醜悪のゴミ箱、最悪の妄想

ベッド横のゴミ箱にコバエが発生している。

元々この時期になると居間やキッチンにわらわらと漂い始めることはあった。そのためコバエがホイホイをセットしたものの殆どのコバエはホイホイされることなく部屋の中を飛び回り、コイツの部屋なら攻撃されることはないと気づき出したコバエらは程なくして僕を挑発し始めた。

本を読めば開いているページを這い回り、飯を食えばちょうどおかずに触れない空域をチキンレースが如く飛び回り、寝ている時には鼻から侵入を試みる始末。

僕がコバエを素手で潰すようになるまでそう時間は掛からなかった。

実家にいた頃には普通のハエすらも「いやまあ…コイツかて生きてる訳だしねぇ…」と窓を開けて逃していた男は、一人暮らしで心を荒ませ、苛立ちから来る衝動で畜生道に転がり堕ちた。

今なら隣人トラブルから傷害事件を起こしてしまう人間の気持ちが少しわかる気がする。健やかな生活が害されるって、十分衝動的な犯行を行う理由付けになっちゃうよな…。


閑話休題。


さてさて。これまで1年間は何かと汚しがちな居間のテーブルやキッチンが主な発生箇所だったのだが、ゴミ箱とはいえ生ゴミやら湿気やらのコバエ誘き寄せ要素がそれほど多くないであろう枕元のゴミ箱にまでコバエの侵攻が始まったのは何故なのか。

そう、「生ゴミ」やら「湿気のある」ものは無いはずなのに…。


あっ



画像1




画像2



画像3


画像4


画像5





画像6

コレだわ


原因判明。ある種「生ゴミ」だし、それでいて「湿気」の発生源だわ。

しかしなんという最悪の組み合わせ。

「コバエ」✖️「コレ」とは…※発生源の呼び方はどう頑張ってもセンシティブな表現にしかならないので便宜上「コレ」と呼ぶ。

組み合わせとして嫌すぎる。「コレ」からコバエが産まれたみたいになっている。

「ザ・フライ」という天才科学者の身体が徐々にハエの身体と融合してしまうホラー映画に、科学者の恋人がハエの子供を産む悪夢を見るシーンがあったがアレと同じことが我が家で起こっている。コレとコバエの体外受精だ。

このまま成長を待てば原作よろしくブランドルフライが誕生することになりかねない。それはそれで見てみたいけど更新したての賃貸を追い出されかねないので辞めておく。

今後はコバエ発生前に定期的にコレが詰まったゴミ箱を捨てることにする。

もしも我が家からハエ男が産み出されるようなことがあったら誰かその端末を映画にしてください。タイトルは「ザ・フライ外伝〜杜の都のハエ男」でよしなに。


いいなと思ったら応援しよう!