見出し画像

不語怪神(ふごかいしん)第1巻-絵画の時間

がっちりした大男、紫を帯びた顔は円く、そこにまた円い縁の眼鏡を掛けているので、目はいよいよ細く、それはこの男の温和で話し好きな性向を窺わせる。肥満した上体に似合わず、長い脚を持て余している。首が短いからかもしれないが、どうしても猫背になってしまう。後ろ頭がぽつぽつと白いこの男の年令はどうやら四十二三か。自分の体形に合うのは和服だけであることをよく分かっている。

ここから先は

4,008字

¥ 300

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

こんにちは。管理人のアムルタートです。「人丸先生の執筆活動を応援したい!」「アムルタートさんのコーヒー代の足しに!」御支援、大歓迎です。詳細はTwitterに記載しておりますが、安全安心なプラットフォームを求めて放浪しております。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。