Ultimate ONE ~第十七話~【連戦】
Ultimate ONE ~第十七話~【連戦】
~中央ショッピングモールから遠く離れた高いビルにて~
ヌァザ 「くそ!すでに大規模な戦闘は終わっているようだな!」
ルー “やったのはスレンですか !?“
ヌァザ 「いや…違うようだ。だが、ここからだと離れすぎていて様子がわからない、近くの剣で調べてみる」
~目を閉じるヌァザ~
ヌァザ ≪ショッピングモールで殺されているガーディアンがサーベルを持っているな…よし≫
カタカタ
シューーーン
~ショッピングモールでオーディンに殺されたガーディアンが持っていたサーベルが勝手に動き出す~
ヌァザ 「これは酷い…辺りの民は皆殺されている。ん?待てよ?」
~ショッピングモール~
レヴナント 「しかし…これほどの人々を殺してしまうなんて…」
リサ 「レヴナントさん…また責任を感じたりしないでくださいよ!」
バウンサー 「この状態をメタリカにどう説明したらよいのか」
リサ「ひょっとして、私たちは疑われてしまうのかしら?」
レオン 「それは心配いらねぇ~な。政府側はすでに知っている、動いていないだけだ」
バウンサー 「敵がまだ潜んでいることを警戒しているのか」
レオン 「ああ、あの車椅子やろう一人の判断で行動したとは思えないからな」
リサ 「あ? オーラの反応!」
レヴナント 「近くにオーラ使いがいるのか !?」
リサ 「はい!おおよそ 1.5キロメートル先ね」
バウンサー 「レオン!探れるか?」
レヴナント 「あれ?先ほどまでいましたが、急にいなくなりましたね」
リサ 「レヴナントさん、彼は自由に消えることができるのですよ!こういう風に!」
~というと、リサも消えてしまう~
レヴナント 「す、すごい!」
バウンサー 「驚くのは後にした方が良い…」
レヴナント 「え?」
~レヴナントはバウンサーが見ている方向を眺めると宙に浮いた剣がこちらに向かっていた~
バウンサー 「リサ…消えたまま。レヴナントに付いてここから避難しろ」
リサ 「わかりました」
バウンサー 「レヴナント…リサを頼む」
レヴナント 「任せてください!」
~立ち去るレヴナント~
バウンサー ≪レオンはオーラ使いのもとへ行ったか。しかし、あの剣はなんだ?≫
~ショッピングモールを一望できる高いビル~
ヌァザ 「あいつらか!民を皆殺しにしたのは!」
ピッ
ルー “ヌァザ様!敵は確認できましたか?”
ヌァザ 「ああ、数名いたが。一人を残して逃亡したようだ」
ルー “それと、ここは我々の国とは違います。あまり事件を起こさぬように”
ヌァザ 「分かっている。深追いはせんが残っている奴を事故に見せかけて倒す」
ルー “ヌァザ様なら大丈夫でしょうが、どんな敵かも分かってはいません。十分に気を付けて!”
ヌァザ 「分かっている」
ピッ
ヌァザ ≪さて…ヤツは…機械 ? それに、ヤツも剣を使うのか ?≫
ヌァザ ≪なら、私に勝つことはできないだろう…しかし、その前に手合わせでもしよう。敵のおおよその実力が見たい≫
~ショッピングモール~
バウンサー 「本体がいない剣と戦うのは初めてだが」
~剣がバウンサーを襲ってくる~
ビュー――――
バウンサー 「突?」
≪ひらりとかわそうとするバウンサー≫
クイッ
バウンサー 「!」
シュン!
キーーン!
バウンサー 「突の軌道から斬に切り替えたか!コイツ、手練れだぞ!」
~
ヌァザ 「ほう。今のを交わしたか。鞘で止め、切り込む瞬間を狙っているようだが、剣のみの相手にどう戦う?」
~
キキキキーン
バウンサー 「くそぅ。このままではラチがあかない。剣ごとへし折るか。」
レオン 「な~に手こずっちゃってんの ?バウンサーちゃん!」
バウンサー 「は !? おまえ、オーラ使いのもとへ行ったんじゃないのか?今頃出てきやがって!」
レオン 「それがよう…その剣を動かしているのは、そのオーラ使いだぜ」
~
ヌァザ ≪何!もう一人いたのか!今まで気が付かなかった!≫
~
バウンサー 「なら、なおさら早く行くだろう!普通」
キキキキキーーーン
バウンサー ≪ふぅ~。コイツ…妙な剣技を使うな≫
レオン 「ああ、早く行ってやるぜ…俺の弾がな」
バウンサー 「何を言っている! 1.5 キロも先だぞ!」
レオン 「それがよ。狙えるところにいんだよなぁ」
バウンサー 「おまえ何処を見て? ま、まさか!」
~
ヌァザ ≪銃を構えている…もう一人の敵は銃士か。しかしここまでは弾が届くどころか狙う事など…≫
~
ドーーーーン
レオン 「一発目」
~
キュン
~ビルのガラスに穴が開き弾がヌァザの顔をかすめる~
タラ~
血が流れる
ヌァザ 「くっ、油断した。あいつら出来る!」
~
~剣はレオンを襲おうとしている~
キーーーーン
~弾かれる剣~
バウンサー 「おまえの相手は俺だ」
レオン 「二発目」
ドーーーン
ヌァザ 「くそ。ここでは隠れるところがない!」
ガラスの割れる音
≪とっさに腰の剣を抜くヌァザ≫
キーーーーン
ヌァザ 「くっ。あいつの弾は俺の動きを先読みしている。弾くのがやっとだ」
~
レオン 「お?俺の弾を交わせるのか? そりゃ、バウンサーも苦戦するわけだぜ」
バウンサー 「だから、手練れだと言っとるだろうが!」
バウンサー 「しかし、剣の動きは止まったようだな」
レオン 「アイツは一本しか剣を操れないみたいだぜ」
レオン 「んじゃ、ラストいくか」
ドドーーーン!
