローリングの水拭きから。
間違いなく明日足腰が筋肉痛になっているという確信がある。
水垢が溜まったシンク周りも…
拭く。
あまり普段掃除をしてない洗濯機横のスペースも…
(「あんまりにも」な状況なのでモザイク加工)
拭く。
(「汚」を通り越して「醜」な状況なのでモザイク加工)
普段は小物棚を置いている電子レンジ上のスペースも…
拭く。
結果としてサバT作りを経て普段掃除しない場所の掃除が出来ているので、徐々に部屋が綺麗になるという副次効果が得られている。
在住4年間通してほとんど使ったことのない換気扇も拭く。
新たな油汚れが出来た。
おそらくこれは4年間の蓄積ではなく、このアパートが出来てからの蓄積だ。
図らずもアパートの歴史を、汚れを通して垣間見た。
キッチン清掃を終えた時点ではこんな感じ。
左胸の辺りに出来た汚れがいい味を出している。
流血のシミがそのまま残ったようにも見える。おそらく胸のケガは焼いて止血している。
ちなみにキッチン周りについては清掃終了後、清潔なふきんと除菌スプレーで改めて全体的に清掃しました。
本末転倒だとは思いますが、食品を扱う場所なので清潔さは欠かさないようにしなければ。
続いては自転車の清掃。
車を持っていない自分にとってメインの移動ツールである自転車もこの際汚れを落としてしまいましょう。
ちなみに清掃自体はアパート裏で行ったのですが「よく考えたらここもプライバシーの関係上出せない場所じゃないの?」と一通り清掃が終わった後に気が付き、自転車の写真だけ少し離れた公園で撮影し直しました。
見通しの甘さがここにも表れている。Tシャツを汚す前にこういった人間性を直すのが先だという気がしてきた。
一応アパート裏での清掃の様子も撮ったのでモザイク付き色変え30倍速でご覧ください。
ちなみに汚れはこんな感じ。
細かい砂の汚れとかタイヤ辺りの油汚れとかが結構溜まっていたので新しい汚れもそれなりに増えた。
さて、これでめぼしい所は掃除し終えたかな…?
※ちなみにお風呂場についてはメインの汚れはカビとか髪の毛とか今回想定している汚れとは別方向の汚れだったので最初から除外していました。
バイオSF系のパニック映画とかならアリかもしれないけど…。
工程②:一度洗う
さて、粗方掃除も終えたところで、実際に着てみるとどういった雰囲気になるか確かめてみようと思ったのですが…
全ッ然着たくないなコレ。
こんなもん直接着た日には皮膚から原因不明の病気にかかりそうだ。皮膚からのかぜ用のベンザブロックを綾瀬はるかに処方してもらう必要性が出てきてしまう。
うん、流石に一回洗おう。
という訳で、今回はなるべくTシャツについた汚れを落とさずに着られる状態にするべく除菌・抗菌作用のある漂白剤につけおき洗いにすることに。
綺麗に洗ったバケツに水を張り、その中に洗剤を溶かして汚れたTシャツを30分ほどつけおきに。
しっかり除菌されるように洗濯液を浸み込ませる。
30分後、うっすら濁った洗濯液からTシャツを取り出し、なるべく汚れそのものを落とさないように最低限の濯ぎと脱水をかける。
そして、脱水まで終わったものを取り出してみると…?
…う~ん。
まあ、悪くない。悪くない、とは…思うんだ?(MOROHA)
漂白剤を使う以上、ある程度Tシャツが白くなることは織り込み済みだったし、主要な汚れはちゃんと残っているから、想定通りでは、ある。
嫌な臭いなども残っていないし、着れる状態にはなっていると思う。
でもさぁ…何というか、血が通ってないよなぁ…。
やっぱりどこか作られた感は否めないというか。
むしろこのTシャツを着た奴がサバイバル映画に出てきても、事件の黒幕が生存者になりすまして擦り寄ってきたかのような信頼足り得なさが滲み出てしまうというか…。
なんかこう、最高のサバTを作るために、ここまで生き延びてきたことを実感させる何かが必要だと思うんですよね。
例えば…汗、とか?
