2024年1月31日(水)の300字小説
静香は途方にくれた。
今日からヤクルトレディになってヤクルトの配達を始めたのだが、予想外のことが起こった。
「まさか、ここまで酷くなるとは……」
半袖の腕を見る。
日光湿疹で真っ赤になった腕。痒いを通り越して、痛い。首筋も大変なことになっている。
高校を出て働き出して、工場に勤めていたが、親の住む土地に戻ってきて、そこで就職した。それがヤクルトレディだった。
一人で淡々と続けられる仕事は理想的だと思った。愛想がない静香には適していると思う。しかし——
こんなに日光湿疹が出てしまうと、この仕事は続けられないだろう。
今日が最初で最後の配達。ヤクルトを家々に届けながら、次の就職先を考える静香だった。
おしまい