翡10-ミレー
■フランス、パリ郊外フォンテーヌブローのバルビゾン村にあるミレー記念館。午後三時、館長室で届いた郵便の束を開けているアラン・ニコラ館長(62)。ニコラは白髪交じりの栗毛で細身の男。遠視用の眼鏡を掛けてレターオープナーで「緊急」と書かれたスタンプも差出人も無い封筒を開けて中の手紙を一瞥(いちべつ)すると、あわてて立ち上がり、館長室を出ていく。(バルビゾンのミレー記念館はネット資料の2.にあります)
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