工程③:汗を染み込ませる
という訳で、汗を浸み込ませることにしました。
サバTを着た状態で炎天下の元、ウォーキングをすることによりサバTに汗とライブ感を与えようという目論見です。
時刻は平日朝7時半。
気温が上がりきらない&なるべく通勤中のサラリーマンの目に入らないタイミングを狙って仙台市内を歩こうと思います。
一見すると通常のトレーニングウェアを着ているようにしか見えませんが、下にはしっかりサバTを着用。
念のためサバTの下にもう一着Tシャツを入れています。
一回洗ったとはいえ何かしらのエキスが沁み出してきそうなので。
という訳でウォーキング・スタート。
天気も良く絶好のウォーキング日和。
これならズンズン進むことが出来…。
いや熱チィな!!
7時半の時点でこの暑さかい!!
気温を確認してみたらギリ30度越えしてないだけで十分汗ばむ気温だった。
とはいえ30度超えてないだけでちょっと涼しいと認識してしまう今年の暑さはやっぱり異常だと思う。
澄み渡るように無限にひろがる青い空。
お天道様の元で汗を流しながら進む僕。
これがサバT作りの為じゃなければ爽やかな情景に見えたのでしょうが。
ぶっ倒れないように水分補給もしっかりと。
ペットボトル症候群がおっかないので最近はなるべく麦茶などを飲むようにしています。
しかし流石は杜の都仙台、ちょっとしたウォーキングコースでも自然が溢れていますね。
この豊かな都市に生まれたことを感謝しなければ、と思いつつ歩みを進めていると…。
何やら深い森の中に誘われました。
ここまでの自然の豊かさは求めたつもりはなかったのですが…。
立入禁止区域と書かれながらも、その道は僕を導くように整備されていた。
謎の建造物を尻目に、さらに深層へ進む…。
森を抜けた先には、荘厳とした雰囲気の鳥居と、5つの掟が…。
もしや、サバイバル映画風を追い求めて進んでいたはずが、ジャパニーズホラー映画の世界に迷い込んでしまったとでもいうのだろうか…。
とはいえ最早、後戻りはできない。
何かに手を引かれるように歩みを進めた、その先には…。
伊達政宗がいました。
伊達政宗像のある青葉城址までやってきました。
めちゃくちゃ景色いいな。
時間をかけて森をかき分け進んだ甲斐もあってかTシャツもビッタビタです。
早く帰ってシャワーを浴びたい。
ともあれ3枚重ねのTシャツが全て十分なラインまで汗が浸み込んだことも確認したので一度帰宅することに。
合計2時間に渡るTシャツに汗を吸わせるための炎天下の旅路、その結果やいかに。
~帰宅後、自宅にて~
さあ、いよいよ緊張の瞬間です。
果たして、サバTの状態はどのようになっているのでしょうか…?
早速、ウェアを脱いで確認してみましょう!
…!!
き、キタァァァァァァ!!!!!
コレだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
これですよ、これ!!
このTシャツ全体を包む生命力!紛れもなく死線を生き抜いてきた者であることを漂わせるグランジ感!!これこそ求めていたものですよ!!
胸元の汗染みが数々の脅威を駆け抜けてきた者にしか出せないその雰囲気を醸し出しています。
この汚さは120分の上映時間を終えた者にしか出せるまい。
という訳で、サバイバル映画風のTシャツを作ろうと思った場合「汚してもいいTシャツ+自宅全体の拭き掃除+2時間程度の夏場での散歩」で作ることが出来ることがわかりました。
ハッキリ言ってこのやり方はオススメしません。汚れたTシャツは捨てるか雑巾とかにリノベーションした方がいいし、あとマジでこの時期の炎天下の散歩は対策怠ると命の危険に関わるので気を付けてください。
皆様もどうかお試しになるのをお止めください。
愚かな歴史の繰り返しはここで断ち切りましょう。
という訳で、以上「油で汚れたTシャツをサバイバル映画風に汚してみた」でした、ご覧いただきありがとうございました…とその前に。
折角作ったサバTを完成して終わりにするのも勿体ないので、サバイバル映画風の写真を撮ることにしました。
最後にそちらをご覧頂いてお別れいたしましょう。
完成品を使ってサバイバル映画風に撮ってみた
以上「油で汚れたTシャツをサバイバル映画風に汚してみた」でした、ご覧いただきありがとうございました。
本当にこれで終わりです、よしなに。