115万キロ分の1万4千キロ
ちょっと遅くなったけど、九月、福岡まで髭男の音楽を聴きに行ったので、その話をする。
お?はなちゃん髭男好きだったっけ?と思う人もいるかもしれない。ファンを名乗るほどでもないし、曲も、気に入るのだけ聴く程度なんだけど、なんせ、おにいさんが髭男好きなんだ。日本で一番好きな歌手だって、付き合う前から言ってた気がする。
その中でも、「I LOVE…」が一番好きらしい。付き合う前に聞いたとき、あ、この人と趣味が合わないかも、と正直なところ、思った。
あまりにも強烈なイントロと、ポップなサウンドがあまり好みではなかった。わたしが好きなのは「Bedroom Talk」だし。(ついでに絶対聴いてほしい⬇️)
好きな曲ももちろんあるけど、それ以外はおにいさんが好きだから聴いてみてる、みたいな感覚だった。
けど、わたしの好みなんてどうでもよくて、付き合ったときから絶対に絶対に、生で聴かせてあげたかったんだよね。すごく仕事を頑張っているのを隣で見てきたし、わたしはよくライブに行くからわかる。辛いときや、頑張りたいときに聴いていた曲を、生で聴くと、本当に報われたように感じるから。日本に来て、何度も聴いてきた人たちの音楽を、実際に聴かせてあげたかった。ちょっとでも、力をもらって、また頑張ろうと思える思い出になったらいいなと。
えぐい世話焼きでしょ。でもこれはやらなきゃ気が済みそうになくて、付き合ってから毎月、ライブ情報がないか、ホームページ確認してたよ。ほぼ一年くらい。
そしたら6月、やっと開催されることになって、こっそり応募してたら、当たってた。
ハハハ、ただですら沢山持ってるのに、運まで持ってる彼女なかなかいないよ〜〜〜😺
そんなこんなでサプライズして、気づけば9月、ライブの日になっていたよ。
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アイドルのライブは何度も行ってたんだけど、本当に歌だけで食っていってる人のライブに初めて行ったんだ… いつも色々なこと考えながら聴くのに、その日は「歌上手すぎ…………」しか感想が出てこなくて、自分が嫌になったよ。
感動した。
実は福岡一日前、おにいさんと喧嘩して、お互いムスッとしたまま最後の電話を切った。
このままじゃダメだと思って、夜行バスの中で、仲直りを試みたんだけど、おにいさんなかなか立て直すのが難しくて、気が落ちたまんまその日の電話は終わった。
翌朝、飛行機離陸前に電話したときも、不機嫌だったし。なんなら福岡で合流してからも、ちょっと気まずかった。
わたしが朝九時から、おにいさんが食べたいって言ってたハンバーグ屋さんに並んで、予約しに行ったのに、そのハンバーグ食べてても気まじいのはなんだったんだよ。
一緒にいたらまあ、機嫌も直ってきたけど、本当はどう思ってるかわからないみたいな状態でライブの時間を迎えた。
だから、一緒に聴いた「115万キロのフィルム」がもっともっと記憶に残ってる。
始まるなり、どちらからともなく手を繋いで、目をキラキラさせて聴いていたんだけど
ここで、お互い顔を見合わせた後、もっとぎゅっと強く、手を握られて、目でごめんなさいされたよ。このときやっと、蟠りが解けた気がしたんだ。
ほんと、どれだけ贅沢な仲直りだよ。
そのあとも、ずっとキラキラした目でステージの方を見てるおにいさんを見て、胸がいっぱいになった。
この日が初日だったから、セトリが全くわからなくて、ずっと「I Love…」が流れないか、待ち望んでたんだけど、アンコール前までなかった。
さすがにもう無理か〜、まあいろんな曲聴けたし、いいかな… また次のお楽しみにしようね……
なんて思っていたら、あの強烈なイントロが流れて、その瞬間、二人で同じ表情で顔を見合わせた。
恋に落ちた瞬間に、時が止まるみたいな、ドラマでよく見るやつを二人でやってしまったよ。
帰り道、「好きな人と、イントロ聴いた瞬間に、顔見合せるのが夢だったんだよね〜〜〜夢叶っちゃったよ〜〜〜も〜〜〜」って、ほわほわした顔でうれしそうに話してくれた。
子どもみたいに繋いだ手を大きく振るのが愛おしくて、なんかまた、この人にとって、日本で頑張っててよかった、まだまだ頑張るぞ、の理由になればいいなと思って、ぎゅっと手を握り返したよ。
ね、ライブっていいよね。思い出すだけで、もうひと踏ん張りできたり、また行きたいから、もうちょっと生きられたりするんだ。
おにいさんにとっても、そんな力を貰えた夜だったらいいな。
何年先も、二人で、恋に落ちる瞬間をやろう!
115万キロの中でキラキラ輝く一つの思い出話でした。
まだ1万4000くらいらしいから、もっと思い出作っていこうね。✨