計画性なき人のためのソナタ 第三章
開場まで残り25分。右手にダンボールの束を、左手に紙コップやら氷やらが詰まったビニール袋を持ち、ドン・キホーテから駆け出した僕は、今や完璧に焦っていた。
20~30メートルぐらい「うおおお」と走って、立ち止まる。違う。何かが違う。そして、自分が戻るべき駐車場の位置を全く覚えていないという事実に気がついた時、ひとつの考えが舞い降りた。
「ドリンク担当、2人必要ちゃう?」
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どんなに時間に余裕があっても、或いはなくても、勝負はいつも最後の30分になる。悲しい性である