柿(2024年10月20日(日)の300字小説)
「あ~、今夜もダメだな。これは」
金曜の夜、帰宅早々私はベッドに寝込んでいた。もう体が動かせない。
なんとかキッチンまで這って行って、インスタントのスープを飲む。これを夕食にする。
最近、寒かったり暑かったりして体が参っている。昔から気候の変化に弱いが、ここ数年余計に悪化している気がする。
枕もとでradikoを聴いて過ごす。まだ寝るには早いしな、と思っていたら、母からラインが来た。
『最近連絡ないけど、大丈夫? 寝込んでない?』
今寝込んでいるところです、お母さん。
『お隣さんから柿をもらったから、送るからね』
また柿をもらったらしい。一人暮らしはあまり果物を買わないから、有り難い。
私は一言、
『ありがと』とだけ送った。
おしまい
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