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「装甲悪鬼村正」感想 とんでもない方法で愛を描いた傑作エ◯ゲ

超久しぶりにnoteを更新する。昔みたいにもっと更新頻度上げたいけどね。精進いたしまする・・・

そんな前置きはどうでもいいとして今回はエロゲのレビューだ。俺自身まあまあエロゲをやってきているがエロゲのレビュー記事を一回も書いたことがない事に今更気付いた。結構勿体ないなってのと昨今商業エロゲを遊ぶ人が減ってるなあと思ったのでユーザーの数が少しでも増えればなと。

さて、今回紹介する装甲悪鬼村正だが俺の中での間違いなくNO1エロゲだ。独特の日本風の世界観。他に見ないような凝った設定。にも関わらず王道的で刺さりやすい展開も多い。意外とギャグも面白い。そして結末は心にぶっ刺さること間違い無し・・・と本当にすごいゲームなのだ。2009年発売と少し昔のゲームだけどエロゲ販売サイトでDL版も売ってるしエロゲショップにもwin10対応版がおいてあるのでかなり触れやすいので是非。

エロゲにはとても見えないけどエッチなシーンもまあまああるのでご安心を
※凌◯シーンが2つか3つくらいあるので苦手な人は注意

文章が圧倒的に面白い

すげえ稚拙な表現になり申し訳ないが本当に文章が面白いし上手だし読みやすい。言い回しがどこか古風だったりするところもあるがテキストを読み進めていくというのがメインである都合上これは圧倒的な評価ポイントであると思う。例えとしては微妙かもしれないけど操作感バツグンのアクションゲームをやっている感覚になる。

説明臭くないのにすっと世界観が入り込んでくるし文章のテンポが良いのでギャグも面白い。あとは何と言っても魅力的なのは戦闘シーンだ。
派手なシーンもさることながらこの作品唯一無二といってもいいのが刀を使う一対一のジリジリとした駆け引きの描写だ。

人間が真剣を持って殺し合いをしているシーン、そのときの呼吸の描写、足運び、構え・・・誰が言ったか「将棋や囲碁の実況」とよばれるのはこのゲームならではのポイントなので是非。シナリオ担当の人が剣術の師範代なのも納得。

世界観もストーリーもスケベ要素まで男の子好きな要素てんこ盛り

公式サイトに書いてあるあらすじの時点で魅力が凄い。以下引用すると

超能の鎧「劔冑」を駆る戦士「武者」が戦場を席巻する世界。

非公式の警官を称する男・湊斗景明は、赤い劔冑「村正」を纏い、ある時は卑劣な連続殺人犯に、またある時は軍兵の暴虐に挑み、最強の武者たる己の力をもって打倒する。だが決して、彼が正義を称することはない。「鬼に逢うては鬼を斬り、仏に逢うては仏を斬る」——劔冑との合身を果たす時に彼が口にする一句、それは過去を語り未来を予言する、真実の言葉なのである。

彼は殺すのだ。悪だけでなく、悪に虐げられていた善良な人々をも。……これは驚くべきことであろうか? 否。

何故なら彼の劔冑の銘は勢洲右衛門尉村正。

呪われし「妖甲」、かつて大和全土を地獄に変えたことすらある、かの村正なのであるから。

http://www.fmd-muramasa.com/intro/


改めてみると本当にすごい。こんな短い文章に魅力をぎゅっと詰められる文才にすでに唸る。
劔冑(つるぎ)をのデザインはすごくかっこよいし必殺技を撃つときには長ったらしい前口上と共に技名を叫ぶので中二心にもぶっささる。
磁装・蒐窮(エンチャント・エンディング)
蒐窮開闢(おわりをはじめる)
終焉執行(しをおこなう)
虚無発現―(そらをあらわす―)
と詠唱(?)した後に
吉野御流合戦礼法“迅雷”が崩し電磁抜刀――“禍”
と叫ぶもんだからもうたまらない。何歳になってもこういうの俺は大好きだ。ちなみに電磁抜刀と書いてレールガンと読むので間違えないように。

世界観も面白い。舞台は日本・・・のような架空の国「大和」なのだが大きい戦争に敗北して大国に実質的に占領されているという設定だ。そして大和の統治を委任されている六波羅幕府が圧政を敷いていて・・・という設定だ。さらには謎の「銀星号」と呼ばれる劔冑による無差別大量殺戮事件まで起こっている。かなりやべえ情勢から物語が始まる。

シナリオもそれはもすっっごく練られているし最高に面白い。あらすじだけ読むとそんな情勢の中警官の主人公が悪を裁いたり銀星号と対峙したり・・・という風にだけ読み取れるがそれは間違いではないにしても一側面に過ぎない。

できるだけネタバレを控えて語るが主人公の基本的な動機としては「愛」なんじゃないかなと思う。「妖甲」なんて呼ばれる劔冑をまとって闘い続ける理由もまさに「家族愛」と呼べるものだし、真ルートの最後にはメインヒロインとの「愛」からかあのような行動を起こすし最後に選ぶ道もまさしく「愛」からなのだろう。他ヒロインルートでもそれは感じられる。真ルートから分岐するルートなんかでは家族愛の為にすべてを捨ててしまうし。

主人公の湊斗景明はごく普通の優しい一般人だ。しかし村正と共に闘い続けなければならない、「鬼に逢うては鬼を斬り、仏に逢うては仏を斬る」ーーこの概念が重くのしかかる。しかしだからこそ最愛の家族に「愛」を証明した方法が本当に衝撃的だ。これは絶対に実際にゲームをプレイして見届けてほしい。そしてこの概念、「善悪相殺」と「愛」が景明に何をもたらすか何を選択したかも必見ですよ。

恋愛的な要素はまあもう想像ついているかもしれないがかなりあっさりしている。メインヒロインとだけは結構そんな描写あるかな。スケベなシーンもあるにはあるが各ヒロイン一回くらい、メインヒロインだけは2回とゲームそのものの長さにしてはかなり少ない。物語の上で必要だからスケベシーンがあるといった感じだしね。あんまりそういう目的には適さないのでそこはご了承ください。あと冒頭でも述べたけどサブの女キャラが凌◯されるところが3回くらいあるから苦手な人は注意。1回は主人公がヒロインのうち一人を無理矢理・・・ってシーンあるけどヒロインも満更でも無さそうだからあり・・・?って言うと今の御時世結構怒られそう。

あとR18はなにもエロ方面じゃなくてグロにも発揮されるからそこも注意。文章だけの描写だけどかなりエグい描写あったりする。ここもエロゲの魅力だと俺は思ってるけど苦手な人は注意。

これは英雄の物語ではない。

ちょっと・・・どころか完全クリアまではかなり時間がかかる。大体60時間くらいかな。他には2009年のゲームなのでちょっとシステムが不親切とかあるけどそれでもすごくオススメなエロゲだ。決して明るい物語ではないし綺麗さっぱりハッピーな感じになるゲームでは無いかもしれない。けれど様々なキャラクターがとてつもない決意をもって狂気に片足どころか両足つっこみながら行動する描写が本当にとてつもなく魅力的なのだ。そこまでして何かを為したい。そこまでして為すべき事なのか?という気持ちになるのも心に響く。

再三繰り返しになるけどかなり触れやすいしやった事を絶対に後悔しない出来の神ゲーになので是非。そしてエロゲって良いなあと思ったら他にも遊んでみてほしい。ブルアカとか好きならエロゲはまれると思う。



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