~
ヌァザ ≪来た!まずはガラスが割れる音を察知≫
キュン
ヌァザ ≪やはり、私の動き通りについて来る!鏡の割れた音から弾の軌道を≫
キイーーーーーン!
ヌァザ 「!」
ヌァザ 「弾の後ろにもう一発飛んできている?」
ベチャ!
~
レオン 「ふん。旨そうなピザの出来上がりだぜぇ」
バウンサー 「何を言っている。倒したのか?」
~
タラ~~
~ヌァザの額から赤い液体が流れる~
ヌァザ ≪俺は死んだのか?そして…匂う…≫
~手に額を当てるヌァザ~
ヌァザ 「!これは!」
~ピザソース~
ピッ
ルー “大丈夫ですか!ヌァザ様”
ヌァザ 「大丈夫ではない…完敗だ…帰るぞ」
ヌァザ ≪やつら、道を誤る輩ではないな…何者だ?≫
ルー “えっ?しかし、生きていたのですね!なら大丈夫です!”
…
~
レオン 「さて、バウンサーちゃん。終わらせたぜ」
バウンサー 「よく分からんが、攻撃がされないところを見ると、倒したのだな」
レオン 「重労働の後だ。バーボンが飲みたいぜぃ。トノトに頼むか」
バウンサー 「おまえそんなに働いていたか? オーディンの時から…」
レオン 「とりあえず、リサのところへ行こうぜ」
…
…
~反乱組織のアジト~
ロキ 「オーディン…使えないヤツめ!スレン!ヤツを探し殺せ!」
スレン 「…で、俺の心臓は探せたのか?」
ロキ 「い、いや。心臓の場所は今捜査中だ。それより、オーディンを見つけだしすぐに殺すんだ」
スレン 「…そ・れ・よ・り…だと? 俺に指図をするな」
ロキ 「きさまぁ!黙っていれば調子に乗りやがって!俺に逆らえばどうなるか……」
~スレンの剣がロキ首を撥ねていた~
スレン 「ふん。味の悪い人間だ…生き腐れというヤツか」
ロキの一味 「お…おい…」
スレン 「俺の餌になりたければ…来い」
ロキの一味 「俺たちをなめるなよ!…これだけの数を相手におまえは勝てるとでもいうのか」
スレン 「なら、組織の人間を一人残らず連れてこい!待ってやる。…俺は、大食いなのでな」
ロキの一味 「何?」
…
…
~トノトの秘密基地~
レオン 「うい…」
トノト 「どうだい。50 年物のバーボンの味は!」
レオン 「しかし、いつも思うがよ、こんなもんどこから手に入れて来るんだ?」
トノト 「私は酒を探して世界中を飛び回っているからね!」
リサ 「あのう…トノトさん?ここからだと、x205y966z489 辺りの地点に栄えた文明の国ってないでしょうか?」
トノト 「これまた、ずいぶん遠くの場所だね。ロケット飛行艇を使っても一年はかかりそうだ」
ブルー 「ロケット飛行艇?聞いたことない」
リサ 「そう…ですよね。レーダーでは確認しているのだけど。人間同士が戦う大会みたいものが開かれていて、国で一番強い人を決めているみたい…ちょっと気になっちゃって」
バウンサー 「リサが変な機械でよく聞いているのはそれか?」
リサ 「はい!試合は毎日のようにやっていて民はそれを観戦しているみたいなの!」
レオン 「リサ…おまえ…格闘技マニアなのか?」
リサ 「えっ?」
バウンサー 「図星だな」
トノト 「そこはおそらく、”ファイトナ” という街だろう。私も行ったことがないけどね」
リサ 「えっ?知っているのですか?」
トノト 「ウエピナは技術を盗まれないために、特定の国としか交流しないから知らないのも仕方がないけどね」
リサ 「そうなの!ウエピナは特定国以外の国のことを調べるのは禁止しているのよ!」
レオン 「でもよ、もうお前は半分ウエピナの人間じゃないから行っていいんじゃねぇ~か?」
バウンサー 「面白そうだな!俺も試合に出てみたい」
リサ 「ところで、レヴナントさんは?」
アイ 「ずっと皿洗いをしているのよ。働き者だね」
トノト 「では、行くとすれば昔バウンサーとワイバーンの巣を調べに行ったときの場所からすぐ近くだな。寄ろうと思ったが、死にかけたワイバーンを発見したので、急遽私のパークに連れて戻ったが」
バウンサー ≪ギクッ≫
トノト 「ところで、バウンサー。君に預けたそのワイバーンなんだが…」
