2024年2月2日(金)の300字小説

 可乃子は結婚して4年になる。今夜は夫が2歳になる息子を連れて、夫の実家に帰っている。「最近ずっと忙しそうだったから、ひとりの時間を満喫して」とにこやかに言い残して、可乃子を置いて実家へ向かった。
 最高に天国の夜だった。
 息子は可愛い。旦那も可愛い。でも、たまにはひとりになりたい。口には出していなかったが、想いは駄々洩れだったかもしれない。
 配信でアニメを観ながら、缶酎ハイを開ける。プシュっという解放的な音がする。ポテチをつまみに酒をダラダラと飲んでいいなんて! 生きてて良かった!
 こういう瞬間があるから、日々が頑張れる。もうこんな解放的な日は来ないかもしれない。それでも、この一夜を大事に過ごそう。
 おしまい

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