不語怪神(ふごかいしん)第2巻-ミュソン
僕は僕自身のための作品を書くことができるなどという幻想を捨てることができていた筈ですが、まだまだ諦められなかったものと思われます。ただ、僕はパターンの上にある《よばわるもの》の声に従うだけの純粋さをこれによって曇らせていたのでした。パターンとは生きている人間に対する粘着的な愛情であったり、大衆的欲望への追従であったりするのですが、そんなものはもはや僕を患わせるものではなくなりました。
ここから先は
6,402字
¥ 300
こんにちは。管理人のアムルタートです。「人丸先生の執筆活動を応援したい!」「アムルタートさんのコーヒー代の足しに!」御支援、大歓迎です。詳細はTwitterに記載しておりますが、安全安心なプラットフォームを求めて放浪しております。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。