バウンサー 「と、と、と…トノト!すまん! そのワイバーンとは逸れてしまい、冥刀ヒドラも盗まれてしまった!本当にすまん!」
トノト 「ぷっ。話を最後まで聞きなよバウンサー、ワイバーンは私のところに帰ってきたよ」
バウンサー 「本当か?」
トノト 「ああ、ワイバーンは目の前のものを全て攻撃する習性はあるものの、一度恩を得たものに対しては絶対に忠実だからな。誰かさんと違って」
バウンサー ≪ドキ≫
アイ 「ワイバーンとは…一匹で国一つを滅ぼすって言われている、あの飛竜のワイバーンかい?」
トノト 「そうだね!そのくらいは強いかな?それに凶暴さはそこいらの種族とは比べ物にならないよ」
アイ 「あんたら、よくそんな奴らの巣に行こうとするね。変態だわ」
トノト 「しかし、その反面で非常に頭がよく、人の気持ちもわかる生き物でね。恩を得た人が大切にしている物や人などを絶対に攻撃することはないのだよ」
アイ 「へ~。知らなかった。実際飼っている人に聞いてみるもんだね」
リサ 「あ、あのう…」
トノト 「あ、ごめん。なので、ワープリングでその巣へ行き、そこからワイバーンでファイトナへ行けばいいよ」
リサ 「ワイバーンに乗るの?」
トノト 「巣へ着いたらワイバーンに向かわせる」
リサ 「飛行艇じゃダメなのかしら?」
バウンサー 「他のワイバーンたちの餌食になって終わりだな」
リサ 「そうか…」
トノト 「私はワイバーンに目的地へ向かわせ、そこでワープ場所を開いているのだよ。飛行する生命では最強に近いし危険も乗り越えられる。餌を食べれば燃料はいらないのでどこまででも飛ぶことができるからね。速度も飛行艇より速い」
リサ 「それでいろいろなところに行けるんだ」
トノト 「そういうこと、私は酒を飲んでいれば勝手に着く寸法よ」
アイ 「賢いというか、ずるいというか」
トノト 「大人だからね」
レオン 「じゃ、次の目的地はそこって事でいいのか?」
リサ 「あれ?レオンさんも来てくれるの?反乱組織は?」
レオン 「それが…さっき連絡が入ったんだが…反乱組織は全滅した」
バウンサー 「なんだと?」
レオン 「なんでも反乱組織のアジトで内乱が起きたらしい。その際に首謀者のロキを含む2800名が殺された」
アイ 「わお!」
レオン 「反乱を起こしたのはスレンという男だ」
バウンサー 「信じられん。それほど弱い組織でもないだろうに?」
レオン 「ああ、何かしらの能力者は数百名いたと推測されている」
バウンサー 「スレンというヤツも放ってはおけないのでは?」
レオン 「いや、ヤツはもともと反乱には興味がなかったらしい。実際にこれといって動きもなかった」
バウンサー 「では、今やつは何をしている?」
レオン 「反乱の際にヤツに寝返った3名を連れてメタリカを離れた」
バウンサー 「他に生き残りは?」
レオン 「いない…反乱の時に組織の人間を一人残らずすべてを招集したらしい」
アイ 「そりゃ、私らメタリカの人間にとっても、あんたらにとっても好都合な話だったね」
バウンサー 「スレンとやらの思惑も気になるが、ひとまずは俺たちの
旅は続けられそうだな」
トノト 「難しい話は終わったかい?」
レオン 「いや、おまえ聞けよ!大人だろ!」
~ゆっくりと立ち上がりトノト方を向くバウンサー~
バウンサー 「…トノト…すまん」
トノト 「ん?どうしたんだい?急に」
バウンサー 「トノトに救われた…この命…守ることができなかった。拙者は…死んでしまった」
トノト 「何を言っている?バウンサー、おまえはちゃんと生きているだろう?」
バウンサー 「…トノト」
トノト 「でもな…バウンサー」
バウンサー 「なんだ…」
トノト 「 “ヒドラ” の話は別だぞ?」
バウンサー ≪ギクッ≫
バウンサー 「わ、わかっている!必ず取り戻す!」
トノト 「ま、アレはバウンサーのものだけどね~」
リサ 「トノトさん…つかめない人…」
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