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翡4-貝合わせ
■関西。よく手入れされた池のある和風庭園から、縁側越しに、旧家の和室が見える。室内では和服姿の老女・白州松江(73)と白州家の娘和子(48)が緋毛氈(ひもうせん)を敷いた室内に床の間を背にして端座。襖を抜いた部屋の入り口から、テレビカメラが二人を写している。テレビ画面。女性レポーター(28)が室内に現れ、以下貝合わせの遊戯を説明する。奥に座っている白州家の二人の女性の脇には、貝桶が数箇置かれている。貝桶は八角形の重箱式で、黒塗り漆に蒔絵で草花文が施されている。
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